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ギリシャの決戦は金曜日

 凍結中の現行のギリシャ支援は6月末に期限切れを迎える。それまでに必要な議会承認などを経て支援を再開するため、ユーロ圏は合意期限を6月5日に設定したそうである(ロイター)。

 6月5日は3億100万ユーロの国際通貨基金(IMF)への借り入れの返済日となるが、6月はこれだけでなくIMF向け返済資金だけでも合計16億ユーロに及ぶ。

 5月にもIMFへの返済は7.5億ユーロあったが、ギリシャ政府はIMFの特別引き出し権(SDR)を取り崩し、約7.5億の融資返済を完了させた。しかし、ブチス内務相の先日の発言のように、ギリシャ政府の金庫には金はない。そうなると欧州連合(EU)などに金融支援を求めるほかはないが、その交渉が難航している。

 ギリシャ問題をめぐる1日の協議には、メルケル・オランド両首脳とユンケル欧州委員長、さらに ドラギECB総裁とラガルドIMF専務理事が加わったと報じられている。この会合は2日未明まで続けられ、ギリシャに示す案について意見を調整するそうである。ちなみに3日にはECBの政策理事会が予定されている。

 EUにとってもギリシャに簡単にデフォルトにはなってほしくはない。ギリシャのユーロ離脱はユーロという存在の危機を招くきっかけになる懸念もある。かといって巨額融資を行うには条件がある。このためギリシャには年金制度や労働市場の改革などを求めている。

 チプラス政権内部では、内輪もめの兆候が表れており、ギリシャの新たなIMF代表として、政府が指名した候補が6月1日に辞退に追い込まれた。チプラス首相は、仏ルモンド紙への寄稿で、協議が依然合意に達していないことについて、ギリシャ側に責任はないと主張。理不尽な解決策を押し付け、ギリシャ選挙の民主的結果に無関心な一部の債権団に責任があるとの見方を示したそうである(ロイター)。

 IMFのラガルド専務理事は、債務危機に直面しているギリシャについて、ユーロ圏からの離脱もあり得ると語ったように、トロイカと呼ばれたギリシャ支援団の一部から、やや突き放したような発言も出ている。

 デフォルトはさておき、ユーロから離脱すれば新たな自国通貨の急落は免れず、現在以上の経済や財政の悪化を招くことが予想され、ギリシャにとり、ユーロにとどまることによる恩恵は受け続けたい。しかし、国民は痛みを避けたいとし、そこで生まれたのがチプラス政権であり容易な妥協も国民が見ている以上は許されない。

 ずるずると長引いた協議は6月5日に大きな山場を迎えることになる。ギリシャ首相は債権団との交渉で年金改革に応じる用意があるとの報道もあったが、ギリシャが折れなければ支援は受けられない。支援側も安易な妥協は許されない。デフォルトはさることながら、ユーロ離脱をユーロ側、ギリシャ側それぞれが受け入れることはできるのか。それとも何らかの妥協点を見つけて最悪の事態は回避されるのか。決戦は今週の金曜日までとなる。

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