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「オカンでも遊べるオンラインゲーム」という「深淵」

以前、ソーシャルゲーム・ソーシャルアプリ開発者の話を聞いて舌を巻いたというか「オレはあれはやりたくない」と感じた件を書いた。

その後、ゲームデベロッパーのカンファレンスで具体的な開発ノウハウのセミナーが持たれたようで、Webにまとめられていた。


これが面白い。

私は金勘定が好きな編集者であって(その意味で編集長向き)、たとえば単行本1冊、どう値付けしてどういう紙・印刷でコストとクオリティー・デザインをコントロールするかとか、金ベースで試算検討するのが大好き。そうして読者に受けて当たったときとか、編集者の醍醐味だ。


その目で見ると、このセミナーで語られているビジネスの組み立て話は、なかなか楽しめる。たぶんソーシャルゲームをやるのより、私にとってはずっと面白い。

私のソーシャルゲーム体験は、Facebookで入り口だけプレイして、追加アイテムに関する「くどいくらいのリコメンデーション」に閉口して止めた程度。プレイヤーとしてはあんまり合わないんじゃないかな多分。


プロジェクトをどう企画し、終わるまでの運営でどう成功に落とし込むかとか、実に興味深い。

ユーザー側から見ると「瞬間的にリアルマネー絡みのギャンブル的な判断を強いられる」ところとか、ちょっとペニーオークションとかグルーポンのビジネスを思い出すよね。


投下リソースからいかに利益を極大化できるかというのは、当たり前だがすべてのビジネスの基本。利幅を増やせれば理想だが多くの場合そこには市場を巡る競争があるので無謀な価格設定はできず、結果的に標準的な利幅設計に落ち着くのが一般的。

ところが個々の商品は当然だが当たったり外れたりするので、平均してせいぜいが「フツーの売上高営業利益率」を確保できるわけで。

その点、モバゲーやグリーはあれだけCM大量投下しても売上高営業利益率50%とかの化け物だ。そこには財布から自らの手でお金を渡す行為を「伴わない」ビジネスならではの「衝動買い誘導」というどでかい要素がある。

ここで語られているのもその類で、いかに「お金を出したくなる機会を演出するか」などえげつないとは思うが、「他人のビジネスを教えていただく」というレイヤーにおいては、本当に勉強になる。


とはいえ、「作り手としてあっち側にはあんまりいたくないなあ」という感想は、これ読んでも変わらないんだけどね。というか、よりそういう気持ちが強まったというか。

あの発想は、「コンテンツは商売用の客寄せ。客寄せできれば質は無関係」という割り切った感覚を持つネット企業と通底している。


それは他人のビジネスなんでどうでもいいのだが、私にはどうしても「価値あるコンテンツで対価をいただいた」という気持ち良さが必要。そうでないと人生がつまんないんだよね。別に金のためだけに仕事してるわけではないし。

まあ典型的な「ほろびゆくコンテンツ屋」のパターンだ。


でもいいじゃん。私が放逐されるまでそれでメシが食えれば。放逐されるのは私の自己責任だ。それからのことは「明日考えるわ」。画像を見る

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