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ドローンブームで新たな課題:上空の所有者は誰か

米国各地の自治体はドローン(無人機)の利用の急増に悩まされている。安全やプライバシー上の懸念をもたらしているほか、これまで当局者たちがおおむね無視してきた厄介な法的問題も突きつけている。

連邦航空局はこれまで何年も高度500フィート未満の上空の飛行についてほぼ規制していなかった

 州など自治体の警察によると、自宅、人の集まる場所や犯罪現場の上空を飛ぶドローンに関する苦情は急増している。この間、少なくとも17州は法執行当局や民間人のドローンの使用法を制限する条例を成立させている。だが、ドローン利用者の多くはそれが強引な先制措置だと批判的だ。また、連邦政府の規制当局は、米国の上空を規制するのは自分たち連邦当局だけだとの立場を取っているが、それにもかかわらずドローンを禁止する市や町もある。例えばミネソタ州セントボニファキアス(人口わずか2283人)からテキサス州オースティンに至るまでさまざまな自治体が禁止している。オースティン市は3月に行われたテクノロジーと音楽の祭典「サウス・バイ・サウスウエスト」での使用を事実上禁止した。

 国際警察署長協会(IACP)のリチャード・ベーリー会長は、ドローンが「ゲームチェンジャー(状況を一変させるもの)だ」と述べる。同会長は、地元の法執行当局には新たなドローンの問題に対処する手立ても法的権限もないと不満をもらす。「われわれはこれまで、上空の規制を任されたことが一度もない。土地に関する問題は理解しているが、州や地方の担当者に上空を規制してほしいと突然言われても....」と困惑顔だ。

 実際、地上から高度数百フィートまでの上空に注意を払う人はこれまでほとんどいなかった。航空機は1930年以降、高度500フィート(約150メートル)未満の上空を飛ぶことをおおむね禁じられてきた。このため、この低空域を飛ぶのは主に鳥、凧や模型飛行機で、ときにヘリコプターが飛ぶ程度だ。

 近年、技術の進歩により、遠隔操作式の航空機がより安価でパワフルになり、より簡単に空を飛べるようになった。この結果、何万機ものドローンがこの低空域に集まっている。ドローンの利用は来年さらに増えると見込まれている。連邦政府の商業用ドローンの飛行に関する規制案がまとまる公算が大きいからだ。

 これらの商業用ドローンに関する規制は、個人による私的な利用を対象にしない。だが個人による私的な利用には、ドローンに関する最も厄介な問題がいくつか潜んでいる。ドローンを使って近所の家を窓からのぞいたり、ドローンが有人航空機に衝突したりするのをどう防ぐかという問題だ。これらの問題は誰も規制する当局者がいない分野に入る。

 連邦航空局(FAA)は、個人のドローンが空港や有人航空機の近くを飛ぶのを制限している。だがFAAは、2012年の連邦法の存在により、ドローン利用のその他の側面の大半について規制するのを制限されていると指摘する。FAAはまた、州や地自体当局がドローン飛行を規制できないとも述べる。FAAが上空を規制する唯一の当局であるというのがその理由だ。

 それでも、地域の当局者は行動しようとしている。ドローンに関する条例を成立させた17州に加え、少なくとも29州が新たな条例の制定を検討している。その内容はまちまちだ。テキサス、ノースカロライナとアイダホの各州はドローン利用者が一部の第三者を許可なく撮影するのを制限している。一方で、イリノイ州はドローンがハンターを邪魔するのを禁じている。

 ドローンの飛行自体を直接禁止する市や町もある。とりわけ、大きなイベントの前はそうだ。ジョージア州オーガスタリッチモンド郡は先月行われたゴルフのマスターズの大会期間中、ドローンを禁じた。ニューヨーク市議会は事実上全てのドローンによる市内上空の飛行を禁じることを検討している。また、サンフランシスコにあるゴールデンゲート橋の管理者は、ドローンが橋に衝突した事故を受け、個人のドローンを制限するよう議員に訴えている。

 マサチューセッツ州ノーサンプトンは、FAAの管轄権に挑んだ。すなわち、地元の地主は自ら所有する土地の上空500フィートを管理するという決議を採択したのだ。ノーサンプトンは1946年の連邦最高裁の判例を引用した。これは、飛行機の上空飛行に怒ったノースカロライナ州の養鶏業者が起こした訴えで、同最高裁は当時、地主は所有する土地の上空のうち「直近の範囲)について排他的な管理権を持つ」との判決を下していた。

 規制当局やドローン業界の迫り来るジレンマとして、この1946年の判例の存在を挙げる法律専門家は少なくない。専門家たちは、それが困難な法的問題を突きつけると指摘する。「航行可能な空域」はどこから始まるのか、そして、地主の管理権はどこで終わるのかなどの問題だ。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校のジョン・ビラジノール教授(公共政策)は、「これまではこれらの問題への対応を迫られていなかったが、今後、間違いなく迫られるだろう。これまで、われわれが集団としての答えを出していないことは間違いない」と述べている。

By JACK NICAS

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