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【読書感想】コントに捧げた内村光良の怒り

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リンク先を見る コントに捧げた内村光良の怒り 続・絶望を笑いに変える芸人たちの生き方 (コア新書)

内容紹介

温厚に見える内村だが、いつもその奥底には「怒り」をも帯びたこだわりが渦巻いていた。(本文より)

 映画監督を志した青年時代、盟友・出川哲朗、戦友・松本人志との出会い、そして、「コントの求道者」へ--。

 内村光良の「怒り」とは? 有吉弘行・さまぁ~ず・バナナマンなどのブレイクを後押しした“プロデュース術”とは?

 デビュー30周年、「第三の全盛期」を迎えたウッチャンを、多くの証言や多岐に渡る資料を駆使し、

 てれびのスキマが「テレビっ子視点」で解き明かす。

 また、浅草キッド・水道橋博士が編集長を務めるメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』の

 人気連載「芸人ミステリーズ」配信ぶんから8篇を厳選の上、大幅に加筆修正して収録。

『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか~』に続くテレビっ子視点で描写するエンターテイナー評伝集第2弾

<目次>

序 章 内村光良「怒り。」(前編)

第一章 出川哲朗のリアルガチな成りあがり

第二章 笑福亭鶴瓶があこがれられない理由

第三章 タモリ少年期

第四章 中居正広とSMAPの時計

第五章 早見あかりとももクロの背中

第六章 博多華丸・大吉の“来世”

第七章 レイザーラモンの人生すごろく

第八章 キャイ~ンが泣いた日

終 章 内村光良「怒り。」(後編)

 「てれびのスキマ」こと戸部田誠さんによる「芸人列伝」第2集。

 第1集の『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか』もすごく面白かったのですが(オードリーの若林正恭さんが「ネガティブの穴の底」を覗き込みつづけた話なんて、あまりにも壮絶で圧倒されてしまいました)、今回もまた芸人さんたちの濃密な生きざまの一端をうかがい知ることができる内容になっています。

 僕も「内村光良直撃世代」なので、著者の内村さんへの「愛着」みたいなものには、ものすごく親近感がありましたし。

 映画を作りたくて、「横浜放送映画専門学校」に入学したものの、他の目立つ人たちに埋もれてしまっていた内村さん(南原清隆さんだけじゃなくて、出川哲朗さんも同級生だったんですね、堀越学園みたいだ……)。

 目立っていたのは南原や、のちに一緒に劇団SHA・LA・LAを立ち上げる入江雅人や出川哲朗だった。内村を学生時代から「チェン」と呼ぶ出川も同様の印象を語っている。

「チェンは学校ではまったく目立たない、正直、華のない男で、芝居でも端役ばかりだった」と。だが、一方で「女のコにはなぜかすごくモテました。『ウッチャン、ウッチャン』って、女のコがよくお弁当作ってきたりして。華はないけど可愛らしいんですね」

 2駅分走って通学していた内村は、昼休みにもみんなが食事に誘うと、「オレ金ないからいい。走ってる」と言い残し、教室で走っていた。するとそれを見た女生徒が「ウッチャン、可哀想」と翌日お弁当を持ってくるのだ。

 のちに勝俣州和は「母性本能をくすぐるというのを常に頭の中で考えている」と内村を評したが、このころから既にそうだったのかもしれない。

 だから出川にとって学生時代の内村の印象は「目立たないけどモテる奴」だった。

 ああ、なんかわかるなあ、これ。

 僕は男ですけど、内村さんが「モテる」のって、わかるような気がする。

 意識的にやっているのかどうかは、僕にはわからないけれど。

 この新書のなかでは、思いがけず「お笑い」の才能を認められ、世に出ることになった内村さんが、「きっちりつくりこんだコント」という自分の領分へのこだわりと葛藤していく様子が描かれています。

 予期せぬ事故でレギュラー番組が終了し、仕事が減ってしまったとき、『夢で逢えたら』からの「盟友」であったダウンタウンの松本人志さんが内村さんの楽屋をひとりで訪れて話し込んだ、というエピソードも紹介されています。

 性格的には、温厚で親しみやすい雰囲気の内村さんと、声をかけにくそうな感じがする松本さんなのですが、「コント」というか「つくりこんだ作品を世に出すことへのこだわり」には、相通じるものがあったんですね。

 この本を読んでいて、僕は「いままで自分がみてきたお笑い番組で、ちょっと引っかかっていた場面」のことをいくつも思い出しました。

 芸人さんたちのリアクションが「ちょっと普段と違う」と思ったのだけれど、その理由は僕にはよくわからない。気のせいだったのかな?

 あるいは、「この人は、なぜこの場面で、こんな態度をとったのだろう?」という、軽い疑問。

「僕はもう、スベってもいいですけど、やっぱりウッチャンには『出るんじゃなかった』って思われるのが一番嫌じゃないですか」

 2009年1月3日に放送された『ザ・ドリームマッチ2009』(TBS系)。ボケとツッコミに別れ、フィーリングカップル形式で即席コンビを組み、ネタを披露するこの番組で、内村光良と松本人志は約20年ぶりにコンビを組んでコントを演じた。『ドリームマッチ』はダウンタウンがメインを務める番組。内村はいわばお客さんである。松本がそういう思いを抱くのは当然だろう。だが、それ以上に彼らには「戦友」意識のようなものがある。だからこそ、恥をかかせるわけにはいかない。その思いは内村も同じだったという。

「松ちゃんをすべらすわけにはいかない」と。

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