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ドローン事件、躍る阿呆に見る阿呆

 以前、総合オピニオンサイト「iRONNA」でネットリテラシーや少年犯罪に関する「マスゴミよりたちが悪い私刑化社会」と題したテーマを公開した際、ノエル少年について触れた。川崎市の中1殺害事件で加害少年宅を無断で動画撮影し、警察官から注意を受けながらも「報道の自由は僕にもある」などと抗弁した、あの少年である。先日、ドローンを飛ばすと予告したとして逮捕され、物議を醸したお騒がせ少年だが、もう知らない人はいないだろう。

 いまさら少年法の理念がどうとか、罪を犯した少年の行動を擁護するつもりなどさらさらない。ただ、一つ気になったのは、こうした彼の挑発的な行動の裏にはすべて、「囲い」と呼ばれる無責任な支援者の存在が関わっていたのかという点である。

 ノエル少年のホームページをみると、「ノエルへの支援について」と書かれたページが存在する。そこには自分の銀行口座が明記され、「ご支援はウェブマネーやAmazonギフト券でも可能」とも書かれている。さらに、バナー広告の募集や、手彫りの消しゴム判子やオリジナル自由帳などの文房具もセット販売しており、過激な生配信を繰り返した背景には、ネットの世界で有名になり、サイトへのアクセス数を増やすことで多少なりとも収入を得る目的があったことがうかがえる。

 これまでの報道をみる限り、少年は動画配信による広告収入のほかにも、「囲い」と呼ばれる支援者から多額の寄付を受けていたとされる。その額は少なくとも数十万円に上るとみられ、生配信に必要な端末やドローンなどの機材購入などに充てられていたという。これが事実とすれば、「囲い」の存在が少年の過激な行動を助長していたことは明らかである。

 少年を金銭的に支援し、過激な行動に走らせた「囲い」とは、いったいどんな存在なのか。読売オンラインの記事によると、「囲い」とは「ファン・リスナーが、配信者を囲い込んで自分たちの思うとおりに動かそうとすることを揶揄する用語」であり、「それが転じて、熱心なファンのことを指すこともある」という。

 さらに、彼らの存在は配信者にとって金銭的な支援だけでなく、時に精神的な支えにもなるらしい。記事によれば、「ネットライブ動画配信は、視聴者からのコメントをリアルタイムで見ることができるのが特徴だ。コメントを読むことで、双方向にコミュニケーションできるのが最大の魅力である。しかし、そのコミュニケーションが、行動をエスカレートさせてしまうことがある」という。

 つまり、「囲い」とは自らの手を決して汚すことなく、配信者を煽って、過激な動画を投稿させては、それを見て楽しむという身勝手かつ無責任な存在なのである。もちろん、ノエル少年にしても、ただ単に彼らに利用されたというよりは、「配信で生計を立てる」という彼自身の目的のために、百も承知の上での行動だった感は否めない。

 ネット世界に求めた「居場所」から逸脱し、現実社会にまで火の粉を撒き散らした彼らの行動は、もはや興味本位や悪ふざけの度を超えており、当然非難されるべきだ。そして、「夢の新技術」とまで持ち上げられたドローンまでも、こうした事件が起きるたびに迷惑な技術というネガティブイメージが先行し、結果として規制論議に拍車をかけてしまっては本末転倒である。

 一部報道によれば、逮捕された少年を支援した「囲い」についても、警察が唆しの疑いで捜査を進めているという。「踊る阿呆に見る阿呆」とはよく言ったものである。警察にはぜひ厳罰をもって対処してほしい。ここで歪んだ「暴走」を止めなければ、第二、第三のノエルがきっとまた現れる。(iRONNA編集長、白岩賢太)

■ ■ ■
 各地で小型無人機「ドローン」を飛ばし、トラブルを起こした「ノエル」こと横浜市の15歳の少年が逮捕された。少年が挑発的な言動を繰り返した背景には、「囲い」と呼ばれる無責任な大人の存在も浮かぶ。無法地帯と化すネット世界。歪んだ暴走を止めることができるか。

 ドローン事件からみえるネットリテラシーについて考える「誰か僕を止めてください!」は、総合オピニオンサイト「iRONNA」でご覧ください。

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