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クールジャパン戦略推進特命委員会提言

クールジャパン戦略推進特命委員会提言
平成27年6月11日

自 由 民 主 党

政 務 調 査 会

クールジャパン戦略は、経済的な側面のみならず、文化的、外交的な側面もある。日本の魅力やライフスタイルを海外に発信し、わが国に対する理解を促進し、日本ファンを増やしていくという効果が期待される。クールジャパンとして発信するものとしては、コンテンツに限らず、食やファッションなど幅広い分野に及ぶものであるが、とりわけ、コンテンツの海外展開は、その波及効果の大きさから、わが国の競争力に直結するものであり、安倍政権の成長戦略においても重要な取組の一つである。コンテンツの海外展開で、わが国全体が「稼ぐ」仕組みを作り出すことが重要であり、そのためには、これまでの仕組みを大胆に変えていくことに躊躇すべきでない。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、わが国への関心の高まりを好機として、クールジャパン戦略の取組について、積極的に進めていくことが重要である。

クールジャパン戦略推進特命委員会では、昨年11月から、このような考えから、主として、コンテンツ振興策について、政府の取組状況や有識者からのヒアリングをしつつ議論を行い、今後取り組むべき施策を取りまとめた。

まず、クールジャパン機構について、この一年、コンテンツ関係の様々な案件に関し出資を決定してきたが、政府系のファンドとして、よりチャレンジングな取組に対し支援していくことを検討すべきである。
つぎに、多様なコンテンツが次々と製作されていく上で、そのための資金の調達が不可欠であるが、海外の投資家が日本のコンテンツに積極的に投資するよう資金調達をしやすい環境整備のために必要な制度改革をすべきである。
コンテンツを海外に展開していくためには、わが国のトップアーチスト・クリエーターの海外での活躍を後押しするとともに、世界に通用する国際的なプロデューサーの育成が必要不可欠である。このような人材を育成するためこれまで経済産業省において支援策を実施し、より実践的な人材育成のためインターンシップ等の経験を可能とするなど必要な改善に積極的に取り組んでいるが、このような取組を強化していくことが求められる。このような取組に加え、わが国に世界最先端のこうした人材が集まってくるような仕組みを作り出すことも必要である。

また、在外公館等を活用したわが国の魅力の発信を図るとともに、政府が整備を計画している「ジャパン・ハウス(仮称)」は、コンテンツの発信拠点としても大いに期待されるものであり、その効果を最大限にするために、整備段階から関係者の意見を十分聞き、使いやすい施設として整備されるべきである。

コンテンツの海外展開に関しては、韓国などのコンテンツの振興に関する先進的な事例研究や国別のコンテンツ市場動向を分析し、戦略的な海外展開を行って行くことが必要である。
最後になるが、コンテンツの海外展開を「点」の取組に止まらせず、「線」とし、「面」へと広げていくため、コンテンツ産業と周辺産業などを含め他の多くの産業が連携し一体的に海外展開し、わが国全体として「稼ぐ」仕組みづくりに政府は積極的に取り組んでいただきたい。
なお、本委員会は、今回議論してきた事項について引き続き議論を深めていくとともに、インターネット時代においてコンテンツ産業の振興のため著作権制度をはじめとした法制度のあり方など、クールジャパンに関連する課題について幅広く取り上げていくこととしたい。

本委員会としては、このような観点から、以下の取組について、党と政府が一体となって強力に推進していくこととしたい。

1.クールジャパン機構の事業展開

○ クールジャパン機構は、コンテンツのプラットホームの整備事業、海外におけるコンテンツ人材の育成事業など、コンテンツに係る幅広い出資を行っているところであるが、今後、未来への投資として、若手人材が海外で活躍する事業等のコンテンツ振興に関するチャレンジングな取組や優れたローカルクールジャパンを発信する取組に対する出資をさらに検討すべきである。

2.エンターテイメント産業の資金調達の活性化

○ クールジャパン戦略を進めるため、コンテンツの開発・製作環境に必要な資金調達についての環境整備が必要であることを認識し、投資者の保護に留意しつつ、コンテンツ開発・製作についての過度の規制を緩和し、海外からの資金調達を含めた、より自由な資金調達方法の実現を検討すべきである。

3.コンテンツ人材の育成

○ 共同製作等の担い手としての国際的に通用するプロデューサー人材の育成のため、留学に加え、海外の有名スタジオ等でのインターンシップなど実践な取組について支援を充実すべきである。また、国際的に活躍するクリエーター、特に若手のクリエーターの育成ため、留学等の研修の機会を充実すべきである。さらに、世界最先端の人材が日本に集まる仕組みについて検討を進めるべきである。

4.ジャパン・ハウス(仮称)の展開

○ 戦略的な対外発信の一環であるジャパン・ハウス(仮称)について、音楽などのコンテンツ、クールジャパンの発信拠点として最大限の効果を上げるよう、整備段階から、コンテンツ事業者をはじめとした関係者の意見を聞き、使い勝手の良い施設として整備を図るべきである。

5.ベストプラクティスの研究・分析

○ 韓国などにおけるコンテンツ振興施策のベストプラクティスを研究・分析し、コンテンツの海外展開に対する支援の充実を図るべきである。

6.コンテンツの海外展開支援

○ 海外市場の現地ニーズに合致したコンテンツの展開・制作を促進するため、現地市場でのコンテンツの嗜好や視聴形態の動向をはじめとした各国別の市場動向についての情報を収集してコンテンツ事業者に提供するとともに、共同公演、現地テレビ局等メディアとの国際共同製作の機会拡充等を継続的に支援すべきである。 ○ コンテンツの現地化・プロモーション支援及び放送枠の確保等の支援策について継続的な実施・拡充を図るべきである。

7.コンテンツと周辺産業などと連携

○ 周辺産業などとの連携による民間事業者のコンテンツ海外展開を加速するため、コンテンツの現地化・プロモーション支援及び放送枠の確保等の支援策について継続的な実施・拡充を図るべきである(再掲)。

○ 国際的なイベント情報の共有を図り、イベント間の連携や共同開催、各種イベントでの音楽をはじめとしたコンテンツ活用を促進するともに、周辺産業などと連携した海外展開、訪日観光客の増加、地域経済の活性化などの波及効果を引き出すための官民の連携や事業者のマッチングなど横断的な仕組みを構築すべきである。

以上

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