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「中国の小話」その54―長江での客船事故の教訓―

中国湖北省の長江で456人乗りの大型客船『東方の星』が転覆した。大惨事で、船長他わずかな人しか助からなかった。

6月7日付読売新聞によると、「捜索状況の情報などを求めて現場付近に駆け付けた乗客の家族は約1400人に達し、事故対応や原因究明を巡って公然と不満を語る人も増え、習近平政権は批判の高まりを警戒している」という。

続いて「当局は家族に対し『防疫対策が必要だ』として収容されている遺体との対面も許しておらず、救援活動をする人々を英雄的に報じ、家族の悲しみは伝えられていない」と報じた。

中国中央テレビは6日、共産党と政府が「非常に責任ある態度」で事故対応に当たったと称賛する総括記事を国営・新華社通信がまとめたと伝えた。しかし、悲しみに打ちひしがれた人々のニュースは伝わってこない。

なぜに近年、習近平政権は厳しい報道規制とジャーナリストの拘束を続けるのであろうか。人民は『東方の星』号転覆事故からの教訓として、以下の4項目をひそかに噂している。これは故なき事ではなく、『荀子』王制篇を意識した強烈な政権批判ではないだろうか。


1. 巨大な船体で、威勢を見せかけて数十年間長江で航行したものの、一瞬で転覆した。
   (どんな強力政権も、一瞬にして崩壊する)
2. 転覆の前は誰も予知できなかった。
   (政権崩壊は誰も予知できない)
3. 『水は舟を載(の)せ、舟を覆(くつが)えす』という言葉を証明した。
   (水は人民、船は政権である)
4. 舵取りが逃げたら、船内の乗客やスタッフは皆ひどい目に遭う。
   (指導者がいなくなると、人民はひどい目に会う)

『荀子』王制篇前文には
「君主とは舟であり、庶民とは水である。」
「水は舟を載せるが、舟を転覆させもする。」
というのがある。

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