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今国会で日本を壊す安倍政権 ~労働編~

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=14日夕、日比谷野音 写真:筆者=

 「取り戻そう生活時間と安定雇用」をスローガンにした労働者の集会が14日、日比谷野音で開かれた。(主催:日本労働弁護団、派遣労働ネットワークなど)

 今国会で安倍政権が成立をめざす「労働者派遣法の改正(改悪)」と「残業代ゼロ法案」に強い危機感を抱く労働者約3千人が参加した。

 2法案が通れば、労働者を「モノ扱い」にする派遣が無制限に拡大され、「一年365日死ぬまで働け」が適法化される。

 現行は一事業につき3年までとされている派遣が、人さえ変えれば無期限にできるようになる。コストをおさえたい経営者は当然、派遣を固定化し、正社員の仕事まで派遣に置き換えるようになる。

 気の早い派遣会社は「もっとハケンを使って下さい」とする宣伝を企業にかけている、という。

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「(今回の改悪は)工場のラインに派遣を解禁した2004年の改悪よりも悪質。もっと派遣労働者が増える」と話す。

 関根書記長は「正社員で就職なんてできなくなるのでは…」と指摘した。

 会社の中枢だけ正規労働者で固め、ほとんどは派遣労働者にする。派遣法改悪が「リストラ促進法」と言われるゆえんだ。

 労働者のマジョリティーが、食うや食わずの派遣労働者となる。そんな社会がすぐ目の前に来ている。

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=14日夕、日比谷野音 写真:筆者=

 過労死促進法と異名をとるのが、残業代ゼロ法案だ。厚労省が認定しているだけでも過労死は年間784件(平成25年)。

 過労自殺など勤務が原因とみられる自殺は2,323人にも上る(警察庁調べ・平成25年)。

 労働者の心身を害する長時間労働の歯止めになっているのが、残業代だ。これをなくしてしまえば、経営者は労働者を働かせたい放題になる。

 残業代ゼロの適用対象者は、今のところ年収1,075万円以上に限られているが、労働者派遣の例を見れば、下に降りてくるのは必至だ。

 労働者派遣は当初、特殊技能者に限られていた。ところが次々と対象が拡大され、今では派遣でない業種の方がマイノリティーになってしまった。

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=14日夕、日比谷野音 写真:筆者=

 「体が痛い、誰か助けて下さい」。遺書を残して自殺したワタミ社員の森美菜さん(当時26歳)。自殺する直前、時間外労働が月141時間もあった。

 「ワタミ過労死裁判」を闘う全国一般労働組合全国協議会・東京東部労働組合の須田光照書記長は「ああいう(ワタミのような)労働環境が広がっていく」と危惧する。

 「過労死(あるいは過労自殺)するのではないだろうか」。労働者の家族からの問い合わせが最近、増えているという。

 「派遣法改悪」で低賃金の派遣労働者を増やし、「残業代ゼロ法」で過労自殺者を増やす。家族は働き手を失い路頭に迷う。

 貧困は広がる一方だ。国民健康保険が払えないため、病院にかかれない低所得者層が米国のように巷に溢れる。家賃も払えない労働者も増える。

 そこで経済的徴兵制だろうか。「金持ちが戦争を起こし貧乏人が死ぬ(ジャンポール・サルトル)」。

 貧困と戦争はコインの裏と表だ。どちらも国を亡ぼす。

  
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