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【政界のトリックスター橋下氏が突き付けたモノ】~「大阪都構想」住民投票、僅差で否決~

17日夜橋下市長の会見を見て意外に思った点が幾つかある。意外に橋下市長がさばさばしていたことだ。会見場に現れてから終始笑みを絶やさなかったのは、最後のプライドなのか。

開口一番橋下氏はこう切り出した。「(大阪市の皆さん)本当に重要な意思表示をありがとうございます。重く受け止めます。(都構想が)受け入れらなかった。間違っていたということになるんでしょうね。」と素直に敗戦を認めた。完全に吹っ切れた印象だ。

敗戦の原因について聞かれると「僕への批判、説明しきれなかった力不足。」と答えると共に「ここまでやらしてもらって、政治家冥利に尽きる。みなさん、ありがとうございました。」と謙虚に述べた。フジテレビ時代に何回か報道番組で一緒したが、こんなに素直かつ謙虚に自分の負けを認めるような彼を見たことが無い。やはり、激戦の暁に刀折れ矢尽きた人の姿とはこういうものかと思った。

もう二度と政治家はやらない、と明言した橋下氏は続けた。「僕はワンポイントリリーフだった。政治家と言うものは原理原則、嫌われちゃいかん。(僕みたいな政治家が)長くやるのは危険。敵がいない政治家がやらねば。」自分の立ち位置、存在意義をしっかり自分の言葉で述べたことに驚いた。この7年半、彼の中に何か変化があったのかもしれない。なにせ府知事になった時は若干38歳だったのだから・・・。

最後に橋下氏はこれが民主主義、とぶち上げた。「(住民投票で)民主主義はレベルアップした。戦(いくさ)ですから。相手を叩き潰す、と言って、叩き潰されたわけですから。議論やって賛成、反対、徹底して議論して結論出した。負けても命取られない政治体制、民主主義とは素晴らしい。」そしてこうも付け加えた。「メディアの人たちには頑張ってもらいたい。報道の自由は民主主義を守る根幹ですからね。」これには失笑した記者も多かったのではないか。しかし、こんなことを言う程、橋下氏は虚心坦懐、さばさばした気持ちなんだろうな、と思った。

さて、問題は今後だ。大阪市民は都構想を否決したがわずか1万票ちょっとの僅差。ほぼ半数の人が今のままの二重行政でいいとは思っていない、ということだ。明日以降年代別の投票行動が分析されようが、年齢層の上の人たちは、これから10年20年、めんどくさいことはいやや、と変化を嫌った可能性も指摘されている。若い人たちの投票率がどのくらいか現時点でわからないが、こうした構図は全国すべての選挙に通じるものだろう。若者の意思が反映されない政治、高齢者だけで物事が決まる政治、私達有権者がこのままでいいのか、考えるきっかけにしたい。

一方、橋下市長の任期は今年12月までだ。維新vs自公民共という構図で議会は空転するだろう。その後誰が市長になるかによるが、さらなる政治の停滞を招くことになってしまったのは市民自身の選択というのも皮肉だ。

また、国政への影響を懸念する声が早くも出てきた。維新の会が求心力を失い、影響力が低下してくると、後半国会の焦点、安全保障関連法案の審議でひと波乱あるのでは、とか、来年夏に安倍首相が目指す憲法改正への影響が出るとの見方もある。

大阪のみならず、日本全体に大きな影響を及ぼした橋下氏の都構想。これで、チャラにしていいのか?私はそう思わない。政界のトリックスター、橋下徹が私たちに突き付けたものを真摯に受け止め、考え抜いて、それを政治に活かす道を考えていかねば社会の変革は決して手に入らないだろう。

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