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CSRのリスク対応として把握すべき水問題7事例

CSRと水に対する事業リスク

あなたは「水問題」と聞いて、どんなイシューを思い浮かべますか?

今回は、CSRと水問題について、事例やオピニオンをまとめます。

日本にいると、世界の事業リスクとして「水」があるというイメージが難しいのですが、世界的には大きなグローバル・イシューであり、メガトレンドでもあるようです。

CSRのリスク対応として把握すべき水問題7事例

CSRと水問題

水不足が世界的な問題となっています。水は人間にとって必要不可欠な物質ですから事態は深刻です。水問題を掘り下げると、環境問題と社会問題の両方が絡み合っているように思います。
CSRと水問題

大和総研の河口さんの記事。ちょっと前のものですが、水問題の概要を知るには良いインタビュー・レポートだと思います。

日本ではそれこそ蛇口を捻れば水が出ます。しかし、世界では水は不足するものであり、国によってはアルコール飲料より高かったりしますよね。

日本でのイメージとしては、「1Lの牛乳」より「1Lの水」のほうが高いという話が近いです。水の利権には、水をビジネスで使用する企業が関ることも多く、CSR(倫理観)としてどこまで配慮すべきか、という課題があります。

CSRと水リスク

世界的な水資源の不足は、気候変動と並んで、現在最も重大な環境問題の一つである。気候変動による降雨・降雪パターンの変動が干ばつや洪水を生み出す。さらに、人口増加、経済成長、都市化などによる、飲料水、農業用水の不足は年々顕著になってきている。
世界経済フォーラムが発行する「グローバルリスクレポート」2014年版では、世界で起こりうる10大リスクとして、「水の危機」は「気候変動」「食糧危機」よりも順位の高い3番目に位置づけられている。
日本企業は、「水リスク」への意識が低すぎる コカ・コーラが誇る、水リスク管理術とは?

CSRコンサルタントの下田屋さんの記事です。グローバル・リスクとしてはすでにあるのでしょうけど、日本企業内ではあまり話題にならない話のようにも思います。製造業ではそれなりに意識しているのでしょうけど、結果がよろしくないので情報開示しないという企業CSR担当者の方の話を聞いたことがあります。

CSR活動のマテリアリティ設定が浸透すると、もしかしたら重要課題として取り上げる企業も増えるかもしれませんね。

CSRと地域社会への影響

まず、「安全な飲料水の確保」は人々の健康や命の問題につながります。実際に、世界では毎年180万人の子供たちが不衛生な水等を原因とする病で命を落としています。次に「農業用水の安定供給」は食料の問題につながります。
さらに「下水対策、水質汚染対策」は環境や公衆衛生の問題につながります。そして突発的な洪水や台風などにも応じられる「治水対策」は、人々の生命や財産を守るために、なにより地域社会の安定にとって不可欠です。
水問題

泣く子も“うなずく”、池上彰さんの解説記事。さすがにわかりやすい。こちらの記事では、企業と途上国・水問題との話は出て来ませんが、現場の話も多く、水問題の現場的な課題を把握するにはよいでしょう。

水問題は企業が関る話でもありますが、個人的には水問題はNGOなどの支援領域であり、イシューそのものへの対応はあまり求められていないような気もします。企業は業務プロセスの中で見直しをせよ、ということなのでしょうか。

水ストレスと水紛争

水資源として利用可能な水の量は、降水量の変動により絶えず変化しています。このため、大雨や干ばつなどの異常気象を引き起こしているとされる地球温暖化による気候変動は、水の利用可能量に大きな影響を及ぼします。気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の「第4次評価報告書」では、世界の平均気温の上昇がもたらす地球規模で見た水への影響として以下が予測されています。
世界の水問題とは

国土交通省の解説記事です。「水ストレス」、「水紛争」などに関しても解説もあります。

農業用水・工業用水は、個人の使用量とは桁が違うので、配慮というか抜本的な対策をしていないと、現地から叩かれ「水紛争」になりかねません。特にアジア地域は顕著なようでして、環境活動だけではなく、サプライチェーン・マネジメントとしても水問題に対応する必要があるのかもしれません。

CDPウォーター

CDPウォーターは、水リスクを水量不足だけでなく洪水や水質汚染、水に関する規制や評判等を原因とする事業リスクとして位置づけ、その発生確率や事業への影響評価、対策等の情報を企業に求めている。
「CDPウォーター(水)」が企業に求める新しい環境対応

「CDPウォーター」の話題です。こちらはCSR的な視点で水問題が語れています。記事にもあるとおり、CSR・環境部門だけではなく、他の部門との調整や対応が必要になってきます。

やはり、サプライチェーンマネジメントというか、どれだけ事業リスクを事前にピックアップし、意識した企業活動ができるかで大きくリスク度合いが変わりそうですね。

NGOなどの外部ステークホルダーから叩かれて初めて、本気で対応する日本企業が多いですが、わざわざ評判を落とす必要もないので、きちんと対応していきましょう。

CSRと水ビジネス

政府の成長戦略の一環として、我が国の企業が有する技術を活かしてアジア域内等の水ビジネス市場への進出を支援する目的で、平成23年度から「アジア水環境改善モデル事業」を実施しています。本モデル事業の実施を通じ、水質汚濁が深刻化しているアジア諸国等への我が国企業の進出を促進し、水環境の改善を図ります。
「アジア水環境改善モデル事業」過年度事業に係る報告書

環境省の取組みです。こちらは、日本企業の海外進出によって、アジアの水質改善等を行なうというもの。

イシューがあるということは、それを改善できればビジネスにできる(可能性がある)ということ。水ビジネスは非常にホットな話題ですし、官公庁の支援は非常によろしいことだと思います。訳の分からない支援より、ずっといいですね。カテゴリー的には、CSR要素もあるソーシャルビジネスなのかな。

CSRとウォーターフットプリント

ウォーターフットプリント(原材料の栽培・生産、製造・加工、輸送・流通、消費、廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体で直接的・間接的に消費・汚染された水の量を定量的に算定する手法)については、世界の水問題や水資源の保全に向けた普及啓発のため、あるいは企業のサプライチェーンの改善のため等に活用が注目されています。
ウォーターフットプリント算出事例集

こちらも環境省のレポート。特に製造業系で多いサプライチェーン・リスクの「環境・労働慣行・人権」の部分に大きく関る話です。

「ウォーターフットプリント」の概念はCSRにも影響があるので、少なくとも考え方自体は把握しておきましょう。非製造業だと直接的なリスクにはならないかもしれませんが、教養として覚えておきましょうね。

まとめ

まず理解すべきは、途上国も先進国も含めてすべの国は“つながっている”ということ、かもしれません。

CSRのサプライチェーンの問題にも関わるのですが、企業の社会的責任として求められているのは、直接的な影響だけではなく間接的なパートナー企業・地域コミュニティへの影響もあります。

今回取り上げたのは「水問題」ですが、他人事とは思わず、世界の状況だけでもまずは学んでおきましょう。

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