北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験に成功したと伝えられましたが、ほどなく合成写真疑惑が報じられる結果になっています。
「北朝鮮のミサイル写真は合成? 韓国メディア指摘」(産経150510)
既に各方面で指摘されているようですが、合成を疑っている理由は噴煙の量や、発射されているミサイルの角度です。
そのそも、このミサイル発射情報は、北朝鮮の労働新聞がリリースしたものです。
労働新聞に掲載された写真は5枚でした。
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確かに、噴煙は少ないように見受けられますし、ミサイルの角度も写真間で差異があります。
しかし、噴煙の量は、推進薬が不明なミサイルでそれを言っても確かとは言えません。
また、ミサイルの角度に至っては、当然複数の場所から観測・撮影していれば、異なって当然です。
水中発射のコールドロンチの場合、次の動画のように、圧縮空気等で水上に打ち出された後、ロケットに点火されるので、発射直後は不安定で、同一ポイントから撮影していても、角度は変わります。
私も、水面ではじかれ、横に広がる噴煙が足りない気がするものの、「コラだ!」と断言できるかと言うと……
しかし、「これはおかしくないか?」という写真が1枚あります。
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この写真の何がおかしいかと言うと、金正恩氏が視察している位置が、近すぎるのです。
コールドロンチの場合、次の動画のような事故が起こりえます。
この動画のように、射出後に、単にミサイルに点火しなかっただけならば、まだマシです。
ミサイルにも寝ぼけたやつが時折混じってまして、しばらくたってから点火するケースもあるのです。
その際、水面に落ちたミサイルが、たまたまこの視察船の方を向いていたなら……
ロシアは、コールドロンチが好きですが、アメリカは、そうした事故を防止する観点もあって、戦術的には有利なコールドロンチをあまり採用しません。
潜水艦発射の場合、水中からのホットロンチが危険なためコールドロンチを採用しますが、そのくらいでしょう。
実際、潜水艦でのコールドロンチの事故としては、中国の潜水艦発射弾道ミサイルJL-2の発射試験において、射出したミサイルが点火せずに落下し、落ちてきたミサイルによって発射した潜水艦が大破する事故も起きています。
北朝鮮の陸上でのミサイル試験では、それ以上に事故も起きています。
にも関わらず、初めての実射試験で、こんな近くから視察するなんて、狂気の沙汰です。
勇気を示したかった、実は替え玉である……という可能性もありますけど。
記事
- 2015年05月11日 01:19
北朝鮮SLBM発射画像が合成である決定的理由
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