- 2015年06月03日 03:01
FIFAのブラッター会長が辞任表明、複数の幹部逮捕後
FIFA’s Blatter To Resign Amid The Corruption Issues.
国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長(79歳)が2日、スイスのチューリヒにある本部で開いた記者会見にて突如、辞任を表明しました。同会長はFIFAが後任を決めるまで、現職にとどまる予定です。
総会前の5月27日、米国とスイス当局が行った捜査によりチューリヒに集まっていたFIFAの副会長2人を含む6名の幹部が贈賄容疑で逮捕されるという激震が走ってから、わずか1週間での辞任発表となりました。スイス当局は、その他8名の指名手配も発表。米司法省も9名の幹部、および5名のスポーツメディア会社幹部が1億5000万ドル(約185億円)に及ぶ巨大な汚職事件への関与していたと報告していたものです。
振り返れば総会が開催された5月28日、開会式での演説にてブラッター会長は汚職問題につき「最終的な責任は私にあると多くの人が認識していると承知している」と発言。対して欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長は同日、ブラッター会長が辞任要請を「拒否した」と記者団に不満を漏らしていたことが思い出されます。
ブラッター会長はいずれの捜査対象にも挙がっておらず会長選で勝利を遂げたものの、2010年の南アフリカでのワールドカップをはじめ、2002年の日韓W杯など長きにわたる不正のベールがはがされるなか、観念せずにいられなかったのでしょうか。予定通りと言われつつ2018年のロシアW杯、特に2022年のカタールW杯の開催ヘの影響も気掛かりです。
個人的には本部を構えるスイス当局だけでなく米国もFIFAの膿にメスを入れたというのが、興味深い。米司法省、米連邦捜査局(FBI)、内国歳入庁(IRS)を巻き込んで4年に及ぶ徹底調査を行った後での炙り出しには、執念すら感じられます。JPモルガンやバンク・オブ・アメリカなど大手米銀のニューヨーク支店が金銭受け取りの窓口であったといいますから無視できなかったという事情の他に、脱税取り締まりを含め網の目を張り巡らせていた環境が透けて見えます。また公式スポンサーを長く務めてきた企業のビザ、コカコーラ、マクドナルドと米国企業が名を連ねるのも因縁を感じさせますよ。
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