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シャープの99%減資の意味すること

 シャープが99%の減資を行うと報じられています。まだ、正式な発表がなされた訳ではないのですが、14日に発表する予定なのだとか。

 減資って、どういうことかお分かりになりますか?

 増資だったら分かりやすいですよね。資本金を増額すること。ですから、減資と言えば、資本金を減額すること。

 では、どのようなときに資本金を増額するかといえば、例えば企業の規模が大きくなって運転資金や設備資金を増やす必要が生じた場合などです。

 資本、つまり元手が少ないと、工場や店舗の新設もままなりません。

 では、その反対の減資はどのような場合に行うのか?

 ここのところが非常に分かりづらいところなのです。

 報道によると、シャープは、累積損失を一掃するために減資をするのだ、と。お分かりになりますか? 

 分かりづらいですよね。

 会社が何期も赤字を続け、多額の累積損失を抱え込んでしまった場合、どう対応したらいいのか?

 会社は通常、債務超過にならないように最大限の努力をします。債務超過になってしまうと、債権者から破産させられてしまう恐れがあるからです。

 従って、通常は増資をして債務超過にならないようにするのが普通の考え方なのです。

 しかし、シャープは増資はしないで逆に減資をする、と。

 何故なのか?

 なかなか理解できないでしょ?

 だって、資本金を減らすと余計債務超過に陥る危険が大きくなるからです。

 でも、減資をする場合には、同時にそれと同額の累積損失を処理してしまうことに注意をする必要があります。

 しかし…

 それでも資産と負債の関係がそれによって改善される訳ではありません。

 益々分かりにくくなってしまったかもしれません。

 ちょっと見方を変えて考えてみましょう。

 今現在、シャープの資本金は1200億円ほどあると言われています。1200億円もの資本金を有していると外部の人が知れば、そう簡単に倒産などする筈はないと普通思う訳です。

 しかし、シャープはその一方で多額の累積損失を抱えています。つまり、幾ら資本金が1200億円あるといっても、ひょっとしたらその資本金はもはやないに等しい状態になっているかもしれないのです。

 であれば、そのような頼りにならない資本金を計上しておくよりも、その資本金を帳簿から落とすと同時に累積損失を解消した方が分かりやすいのでは、という考えが生じる訳です。いつまでも多額の累積損失を抱えておくよりも、その方が健全だ、と。

 仮に報道されているようにシャープの資本金が1億円となり、その一方で累積損失を一掃することができれば、シャープの財務内容がすっきりして再建が容易になることも期待されます。

 それに報道によれば、そのように資本金が1億円まで引き下げられると、シャープはもはや大企業ではなくなり中小企業扱いとなり、そうなると税制上の優遇措置を受けることができ再建が容易になる、とも。

 いずれにしても、相当深刻な状態にあるとは分かっていたものの、いざシャープが資本金を1億円にまで減らす減資を行うなどということを知らされると、やはり少々驚かずにはいられないのです。

 なんと残念なことなのか!

 しか~し…

 なんかおかしいとは思いませんか?

 先日、シャープを倒産させてはならないと官邸が債権者の銀行に圧力をかけたなどという報道もありましたし…

 私、思うのですが…この99%の減資というのは正当なのか、と。

 100%ではなく99%の減資に留まることができたということは、ギリギリ債務超過に陥る寸前であることを意味する訳ですが…本当は実質債務超過に陥っているとみた方が適切なのではないでしょうか。

 仮に99%の減資を行うと同時に増資をすることになれば、その場合には、シャープは中小企業扱いされることはないので、やはり当面増資が行われることはないと予想されているのでしょう。

 しかし、そうなると99%の減資をして、かろうじてシャープは債務超過に陥ることを免れることになるのですが…そんな都合のいい話をそのまま信じていいものかどうか?

 つまり、本当は100%減資をしても足りないほどなのだが…一方で、100%減資をしてしまうと既存株主の権利が全くなくなってしまうなどの問題もあり…また、そうなると上場廃止という問題もあり…つまり、苦肉の策として99%の減資を選ぼうとしているのではないかという疑問が生じるのです。

 いずれにしても、シャープを破綻させてはならないという大きな判断が働いているようにしか思えません。

 でも、過去のダイエーなどのケースにしても、破綻させないという道を選んだもののそれが適切な対応であったかと言えば、私は甚だ疑問だと思うのです。

 それよりも、形式的には破綻の道を選びながらも…そして、破綻の道を選べばこそ、大胆な再建計画を実行することが可能になるのです。

 Too big to fail  が銀行だけの話かと思ったら、一般企業にも適用されるなんて…最近時計が逆戻りしているのではないかと思うようなことが多いのです。

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