- 2015年05月26日 08:00
「ビューティフル・マインド」よ永遠なれ
1/2プリンストン大学留学時代に、何度も本物のナッシュ氏を目撃し、(全く意味は分かりませんでしたが)貴重な彼の研究報告にも参加し、さらにはフードコートでお釣りを間違えてとられかかるという珍事件にまで遭遇することができた幸運を、改めて噛み締めています。今まで、ノーベル賞受賞者を含む多くの天才(と称される異人たち)を生で見る機会に恵まれてきましたが、ナッシュ氏は明らかに別格で、なんというか、タダモノではないという雰囲気を全身から漂わせていました。本物の天才をこのような形で失ったことは本当に大きなショックです。
弔辞の代わりというわけではありませんが、以下で、訃報に接した直後の私のtweet(+若干の解説)を紹介させてください。彼の偉大な業績に感謝すると共に、心からのご冥福をお祈り申し上げます。
私の研究分野「ゲーム理論」においてまさに神のような存在で、留学先のプリンストン大学の生きる伝説でした。本当に残念です… 心からご冥福をお祈り申し上げます。
【ジョン・ナッシュさん事故死 米数学者、半生映画化も - 朝日新聞デジタル】 http://t.co/sEjs4YhBK9
— 安田 洋祐 (@yagena) 2015, 5月 24
ニュースを聞いて「ナッシュ均衡」について興味を抱かれた方は、(手前味噌で恐縮ですが)こちらの記事をご覧頂ければ幸いです。
「ナッシュ均衡」ってなに?|安田 洋祐|note(ノート) https://t.co/c2SQtNw89u
— 安田 洋祐 (@yagena) 2015, 5月 24
オリジナルの記事は2006年、私が大学院生時代に書いたものです。引用文献などに少しアップデートが必要な気もしますが、その当たりも踏まえてご参考頂けると有り難いです。
アカデミー賞映画の原作となったジョン・ナッシュの半世紀『ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡』(シルヴィア・ナサー)は文庫化されています(アマゾンでは一時的に在庫切れのようですが…)。同名の映画と合わせてご覧ください!
http://t.co/qHc2JisYxS
— 安田 洋祐 (@yagena) 2015, 5月 24
伝記と映画では、ナッシュ氏の描かれ方や触れられている事実にかなり違いがあります。彼の人生に興味を持たれた方は、ぜひ両者を合わせてご覧頂ければと思います。
ナッシュが事故死というのはマジですか? — 嘘であって欲しいです。(おそらく同じ)空港からのタクシーを僕も利用したことがあるので、二重に驚きました。 http://t.co/PfCmiN1ZAf
— 安田 洋祐 (@yagena) 2015, 5月 24
確かにあの道路ではたまに大きな事故が起きるのですが、タクシーというのは驚きでした。
検索をすると「ナッシュ均衡」に関するtweetは山ほど引っかかるけど、やはり「ナッシュ交渉解」はほとんどない。協力ゲームの代表的な解概念となり、公理論的な特徴付けの走りとなったこちらも、実はノーベル賞級の業績。Google Scholarによると、引用件数はどちらも7000件台。
— 安田 洋祐 (@yagena) 2015, 5月 25