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「きちんとした原則を決め、お互いに認識して最終判断をすべき」為政者について、小沢代表 小沢一郎代表・山本太郎代表定例記者会見(2015年5月26日)

5月26日午後、国会内で小沢一郎代表と山本太郎代表が定例記者会見を行いました。会見概要は以下の通りです。

【質疑要旨】
○安保法制審議の問題点について
○米国追従問題について
○官僚主導問題について
○原発再稼働等問題について
○経済政策について
○野党再結集について

安保法制審議の問題点について

Q.小沢代表には安保法制に関連して日米安保体制下における離島防衛問題について、玉城幹事長には安保法制について沖縄選出の国会議員と市民の立場から見解をお伺いします。

小沢一郎代表 この問題については以前から機会あるたびに申し上げてきましたが、今日の安倍さんの(本会議)答弁を聞いてみても、非常に抽象的な、しかも心情的な表現、言葉を使って国民を、その意味では、あざむくような、悪く言えば、だますようなやり方を依然として続けています。私は、為政者がこういうやり方をするのは、必ず国を誤ると思っております。

今回の論議では、最初からずっと論理的な説明が全然なくして、抽象的、曖昧な言葉の羅列で国民を説得しようとしているわけです。このままの形で日本の今後の行動が位置づけられるというのは大変困ったことであり、良くないけしからんことだと思っております。

個別の話は、私から言わせれば、全くくだらん話です。何のことでもそうですけれども、最終的に時の政府の判断になるということはその通りなのです。それにしてもきちんとした原則を決めておいて、それをお互いに認識して最終判断をしなくてはいけないといことだと思います。

今度のことでメディアもなんもかんもそうですけれども、新3要件がどうのこうのと意味不明なことばかり言っています。そんなことよりも憲法9条、自民党の改憲草案でも9条1項を変えないことになっています。第1項はどういうことなのかと確定しないと、安保論議は始まらないはずです。ところがそういう視点からの質問もなければ、もちろん説明もありません。

憲法9条には、国際紛争について、常識的に言えば、我が国が直接攻撃されたわけではではない他の国や国々、あるいは地域での紛争・戦争状態に対して、国権の発動たる武力の行使はだめですと書いてあります。集団的も個別的もないのです。国権の発動たる武力の行使、自衛権の行使はいけませんと憲法9条の第1項に書いてあるのです。そのことを前提にしないと議論にならない。今の安倍さんの話は、そのことを全く無視というか触れないで、ただ国民の生命が危険にさらされた時にどうのと意味不明のありもしない例示ばかり並べ立てています。全くナンセンスな議論だし、非常に国を誤る政府の言動だと思います。

玉城デニー幹事長 沖縄が戦後70年、これまで求めてきたのは米軍基地の整理縮小であり、アジアとの連携を深めて経済をできるだけ自立型に振興して行く方向に多くの県民が期待をかけています。

しかし安保法制が進むことによって、また紛争の犠牲になる不安、あるいは米軍と自衛隊が一体協力化して訓練をする不安。そういうことは具体的に何が不安というよりも、70年たっても軍事機能が強化される、抑止力が高まるという理由で普天間の移設で辺野古が唯一だと政府が強要してくるという全体的な形での法案に対して多くの県民が不安を持っているのは確かだと思います。

これまで具体的な提案がなかった自衛隊の宮古島や石垣島への配備なども出てきていることを考えると、さらに沖縄における軍事的な色合いが強くなっていくことがこの法案で出てくることに多くの県民は不安に思っています。それが今の沖縄の現状ではないかと思います。

Q.衆院本会議での総理の答弁について、小沢代表は抽象論が多いと指摘されました。一方で総理は、「戦争に巻き込まれることはない」など断定的に答弁しています。抽象論と断定的するところとのギャップに関して総理が何を持ってそう述べているのかとお考えですか?

小沢一郎代表 戦争に巻き込まれないというのも抽象的です。何なの、戦争に巻き込まれないとか、巻き込まれますとか意味不明です。一般的に使っているのも戦争に巻き込まれるとか巻き込まれないとかは具体的にどういうことなのかよく分からないと思います。言葉の綾でもって何やかんや言っています。

紛争という戦争状態をなくして世界の平和を維持するにはどうしたらいいかということの基本の考え方、日本国憲法では自分で自衛権を行使してはいけませんと言っています。それではどうするのかというと、日本国憲法の論理は、世界の平和と秩序を維持する機能を持った国連を中心とした平和活動に委ねる。そこに日本は全面協力する。

そういう基本原則がないと、「戦争に巻き込まれません」とか「これは大丈夫です」とか「自衛隊が行ったところが紛争地ではないのです」とか「日本人の生命が危険な時はどうです」とか、安倍さんはじめ政府の説明は、全く説明になっていません。

日本人は世界中どこにでもいます。ということは日本人の財産も世界中にあります。国益と言えば、何でも国益になってしまいます。日本の生存、生命にかかわると言って、昔から「大日本帝国の生命線はここだ。朝鮮だ。満州だ」と言って大陸進出していったのだから。そんなの定義できない話なのです。戦争と言って、何が戦争なのか。「俺は戦争するぞ。侵略するぞ」と言ってやる国はいない。

ISだって批判するけれども、ISだってアラーの神様の教えを普遍的にもう一度原点からだといってやっているわけだから。どっちにも理屈があります。どっちが正しいかは神様でも判断できないくらいの話なのです。それではどうしようもない紛争の世界、地球になってしまうから、それではいけませんという理想の下に国連ができたわけです。 日本はあくまで国連を中心に世界の平和と秩序維持のために努力をするということであり、その紛争は、戦争と呼ばれるものであるかもしれないし、テロと言われるかもしれないし、あるいは部族同士の喧嘩かもしれないし、どういう形か具体的には分からない。前にも言ったように具体的に分かっていれば、戦争にならないのです。どういうことが起こるか分からない。分からないけど、一般的には紛争です。

戦争という言葉でもってごまかしています。戦争に参加しないで紛争に参加するのはいいのか。紛争と戦争はどう違うのと。みんな言葉面だけでしょう。そういう議論はあまり意味がない。そういう全くの定義のない言葉面の遊びになってしまう。そういう意味で今言われていることは、戦争に巻き込まれるから反対だというのもあまり論理的でない。戦争に巻き込まれませんというのも何の意味か分かりません。そういう意味で今の話しというのは、議論にならない全く不毛の論戦とも言えない話だと思っています。

米国追従問題について

Q.翁長沖縄県知事が5月20日の記者会見で日米安保の重要性は良く分かるが、日本の独立が神話と言われないように安倍総理にがんばってもらいたいと述べました。現政権は戦後レジームからの脱却と言いながら、米国にどんどん追従していく姿勢を強めているように見えますが、いかがお考えですか。

小沢一郎代表 アメリカに追従する、従属的な傾向をより強めているということは一般論として国民が感じるところです。私は、安倍さんの心情的なものはそうではないと思います。日米同盟、日米の軍事協力ということを理由にして、今言っている海外派兵やら日本の軍事力の強化を目指しているのだと思います。

と言いますのは、何度も言っていますが、安倍さんは戦後体制を否定しています。ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約に書かれていること、つまり日本が受け入れたことについて、肯定的な答えを一切していません。むしろ極東軍事裁判を批判しています。どちらかと言えばそうです。

その人が日米同盟を殊更強調するのは、本当はおかしいのです。安倍さんは、日本の武装独立(論者)です。ある意味(石原)慎太郎さんと同じです。その意味でアメリカと喧嘩をするという政治的な立場を勿論採るわけがないのですけれども、軍事同盟的な中身のものを、日米同盟の強化ということで自らの軍事的な量的、質的な拡大を腹の中で思い描いているのではないかと私は考えております。だからアメリカに従属的になりつつある以上に危険な思想であると思います。

私は、アメリカとの同盟は対等関係だと言っていますが、それは軍事的に対等になるというわけではありません。日米のそれぞれの立場や考えの違いがあります。ただ同じ独立国として対等の立場で友好と同盟関係を強化するということで私は考えております。安倍さんは自分の心の奥底のことまでは絶対に話さないでしょうけれども、日米同盟を理由として日本の軍事的な質、量ともに強化拡大をしようとしていると私は考えています。

山本太郎代表 小沢代表が言われた通り、同盟関係は対等であると思います。アメリカに追従している部分があるのかもしれません。ひいてみれば、アメリカがどうのというよりも、そのアメリカをコントロールしたり、日本の政治をコントロールしたりしているのは、実質企業ではないのかと思うような一年半の議員生活でした。

とにかく企業に対しての最大限の規制緩和が行われ続けていきました。だからこそ今度の国会でも残業代ゼロ法案、派遣法改悪も行われるし、それだけでなく原発も続ける理由がエネルギーではないことがはっきりしています。TPP、これだけの秘密交渉で最大限の規制緩和が許されるようなことが押しすすめられています。

ここにも安全保障問題も関わってくるでしょう。国内にも多数の武器製造企業も存在しています。イージス艦一隻で二千五百社の国内企業がかかわる現実もあるし、それ以外の武器を考えると、もっと増えるということを考えると、このグローバリズムの中で、企業が政治をコントロールしている中で最適な踊り手を見つけたのではないかと思います。

小沢代表から今(安倍さんの思想は)より危険だと。自分自身の思いを成し遂げるためにそのようなポジションにつかれたのであれば、非常に危険だという部分は併せ持って、相乗効果として非常に恐ろしい話しだと思います。

官僚主導問題について

Q.5月22日にISによる人質事件の検証委員会報告書が出ました。その委員が官僚だけであったり、結論として政府の対応に問題がなかったということであったりしたことは問題だと思います。現政権になってから官僚主導、官僚の増長ぶりが以前にも増して強くなっているように思います。この点について如何お考えでしょうか。

小沢一郎代表 官僚主導、官僚が実質的権力を握り行使しているという形は、ずっと以前から続いています。特に民主党政権は、官僚主導から国民主導、政治主導と掲げたにもかかわらず、結果的に逆になってしまったということもあります。

今度の安倍政権の場合は、安倍さんの主張する日本の針路、あるいは日本のあり様に国内政策的な問題ではなくて対外的な問題についてまで、日本の国威発揚、日本の存在感を軍事的な側面から増していこうというのは、官僚の一部あるいは過半数ではないけれど、結構な部分で思い描いているところと共通するところがあるかもしれません。その意味で官僚主導がおかしな方向に安倍政権の下で行われているということだと思います。

今度の安保関連の法律案でも最初からいろんな例を挙げながら、意味不明の説明をしてきました。ああいう法律とその説明を法制局は勿論ですが、外務省も防衛省の官僚が疑問もなく考えているとしたら、あまりにもお粗末すぎます。常識的には考えられません。

一部ないしは結構な数の官僚でそういった思惑を描いている人たちがきっといるのでしょう。ですから法律の案文そのものにしても本当に法律家が考えたのかと思うような酷過ぎるものです。変な方向に、変な一握りの政治家と集団が引っ張っていくという方向になってきているような危惧の念を非常に強く持っています。

山本太郎代表 有権者が選び続けてきた結果、ここまで来てしまったと思います。選んだ人も選ばなかった人もこの現実を作ったのは、この国に生きる一人ひとりなのだと思います。ここからどういうふうにしていくのかに興味を持つしかないと。興味を持たないと好き放題やるよなと。利害が一致した者たちが実際に力を持って、その中で好き放題やっているという現実があると思います。

安保法制の中でもよく在留日本人を救うの、救わないのとか、アメリカが助けてくれるの、くれないのと、そんなものの大前提が吹っ飛んだのが先日のイエメンでの出来事だったと思います。サウジの連合軍が爆撃を加える中で、日本人を救ったのは中国人で、アメリカ人を救ったのはロシア人だったということにあらわれていると思います。何のブラックジョークだよ。これが現実だと。一般市民なんか救われないということがはっきりした問題です。

現状を見れば絶望に近い状況が展開している感があります。これを変えていかなければならないし、変えられると思っているからこそ、今それぞれがここに立っているのだと思います。皆さんがこのように記者会見に来ていただけるのだと思います。何とかして若い人たちにこの現状を伝えていけたらと思います。

原発再稼働等問題について

Q.川内原発が7月に再稼働することが決定しました。戦争法案が世間の話題になる中で原発再稼働問題が埋もれてしまう懸念があります。福島県では帰還が全てであり、知事も会見の中でそれについて言わないとしています。こうした状況について山本代表がどのように考えますか。

山本太郎代表 どさくさに紛れた火事場泥棒です。安保法制について議論している中でいろんなことが決められています。残業代ゼロ法案、派遣法改正案、原発再稼働もTPPもそうです。片っ端からパニック、混乱の中で全てを決めていこうという話です。このままいけば再稼働もされるでしょう。再稼働させないために政治がやれることは限られています。圧倒的多数は向こう側(与党側)ですから。

それではどうするのか。国会内外がつながり連帯しないといけない部分は絶対的にあります。しかし今や国会の中にブレーキと成り得るものはほとんど存在していないのが現状です。(国会で)どんなことを言っても、どんな言質をとってもなかなか大きく広がりません。それはニュースになりづらいということになります。この国の行方を決めること、この横暴に対して、この国に生きる人が声を上げて行動を起こすことがもっと大きく出てこないと、なかなか難しい問題だと思います。

20ミリシーベルトでも帰還してもいいし、そこにお金を付けるという正気の沙汰とは思えない法案が国会で通りました。20ミリ(シーベルト)と言ったら事故前の20倍の基準です。放射線管理区域基準の4倍、チェルノブイリ避難基準の4倍という、20ミリ(シーベルト)で帰って大丈夫、復興しろ、そこに帰還しろというのに反対したのは我が党だけです。おかしいでしょう。すごいでしょ我が党と言うのはなく、現実を見てくれよと。20ミリ(シーベルト)の場所に帰る人たちが切り捨てられたのではない。あなたが切り捨てられたということを沢山の人と共有できるようにがんばりたいと思います。

経済政策について

Q.昨日、日経平均が15年ぶりの高値となりました。アベノミクスと関係があるか定かではありませんが、円安を誘導して輸出産業や製造業を元気にするという政策が株価を上げることで、果たして実体経済にどれほどの影響があるのか。国民の生活が第一を掲げる両代表にとっての経済政策はそのような方向と違うのではないでしょうか。

小沢一郎代表 政府はまだ株を買い続けるでしょう。政府という言葉は、本当は変なのですけれども、ご承知のように日銀自体が(株を)買ってしまっているし、年金から共済から郵貯から簡保から皆で買い上げています。これを止めたら株はきっと弾けてしまう。そうすると、アベノミクスの完全な失敗ということから、経済はマインドが占める割合が大きいので、おかしくなってしまうといことがあって、買い続けている間に日本経済も世界経済もプラスの方向に転ずることを願っているのでしょう。

先のことだから分かりませんけれども、もう一段の金融緩和をやらざるをえなくなるだろうという気がします。金融緩和というお札の印刷だ。これは限界に来た時にどれだけ国民生活に深刻な打撃を与えるかということは皆が分かり切っている。実際の必要でないお金をいっぱい刷っているわけですから、いずれ不景気のハイパーインフレということも考えられるし、どうなるか分かりませんけれども、必ずこの政策は行き詰り、弾けるときが来ると。内的要因と外的要因の両方要因があるのでしょうけれども、日銀が株を買うというのは不自然であり、こんな形で買うのは、たぶん未だかつてなかったのではないか。これまた政府としては、限界を超えたやり方をしていると思います。

山本太郎代表 周りを見ていると、富裕層と言われる方々は海外に確実に資産を移しています。船が沈むということですでに準備はできています。このままいけば、言われた通り弾けるのではないか。ぺんぺん草も生えないような状態にされてから、その後バトンを渡されてもどうしようもない。とにかくそういう意味でも、全ての意味において、今政権についている人たちを引きずり降ろすためにも野党共闘は絶対に必要な条件だと思います。

野党再結集について

Q.野党再結集志向の強い松野氏が維新の党代表に就かれて、幹事長会談をはじめ民主党との接近の色を感じます。この動きについての受け止めと考えをお伺いします。

小沢一郎代表 このことは誰が考えても、子どもが考えても分かる話しです。このままだったら自公に選挙で勝てません。ですから何とかしなければならないという思いを、濃淡は別にして誰もが持っていたことだろうと思います。ただし段々参議院選挙が近づいてきますから、徐々に何とかしなければという思いに皆が少しずつなってきているのだろうと思います。

私はもともとその話(野党再結集)を機会がある度にしてきましたから、皆がその方向を目指していけるようになればいいと思います。そういう流れに私どもも一員として参加していくというのは、これまた当たり前のことだろうと思います。

山本太郎代表 野党の中でそれぞれの考え方は違うのだろうと思います。ここは力を合わせないと、自公政権を引きずり降ろすことは不可能です。まず順番としては、現在政権を握っている人たちに降りてもらわなければいけない。それを達成するためには、多少のデコボコはお互いに納得した上で、第一の目的を達成するために前に進まなければならないと思います。

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