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【全文】公明党・山口代表が安全保障法制について会見

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12日、公明党の山口那津男代表が会見を行い、安全保障法制の意義や公明党の立場を説明、国民に理解を求めるとともに、あくまで今回での成立を目指すとした。記者からは先週の衆院憲法審査会で3人の参考人がいずれも法案を「違憲」としたことについての質問も出た。

冒頭発言

まず最初は、安全保障、今の平和安全法制に関係して、公明党の基本的な考え方を述べたいと思います。

公明党はこれまで、憲法が掲げる平和主義、交際協調主義の精神に基づいて、外交努力による紛争の未然防止と平和的解決、また国際社会の平和と安定への積極的な貢献に取り組んできました。
行動の伴わない観念的な平和論ではなく、着実かつ具体的平和を創造していこう、というのが、公明党の掲げる、"行動する平和主義"という考え方です。

何点か、具体的な要素を申し上げます。

まず一つは、我が国の外交・安全保障の基軸である、日米同盟を重視するということです。

二点目は、中国・韓国をはじめとする、近隣諸国との関係強化に積極的な役割を果たすということです。

三点目は、唯一の被爆国として、核廃絶、不拡散への取り組みを主導するということです。

四点目は、貧困、飢餓、感染症などから生命・生存を守る、"人間の安全保障"分野における貢献を果たすということです。

大きくこれら四つの視点から、平和国家に相応しい役割を追求してまいりました。
とくに中国との関係について申し上げれば、公明党は長年にわたり築いてきた強固な信頼関係を基礎に、議員間交流など、公明党独自の対話外交を現在も継続しています。

現在、国会では平和安全法制が議論されていますが、この議論に至るまで、冷戦終了時以来、およそ三つのステージを経て、様々な法制度が議論されてまいりました。

いずれのステージにおいても、公明党は与党であれ、野党としての立場であれ、立法過程に深く関わって、憲法の範囲内で自衛隊の役割、日本の役割に相応しい制度をその都度作ってきました。

最所のステージは、1990年から93年にかけてでありますが、冷戦の終了後、潜在していた地域紛争などが顕在化する中で、我が国は今の憲法についての基本的な考え方を国会審議を通じて確立しました。

憲法の基本は、武力の行使をしない、また、武力の行使と一体となる行動もしない、というのが大原則であります。

最所に作った法制度はPKO協力法でありまして、ここでは"参加5原則"というものを公明党が強く主導して作りあげた、最初の制度でありました。

今日まで13の活動で延べ1万人の隊員が活動をしました。法律を作った当初は憲法違反だ、あるいは戦争に巻き込まれるという批判、今よりももっと激しい運動が繰り広げられましたが、今日では国民にも、また国際社会にも高く評価されております。

第二のステージは、21世紀の初め頃、いわゆる有事法制を作った頃でありました。
近隣国の中に、弾道ミサイルを開発し、日本を狙って発射してくるという国が現れたことによる、日米安保条約をもっと機能させる、そういう法制度が必要とされ、有事法制の体系を作りました。

このときの憲法論の到達点としては、日本の領域、つまり領土、領空、領海に対する武力攻撃に反撃する武力行使が許されるという原則でありますが、例外としてこの領域を超える公海上でも、日本に対する武力攻撃の着手の行為があれば対応できる、という考えが示されました。
同時に、日本以外の他国に対する攻撃であっても、それが日本に対する攻撃の着手と見られれば日本が反撃することができる、という考えも当時作られました。

当時と比べて、今日はこの安全保障の環境はますます厳しいものとなってきております。
日本人が巻き込まれるテロが多数起きてきている、あるいはスクランブルの緊急発進が格段に増えてきている、また、経済力を付けた国々の軍事プレゼンスが拡大してきている。そういった現象であります。

こうした環境変化に対応するために、今回の法制は平時から有事に至るまで、日本の平和と安全を守るために法制度を作るということ、それともうひとつは、国際社会の平和と安定により一層貢献できるということ。これらの点で、体系的に幅広く、隙間のない法体系を作った、ということです。

憲法の制約がありますので、いわゆる日本の武力行使は自国の防衛ためにのみ使えるという限界を画すと同時に、もっぱら他国の防衛のために武力を使うことはやらない、ということをはっきりと決めました。

日本の憲法の考え方、政府の考え方は、9条1項で戦争を放棄して、2項で陸海空の戦力を持たないということを規定しております。一見、非武装を規定しているように読めます。 しかし、憲法の前文では平和のうちに生存する権利を示し、また13条では、国民の人権に対して政府は国政上最大の尊重を要する、と規定しております。

国民の人権を最も奪う行為が日本に対する武力の攻撃ですから、これを排除するための力は必要であります。しかし9条がありますから、それは最小限のものでなければなりません。こういう考え方で、必要最小限度の自衛力を持つことは許される、こういう考えを取っております。

個別的自衛権とか集団的自衛権という概念は、国際法で言われる概念でありますが、その集団的自衛権には、日本の国民の人権が台無しになること以外にも、他国をもっぱら守るために武力を使う概念も含まれておりますので、そうした国際法でいう集団的自衛権は日本の憲法は認められない、ということであります。

他国に対する攻撃がきっかけであったとしても、それが日本に対する攻撃と同様に、日本の国民に深刻・重大な被害をもたらすような攻撃であれば日本は武力行使で反撃できるという、極めて限定的な意味での国際法上の集団的自衛権は認められる、という風に今回考えたわけです。

日本の自衛権の行使が許されるのは、他国に加えられた攻撃か自国に加えられた攻撃か、ではなく、その攻撃が日本の国民の権利を根底から覆すことが明白なのかどうかという、客観的な考え方で一貫して捉えられているのが日本政府の考え方です。

このような考え方は論理的に一貫しているものであり、また、これからも変わらないという、という意味で法的にも安定していると思います。

これ以上の、他国に対する武力攻撃、他国を防衛する武力攻撃を許すような、いわゆる集団的自衛権をまるごと認めるようなことは今の憲法解釈ではできない、それをやるには憲法改正が必要である、ということも確認をしております。

この1年間にわたって、与党で25回、並行して公明党で35回の議論を重ねて、入念に仕上げました。国会でも丁寧に説明を重ねて、国民の理解を得たいと思っています。

他に与えられたテーマには、憲法改正やエネルギー、税制問題とかもあったんですが、時間も限りがありますので、皆さまからご質問を頂いて、お答えしたいと思います。ありがとうございました。

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