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朝日新聞の小さな興味深い記事を素材にメディアリテラシー的考察をこころみる〜「浜の真砂は尽きるとも朝日の偏向の種は尽きまじ」

さて、今回はひさしぶりに朝日新聞のある興味深い記事を素材にメディアリテラシー的考察をいたしましょう。

取り上げるのは、26日付け朝日新聞記事から。

加害事実、直視求める声明慰安婦問題で歴史学16団体

2015年5月26日05時00分

歴史研究の専門家らの国内16団体が25日、都内で記者会見を開き、旧日本軍の慰安婦問題をめぐり、日本の加害の事実や被害者と誠実に向き合うよう一部の政治家やメディアに求める声明を発表した。

80年以上の歴史があり大学の研究者ら2200人が加盟する歴史学研究会、日本史の学術団体としては最大の日本史研究会のほか、これらが加盟する日本歴史学協会、教員らの歴史教育者協議会などが名を連ねた。16団体の個人会員は計数千人以上にのぼるという。

声明は朝日新聞が昨年、慰安婦問題をめぐる一部記事を取り消したことをきっかけに、「慰安婦強制連行の事実が根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家やメディアの間に見られる」と指摘。「強制連行は本人の意思に反した連行も含むと解されるべきだ」と述べた。

また、近年の研究が「動員された女性たちが、人権を蹂躙(じゅうりん)された性奴隷の状態に置かれていたことを明らかにしている」として、「政治的・社会的背景を捨象することは、問題の全体像から目を背けることにほかならない」と訴えた。

さらに、歴史研究と教育を通じて慰安婦問題を記憶にとどめ、「過ちをくり返さない姿勢」を示すよう求めている。

歴史学研究会が昨年10月に同じ趣旨の声明を出したことを機に、幅広い団体の連名で改めて見解を表明することになった。同研究会など4団体を中心に草案をまとめて呼びかけた。

歴史学研究会委員長の久保亨信州大教授は記者会見で、「少数の左翼や右翼ではない、標準的な歴史学者の多数の意思だ。政治家は研究成果を踏まえてものを言ってほしい」と話した。(佐藤純)

http://www.asahi.com/articles/DA3S11773774.html

さて、「歴史研究の専門家らの国内16団体が25日、都内で記者会見を開き、旧日本軍の慰安婦問題をめぐり、日本の加害の事実や被害者と誠実に向き合うよう一部の政治家やメディアに求める声明を発表」で始まるこの記事ですが、現時点(26日PM15:00)で国内新聞メディアで本件を取り上げているのは朝日新聞一紙だけです。

さてメディアがある事象を記事にするかしないかは、公式的にはその事象が読者に知らせる十分な価値があるかどうかすなわち報道価値・報道バリューがあるかどうかが一つの判断基準となります。

本件が現時点で朝日新聞しか取り上げていないということは、朝日新聞以外のメディアは本件に報道価値を見出していない、穿って考えれば朝日新聞だけがなにがしかの事由で本件に報道価値を見出しているということです。

さて記事内容は基本的には学者の記者会見が中心ですから別段無難な内容ではありますが、それでも朝日記事らしい気になる個所を何点か指摘しておきましょう。

まず記者会見の場所ですが「都内」とありますが、これは朝日のごまかしです。

この会見から政治的臭いを防臭したかったのでしょうが、正確には会見場所は「衆議院第2議員会館」です。

じつにくだらないプチ「偏向」ですが、場所や人物をファジーにするさい、よく朝日はこの小細工を使用します。

もちろん衆議院第2議員会館を利用したということは背後に特定政党の手引きがあったわけですが、そこは読者の想像にお任せいたします。

少なくても本会見の背後には極めて政治的な連中が連動していることが推察できます。

次に賛同した研究者の人数なのですが、「16団体の個人会員は計数千人以上にのぼるという」とこれも極めてファジーであります。

朝日新聞が従軍慰安婦問題を取り上げた記事を掲載するとその事象に韓国メディアが注目することは、当ブログで何度も検証してきましたが、本件も朝日以外の国内メディアが沈黙する中で、韓国大手メディアは一斉に取り上げています。

まず朝鮮日報。

慰安婦:日本の歴史研究16団体「安倍政権は歪曲やめよ」

集団で初の意見表明

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/05/26/2015052600616.html

で、中央日報になると6900人に増えています。

日本の歴史学者6900人「慰安婦強制連行を認めるべき」(1)

2015年05月26日07時47分

http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=200865&servcode=a00&sectcode=a10

ハンギョレにいたっては「1万3800人」です。

日本の歴史学者1万3800人、慰安婦は「強制連行された」

http://japan.hani.co.kr/arti/international/20775.html

なんだこれは、数千人(朝日)から6900人(中央日報)、1万3800人(ハンギョレ)まで、諸説入り乱れており、韓国メディアにかかると、まるで朝鮮人従軍慰安婦の人数のように、根拠不明瞭なままあてもなく拡大していくわけですね。

これですね、細かいところですが数値を確定しないという朝日お得意のプチ「偏向」テクのひとつなのであります。

さて最後に記事本文の結びに注目しましょう。

歴史学研究会委員長の久保亨信州大教授は記者会見で、「少数の左翼や右翼ではない、標準的な歴史学者の多数の意思だ。政治家は研究成果を踏まえてものを言ってほしい」と話した。

「少数の左翼や右翼ではない、標準的な歴史学者の多数の意思だ。」と歴史学研究会の久保亨イインチョがのたまっていらっしゃるところで記事を結んでいます。

「少数の左翼や右翼ではない標準的な歴史学者」ねえ、これだから朝日新聞は信用できないのであります。

自分たちの意見ではなく学者に語らせているところがプチっと朝日らしくて小賢しいですね。

昔からそうですね、朝日新聞は学者の権威を利用して「偏向」「捏造報道」を繰り返しているわけです。

少し脱線しますが、読者の皆さんは、31年前に朝日新聞が仕出かした『毒ガス写真事件』ご存知でしょうか。

1984年(昭和59)年10月31日付朝日新聞朝刊の第一面大半を使い、「旧日本軍による毒ガス戦の決定的な証拠写真発見」の見出しと共に、山火事か野焼きのような煙が濛々と立ち上る大写しの白黒写真が掲載されたのです。

この写真を権威付けするために朝日新聞は例によって学者を利用します。

記事の中で「日中戦争での化学戦の実証的研究を進めている元陸軍士官の歴史学者」と紹介された藤原彰センセーは、写真を旧日本軍による中国での毒ガス戦と断定します。

この事件ですが、後に毎日新聞社発行の『決定版昭和史』第9巻(1984年5月)116ページから同じ写真が確認され、毒ガス戦などではまったく関係がない事が逆断定されています、朝日新聞および藤原彰センセーは赤っ恥をさらしたわけです。

でもですね、本件では今日まで朝日新聞は一切謝罪していません、藤原彰センセーも毒ガス写真と断定した事に対して、その後生涯に亘り訂正や謝罪を一度もしませんでした、ある意味ごりっぱです。

さて、本論に戻りましょう、「少数の左翼や右翼ではない標準的な歴史学者の多数意見だ」とのたまった久保亨イインチョが率いる歴史学研究会であります。

当ブログの男子高校時代の旧友に歴史学の現役教授がおりまして、「歴史学研究会って左翼や右翼ではないの?」って電話で聞いてみましたところ、次のような回答をいただいたわけです。

「キバシリ、お前は高校時代と変わらず相変わらず馬鹿だな。『歴史学研究会』が「左翼」でなければ日本から左翼はいなくなるぞ。逆に『歴史学研究会』が「左翼」じゃないなんて会員のセンセーに言ったら、この無礼者め!ってどなられるぞ」

彼曰く、歴研は戦後70年、マルクス主義者を中心に時代のエートスに応える歴史研究者の団体として大きな影響力を及ぼしてきた「真正左翼団体」であるとのことです。

歴研が由緒正しい「真正左翼団体」であることは、そのマルクス史観丸出しの綱領や歴代イインチョの芳ばしい顔ぶれを見れば十分だと言われました。

で、まず綱領ですがこちら。

■歴史学研究会綱領

画像を見る

http://rekiken.jp/koryo.html

第一われわれは、科学的真理以外のどのような権威をも認めないで、つねに、学問 の完全な独立と研究の自由とを主張する。

第二われわれは、 歴史学の自由と発展とが、歴史学と人民との、正しいむすびつきのうちのみにあることを主張する。

第三われわれは、 国家的な、民族的な、そのほかすべての古い偏見をうち破り、民主主義的な、世界史的な立場を主張する。

第四われわれは、 これまでの学問上の成果を正しくうけつぎ、これをいっそう発展させ、科学的な歴史学の伝統をきずきあげようとする。

第五われわれは、国の内外を問わず、すべての進歩的な学徒や団体と力を合わせ、 祖国と人民との文化を高めようとする。

ううむ、「科学的真理以外のどのような権威をも認めない」とか「歴史学と人民との、正しいむすびつき」とか、「すべての進歩的な学徒や団体と力を合わせ、 祖国と人民との文化を高めよう」とか、お腹いっぱい(苦笑)です。

で、歴代イインチョですが、さすが歴史ある学会です、今の久保亨センセーが19代目なんですね。

初代の江口朴郎センセーはマルクス主義史学の重鎮、二代目の遠山茂樹センセーも唯物史観の代表的学者、全部あげたらきりがないですが、おやおや4代目には、朝日新聞『毒ガス写真事件』で赤っ恥をかいた藤原彰センセーもおわします、この方南京大虐殺20万人説いわゆる大虐殺派の重鎮でもありますね。

その他にも歴史学研究の方法としてマルクス歴史学を確立した永原慶二センセー、『日本の戦争責任資料センター』共同代表だった荒井信一センセー、「九条科学者の会」呼びかけ人の中村政則センセーや峰岸純夫センセー、うわ、こっちもお腹いっぱいです。

やれやれ、どこが「少数の左翼や右翼ではない標準的な歴史学者」なんだか(苦笑)。

おもいっきり「左」じゃないですか。

ふう。

・・・

今回は朝日新聞の小さな興味深い記事を素材にメディアリテラシー的考察をこころみました。

読者のみなさん。

ね、こんな小さな記事でも朝日新聞は勉強になりますでしょう。

まさに「浜の真砂は尽きるとも朝日の偏向の種は尽きまじ」でございます。

(木走まさみず)

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