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「成功する電子雑誌」は、おそらく「今の雑誌の電子版」と全然違うスタイルのはず。リッチコンテンツの方向でもなく。

直近、自分のビジネスに関し、将来を考えている。メシの種なんで、それはそれはマジメに。

私は基本雑誌屋タイプの編集者なので、10年後に雑誌がどのような形になっているかを考える。もちろん紙が残るのは明白だが、電子雑誌もある程度の市場規模を取っているはずだ。

私の基本認識は半年前とそう変わっていない。つまり「コンテンツ業界はデジタルディストリビューション化に伴い、劇的に情報の小分け販売に移行する」という認識だ。

そこでどう「食う」か。

しかし、その後半年の動きを見て、さらに版元編集者として電子出版を手掛け、知識を深めるにつけ、多少判断が変わった。

まず現状の電子雑誌は、「売れない」「広告ない」>「はい終わり」で決定。それは当然として、未来がどうなるかも割と悲観的になりつつある。

業界筋で情報をたぐると、たしかに今でも売れている電子雑誌があるとは聞く(売れてるったって1000部単位だから食えはしないんだけど。紙版の1/50じゃあ)。それでも要は紙がある雑誌の「電子版」でしかない。

つまり「紙版」に取材から人件費間接費まですべてのコストを付け回し、せいぜいオーサリング費用だけを電子版に配賦しているからこそ成り立っているに過ぎない。

今後紙の部数が減ってきて電子版が増えたとしても、ある閾値に達すれば総合して赤字になってしまうのは見えてる。それは広告収入が劇的に減るのと、ついには電子版に本来の費用を配賦せざるを得なくなる、ふたつの面が大きい。

もちろん「広告が入らないので電子版は紙版の3倍価格です」が許されれば別だが、理屈が合っててもフツーの人がそれで買うわけない(私が読者だって安い方がいいし)。

ハナから電子版のみというやり方も厳しく思える。いやいずれプラットフォームが広く普及したとしても。可能性は感じるのだが、私の見込みでは、少なくとも「これまでの雑誌」スタイルは分が悪いだろう。

といって、「データなんだからコンテンツをリッチにして(動画や音楽入れたり)」みたいなコンテンツ屋バカの発想では、さらに失敗する。いや成功する媒体も出るだろうが、ほとんどは無理だろう。

理由は広告単価が追いつかないから。凝れば凝るほどハードルが上がる。(すみません語り出すととてつもなく長くなるんで、今回各所で詳細な考察を書いてません。業界人以外でも想像できるレベルでは書くのでご勘弁を)。

むしろ可能性を感じるのは、全然違うスタイル。コンテンツアグリゲーションの容れ物である「電子雑誌」。つまりコンテンツアグリゲーターだ。

要するに、編集者という人間が会議で企画決め取材して、媒体コンセプトに沿って職人技で記事を構築していくという形「ではない」奴。

この可能性については、明日のエントリーで書いてみよう。

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