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衆議院安保法制特別委員会質疑を終えて

■民主党の安全保障に対する基本スタンス「近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」

我が国の安全保障上の最も現実的な脅威は尖閣諸島の防衛にある。我々は、そうした脅威に対しての備えを万全にする「領域警備法案」を用意した。質疑の冒頭では、「近くの現実的な問題」に対応する法整備を総理に要請した。

政府提出法案には「近く」と「遠く」のメリハリがない。現行の「周辺事態法」は、朝鮮半島有事などに対処するものだが、改正案である「重要影響事態安全確保法」では実質的な地理的概念をなくした。さらに、新法である「国際平和支援法」では、わが国には直接的影響がない事態を想定しているにも関わらず、「重要影響事態安全確保法」と同様、現に戦闘が行われていない地域(すなわち、戦闘が行われる可能性のある地域)に派遣することができ、弾薬や軍人の輸送、給油などが可能となる内容となっている。朝鮮半島有事というわが国の有事に直結する事態への対応を世界中で起こりうるあらゆる事態に適用する必要性はない。総理は「目的が違うから法案も違う」と答弁したが、目的が違えばとるべき対応も違うはずだ。

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■ISIL(イスラム国)掃討作戦への後方支援はしないという総理のミスリード

法案を閣議決定した日、「ISIL(イスラム国)掃討作戦への後方支援はしない」という安倍総理の記者会見での発言が気になった。「国際平和支援法案」を読む限り、すでに国連決議の出ているISIL掃討作戦への後方支援ができない根拠は見当たらない。この点を中谷大臣に質したところ、「法律的にはあり得る」という明確な答弁があった。「後方支援は行わない」という安倍総理の発言は、現内閣の現時点での判断であって、将来まで保証するものではなく、ミスリードと言わざるを得ない。

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■現場も望む国民の理解

今回の安保法制について現場の自衛官の声を聞いて回った。人格・識見に優れ、海外での活動経験が豊富な自衛官ばかりである。

今回の法改正が実現すると、自衛官は、これまで以上に、戦闘地域の近くで活動することになる。問題は、テロリストと対峙した場合や、突発的な銃撃戦が起こった場合に、彼らを守ることができるかどうかにある。ストレートに自衛官に質したところ、彼らは不安の声を漏らした。海外で自衛隊が活動する場合、派遣先の国と地位協定が締結され、当該国の刑事裁判権から免除されるため、適用されるのは、わが国の国内法のみである。問題が生じるのは、市街地などで銃撃戦となり、テロリストと誤って民間人を撃ってしまうケースである。わが国の刑法には国外犯に業務上過失致死は適用されないため、法的に宙に浮いてしまう。誤射した相手が女性であったり子供であったりした場合、反日感情が一気に高まる可能性がある。深刻なのは、こうした事態が想定されることによって、現場の自衛官がROE(部隊行動基準)に基づいて撃つべき場面で躊躇することだ。これ以上、この問題を放置することは許されない。

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戦闘が行われる可能性のある地域で活動することになって、活動の中断や撤退が必要になる点も懸念がある。他国軍と共同で活動が行われ、兵站など需要な任務を担うことになればなるほど、撤退は国際問題になる可能性がある。この点は、西元徹也元統合幕僚議長などの専門家も懸念を表明しているが、総理から明確な答弁がなかった。

政治が判断すれば、自衛官はどんな現場であっても行く覚悟はできている。ただ、「国論を二分する状況で派遣されることは避けたい」「国民的な理解を得られない状況ならば、一年かけてでも議論した上で結論を出すべきではないか」という声に、総理は耳を傾けるべきだ。

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