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円の実質実効レートはこれ以上下がらないのか?

先日の黒田総裁の発言の真意を巡って、未だにいろいろな憶測が乱れ飛んでいるようですが…

 黒田総裁は、「これ以上、実質実効レートが円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と言ったのでしたよね。

 実質実効レートの意味が分からない?

 先ず、為替レートには、名目為替レートと実質為替レートがあるのをご存知でしょうか?ニュースなどで毎日報じられるのが、名目為替レート。1ドルが123円○○銭なんて報じられていますよね。

  しかし、名目レートだけでは、本当の意味で円が強くなっているのか弱くなっているのかは分かりません。何故かと言えば、 例えば、日本と米国の2つの国の物価の動向が考慮されていないからです。
 
 仮に、1ドル=100円が、1年後も同じ水準であったとして、円はドルに対して強くも弱くもなっていないと本当に言えるか?

  実は、そう言えるのは、双方のインフレ率が同じ場合だけであって、仮に日本のインフレ率が0%で、米国のインフレ率が10%だったらどうでしょう?
 
 もはや、100円では1年前1ドルであったものは買えなくなっているのですから、この場合は、円の価値が落ちているということで円安になっているのです。

  では、実質為替レートが分かれば、全ての場合に万能であるかと言えば…仮に円がドルに対して強くなったり弱くなったりしても、それ以外の例えばユーロなどに対しては違う動きを示すこともある訳で、ドル以外の複数の通貨との関係をも加味したレートが実効レートということになるのです。

 グラフをご覧ください。

画像を見る
 (日銀のデータにより作成)


 毎年の平均値をプロットしたものです。2015年の値は示されていませんが、2014年の暮れ時点では70を切っていたので、現時点では70をかなり下回る水準にまで達しているものと想像されます。

 確かに、相当落ちてきていると言えますよね。

 でも、何故普通に考えると、これ以上落ちるとは思えないのでしょうか? 私にはその理屈が分かりません。見方によっては、基調的に下がり続けているという見方も成り立ち得ると思うのですが…

 では、何故このようなことが起きているのでしょうか?

 それは、少子高齢化を背景として、我が国の潜在成長率が低下し続けていること。そして、物価が上がりにくい状況が続いていること。さらに、貿易収支の赤字体質が定着しつつあることなどが原因であると思われます。

 従って、それら3つの要因のうち、一つでも大きく変わる可能性があるのであれば、今後は円高に振れるということもあり得るとは思うのですが、それら3つの要因が今後とも続くとなれば、私は、さらに円安が進むこともあり得るのではないかと思うのです。

 繰り返しますが、何故普通に考えれば、これ以上の円安は起きそうにないと黒田総裁は考えるのでしょうか?

 もちろん、私としても、これ以上円安が進行することは望まないところですが…黒田総裁も希望を述べているようにしか思えないのです

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