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パナの断熱シート「NASBIS」誕生の背景

パナソニックは、スマートフォンなど電子機器の狭小空間での熱対策に適した高性能断熱シート「NASBIS」を開発しました。この6月から業界最薄の厚さ100㎛の断熱シートの量産化を開始します。
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スマートフォンは多機能化、高性能化、小型化、薄型化が進み、それによって多くの熱源が発生しています。パナソニックが提案するのは、「NASBIS」と「PGSグラファイトシート」を組み合わせて、“熱方向”を制御することです。

「NASBIS」は、繊維とエアロゲルを複合化させたシート状断熱材です。エアロゲルは、空気が動きにくく、熱が伝わりにくいという特徴があります。また、個体の中でもっとも熱伝導率が低い物質です。

具体的には、断熱機能をもつ「NASBIS」と熱拡散性能をもつ「PGSグラファイトシート」を複合して、CPUやカメラなどの筐体にはさみこみ、局所的なヒートスポットの熱を抑制、電子機器の筐体表面の温度を低減させます。

「熱による問題には、低温やけどのほか、ディスプレイの色ムラ、パフォーマンスの低減などがあります。『NASBIS』と『PGSグラファイトシート』を組み合わせて、熱の方向を変えることにより、局所的に熱が上がるのを抑えることができます」と、パナソニック生産技術本部、生産技術開発センター、リーダーの酒谷茂昭さんはいいます。
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「NASBIS」の誕生は、構造改革を抜きにしては語れません。

パナソニックは半導体、電子部品、光学、エネルギー、電池など幅広い事業分野の技術リソースを多数保有しています。本来ならば、それら技術リソースを組み合わせれば、世の中のニーズを満たす新製品がつくれるはずです。しかし、これまではそれが簡単ではなかった。ビジネスユニットやドメインの壁が邪魔をしていたからです。

技術リソースを有効に活用できないだけではく、異なる事業部が同じ製品を手掛けるなど、重複による無駄も生じていました。開発体制の非効率は目に余る状態だったといえます。

2012年6月に社長に就任した津賀一宏さんは、9つあったドメインを解消して、その傘下にあった88のビジネスユニットをくくりなおして49の事業部とし、それぞれの収支が明らかになるようにしました。同時に、新たに4つの社内カンパニーを設けて、基幹デバイスの強化、事業展開、新規事業の創出など、事業部の進化を支える体制をつくりました。また、「クロス・バリュー・イノベーション」をグループの経営スローガンに設定しました。

「クロス・バリュー・イノベーション」は、いってみれば、“技術の掛け算”です。全社の技術を俯瞰的に見るとともに、ビジネスユニットの壁を越えて、“掛け算”で新しい製品を生み出していこうというわけです。

“技術の掛け算”ができたのは、パナソニックが組織の構造改革を行ったからですね。「NASBIS」もその一つの成果といっていいでしょう。

パナソニックは今後、「NASBIS」を車載や産業分野に順次展開する計画です。「セット商品としても提案していきたいと考えています」と、酒谷さんはいいます。

“津賀革命”は、こうしたところにも及んでいるんですね。

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