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安倍首相が急ぐ憲法改正、その成否の鍵を握るのは公明党だ

『激論! クロスファイア』に公明党副代表の北側一雄さんをお迎えした。北側さんは弁護士資格を持ち、憲法審査会幹事を務めている。現在の安全保障、そして憲法改正のキーマンといっていいだろう。そのキーマンに、憲法改正と集団的自衛権について徹底的に聞いた。

安倍晋三首相は、来年7月の参院選後に憲法改正をしたいと考えているそうだ。憲法改正というと、多くの人は「憲法9条」を真っ先に思い浮かべるだろう。だが今回の改正では、「環境権」と「緊急事態事項」をテーマに考えているようだ。

新しい人権としての「環境権」と大災害を想定しての「緊急事態事項」、これらの改正の意義はわかる。だが、なぜ今なのか。そもそも、ほんとうに憲法改正をする必要があるのか。国民にとって、わからないことが多いのではないか。

「朝日新聞」は、5月3日の憲法記念日の社説で、次のように今回の改正論議を批判している。

「自民党の最大の狙いは9条改正だ。だが、国会にも世論にも根強い反対があり、改正は難しい。(中略)国民の抵抗が少なそうな項目を加える改正を実現させる。9条に取り組むのは、その次だ。『憲法改正を国民に1回味わってもらう』という、いわゆる『お試し改憲』論である」

さらに「裏口入学だ」とも書いている。こうした憲法改正論議を、与党である公明党はどう考えるのか。北側さんはまず、「『お試し改憲』という言葉は非常に軽薄。メディアが使うのも軽薄」だと批判している。この意見に僕もまったく同感だ。

とはいえ、たしかに安倍首相が、憲法改正を急ぐ理由も明確ではない。たとえば、よくいわれるのが自衛隊の違憲性だ。憲法9条では、軍隊の不保持を宣言している。では、自衛隊の存在は違憲かといえば、多くの国民はそう考えていない。要は憲法の解釈の幅におさまっていればいい、ということだ。

環境権も緊急事態事項も、「改正」までしなければならないものか。多くの国民は、そう考えている、と僕は思うのだ。だから、安倍首相のこれらの動きは、ともかく「憲法改正」という実績がほしい、と受け取られても仕方ない。

僕は、憲法改正にすべて反対というわけではない。しかし、憲法とは一国のあり方を定めるものである。軽々に扱ってよい道理はない。

いま、公明党が政局の鍵を握っているといっていいだろう。憲法改正がどうなるかは、公明党次第といえよう。

かつての自民党には派閥があった。いわゆるタカ派とハト派がいた。だから、党内で議論を尽くすことができたのである。いわば「党内野党」だ。だが現在、党内野党は存在しない。自民党全員が主流派になり、党内で議論を十分に闘わせることがなくなってしまったのだ。だからこそ公明党にいま、「与党内野党」の働きを期待したい。

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