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貴方は賛成ですか?反対ですか?(デモクラティアンTVを見て)

昨夜、東京MXテレビで放送されたデモクラティアンTV。

「イマイチよくわからない政治のお話を、芸能界が誇る論客たちや様々な分野の専門家が、やわらかくかみ砕いて、国民のみなさんに賛否を問う投票バラエティ!」と銘打った番組でしたが、とても参考になりました。

出演者は、MC:堀潤さん、パネラー:弁護士の大澤考征さん・住田裕子さん、WiLL編集長の花田紀凱さん、評論家の宮崎哲弥さん、経済評論家の三橋貴明さん・山口正洋さん、そしてタレントの水道橋博士さん・春香クリスティーンさんと多種多様。

今回の放送で投票が行われたのは、以下の3つのテーマです。簡潔にまとめを書かせて頂きましたので、是非ご一読下さい。

①「18歳以上が選挙権を得ること」について。

今、国会で審議されている重要法案の一つ、公職選挙法改正案。これは、選挙権年齢を現在の20歳以上から、18歳以上に引き下げようというものです。これによって242万の有権者が増えることになります。このことをどう考えるか、賛否の投票が行われました。

番組では、スタジオに市民の方々を呼んでおり、パネラーたちの解説や議論を聞く「前」と「後」で、その人たちにもアンケートを取るという形式でした。

事前のアンケートでは、賛成が60%、反対が33%、その他が7%。

スタジオ参加者からは、「遊びに、勉強に、仕事にと新しい環境になったばっかりの18歳では、政治のことを見ている余裕がない」、「18歳は未成年であり、大人の社会ではない」といった反対のコメントがありました。

一方、パネラーは、花田さんだけが反対で、その他の住田さん、宮崎さん、大澤さん、春香さん、水道橋博士は賛成。

反対の花田さんの理由は、「今でさえ幼児化している連中が多い」、「むしろ25歳くらいに上げるべき」、「なぜ18歳に選挙権を与えるのか、意味が分からないところがある」とのこと。

それに対して、賛成の住田弁護士は、「90%近くの他の国では、18歳以上に認めている」「先進国、OECDの中で認めていないのは日本だけである」ということでした。これには花田さんから「他の外国がやっているからといって見習う必要はない」、「外国の方がもっと上げるべきという議論もできるはず」という反論がありました。

また、「日本は、義務教育においてもその上の教育においても政治教育がちゃんと行われていない。もっと学校で政治教育、地方自治から始まって国政に至るまでのプロセスを扱うべき」との宮崎さんの話や、「18歳はだいたいの人が高校生。その時に選挙権を得ることになれば、高校の教育の中で政治について伝える、議論するという環境が変わるチャンスになりうす」というクリスティーンさんの話もありました。

こういった話を聞いた後のアンケートでは、賛成が77%(+17%)、反対が13%(-20%)、その他が7%(+3%)となっていました。

②「犯罪を犯した未成年を法律で保護するべきか」について。

今年2月に大きなニュースとなった川崎市の中1男子生徒殺害事件。容疑者が18歳の少年らであったため、少年法により実名報道が控えられました。しかし、かえって世論が沸騰し、ネット上では、さらしと呼ばれる勝手な実名報道が相次ぎました。これを受けて自民党内では特命委員会を開き、少年法の見直しなどを検討していると言われています。

このテーマの事前のスタジオアンケートでは、賛成が26%、反対が57%、その他が17%となっており、実名報道の禁止などにより犯罪を犯した未成年を保護する必要はないという意見が過半数でした。

高校生の少女を監禁し強姦し殺害して、最後はドラム缶にコンクリート詰めしたという「コンクリート詰め殺人事件」で実名報道に踏み切った花田さんは、「犯人は少年法で守られて名前もでない。ところが、被害者の少女は名前も写真もさらされる。この法律は矛盾しているのではないかということで、問題提起として出した」と言っていました(この件に関しては、少年法の中には罰則がなく、花田さんが罰せられることはなかったとのことです)。

実名報道とは別に厳罰化の問題もありますが、少年犯罪の厳罰化は既にこれまでも行われており、現状でも相当厳しくなっているということを踏まえた議論が重要であるとの意見もありました。

また、少年法の年齢についての問題に対しては、「投票権を18歳とするのであれば、少年法も18歳と考えていいのではないか」との水道橋博士の意見や、「問題は、少年法の規定が、18歳から20歳の間が極めて不安定な状態になっていること。保護するという規定は青少年保護育成条例も含めてみんな18歳未満。18歳超えたら事実上の成人扱いをしている。そうすると、少年法をこの2歳の間に適用する意味がどれだけあるのか。」といった大澤弁護士の意見がありました。

このような議論・解説を聞いた後の「現行の少年法を改正すべきか否か」というアンケートでは、賛成が77%、反対が16%、その他が7%と大きく変わりました。

③「労働者派遣法を改正すること」について

今国会での重要法案といえば、公職選挙法改正案や安保法制関連法案以外にも、先日のブログ で紹介した労働法制関連法案があります。

デモクラティアンTVでは、そのうち労働者派遣法の改正について投票が行われました。

事前のアンケートでは、労働者派遣法の改正に賛成の人が圧倒的多数の63%、反対は7%のみ。ただ、分からないという方などその他の人も多く、30%でした。

この問題については、何を改正しているかがよく見えていない人が少なくないようです。

三橋さんから「派遣社員法はこれまでは3年間ですよ。基本的には、それ以上は正規社員にするという前提だった。今回の改正はその枠をとっぱらおうというもの」という説明があったように、労働者派遣法改正案は、原則最長3年となっている派遣期間の上限をなくそうとしているのです。

パネラーの賛否は、三橋さん・宮崎さんの反対に対して、大澤さん・山口さんは賛成でした。

「問題は大きく2つある。1つは、経済状況が悪くなったら派遣切りで解雇される方々が消費を安定的に増やしていくかということ。それはあり得ない。この方々は住宅投資とかもできない。いつまでたってもデフレから脱却できない。」「2つ目、こっちのほうが大事ですが、派遣社員が企業に対してロイヤリティをもってその企業のための人材になろうと思うかということ。思わないですね。ということは、企業は短期的には利益が出るかもしれないが、長期的には競争力を失う可能性が高い」というのが、三橋さんの理由でした。

一方、大澤弁護士は、「企業は利益を上げるのが使命。固定化された人件費で柔軟に対応できないという事態があったときに会社をつぶしてまでやらなければならないのかどうかということになると、ある程度流動性を持ったほうがよい。終身雇用制のように日本独自の形でよいのかということを考えていかなくてはならない。」とコメントしていました。

また、山口さんは、「改正せざるをえない。終身雇用というのは戦後の日本の特殊事情によってできた制度なので、これを維持するのはもう難しい」、「ただし、条件付き賛成であって、改正をやるんであったら、社会保障、年金、保険などをきちんとやってから」との意見です。

これらの解説・議論を聞いた後のアンケートでも、賛成が20%(-43%)、反対が77%(+70%)、その他が3%(-27%)と、過半数となったのが非正規雇用を増やすような改正に反対の立場へと逆転していました。

この番組では、民主主義の在り方について非常に重要なことが示唆されています。それは、投票というものは、多様な情報(メリット・デメリット、プラス面・マイナス面など)があるかないかで、結果が大きく変わるということ。

MCの堀さんから「無知であることというのが一番世の中の空気に左右されやすい」というコメントがありましたが、まったくその通りだと思います。

ただ、日本人は教育レベルが非常に高いので、必要な知識さえあれば自分で考え判断することができます。今回のデモクラティアンTVによって、その片鱗が見えてきたのではないでしょうか。

今回番組内で取り上げられたテーマは、どれも国論を二分するような重要法案です。我々日本を元気にする会のVOTE JAPAN(議論・投票)でも取り上げていきたいと思っていますので、是非みなさんにも参加して頂きたいと思います!

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