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「住民投票は勝者なき戦い。橋下徹が政治家をやめることには反対だ」~田原総一朗インタビュー

撮影:野原誠治

橋下徹大阪市長が掲げる「大阪都構想」の是非を問う住民投票は大接戦の末、「反対」がわずかに「賛成」を上回る結果となった。橋下市長は敗北を認め、政界引退を表明した。全国的にも大きな注目を集めた大阪市の住民投票を、田原総一朗さんはどう見たのか、話を聞いた。【大谷広太(編集部)、亀松太郎】

「橋下徹」というキャラクターへの反発があった

今回の住民投票は、投票率66.8%と大阪市民が高い関心を示し、賛成・反対がほぼ半々だったが、橋下さんは負けた。橋下さんは「大阪市をなくし、大阪市と大阪府の二重行政をなくせば、財政的に非常に有利になる」と言ったが、お年寄りを中心に反対され、市民の支持を得られなかった。

橋下さんが負けた理由はいくつか考えられる。

一つは、大阪市がなくなり、政令指定都市でなくなることで、デメリットがだいぶ生じるのではないかと考えた人が多かったことだ。政令指定都市として、現在の大阪市が持っている既得権益がなくなるのではないか、と。

もう一つ、橋下さんは「大阪市と大阪府の二重構造がなくなることで、財政的に非常に健全になる」と言うが、大阪都ができることで、新たに大きな区を5つ作るとなると、区役所をつくらないといけない。そういう初期投資が結構かかるのではないか、と。

橋下さんは、二重構造をなくすことのメリットを強調したが、市民は、どんなメリットとデメリットがあるのか、いまひとつ、はっきりとわかっていなかった。

それから、橋下徹という人は、なんでも物事をはっきり言う。はっきり言いすぎるぐらい、はっきり言うので、橋下徹というキャラクターに対する反発もあったのだと思う。

大阪市の住民投票は「勝者なき戦い」

では、負けたのは橋下さんだとして、勝ったのは誰なのか。僕は、勝利者はいないと思う。今回の住民投票は「勝者なき戦い」だった。

なぜなら、大阪都構想に反対という自民党や民主党や共産党は「対案」をもっていないからだ。橋下さんは大阪を良くするために、大阪都構想を提案したが、反対派がそれに代わる対案をもっているかといえば、なにもない。ただ、「反対」と言っただけだ。

住民投票は盛り上がったが、実は、大阪市の問題はなにひとつ解決していない。そういう意味で、勝者なき戦いだった。これから自民党も民主党も共産党も、大阪市をどうするかという構造的な改革をしていかないといけない。

一方、橋下さんは、今年の12月で大阪市長の任期が終わったら、政治家をやめると言っている。それはそう言わざるをえないのだろうが、僕は惜しいと思う。

あれだけのキャラクターの人は、日本の政治家にはあまりいない。僕は、橋下徹が政治家をやめることには反対だ。大阪市長でなくてもいい。参議院議員でもいいから、政界から引退しないで、政治家を続けてほしいと思う。(18日夕、談)

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