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大企業の未利用特許 中小企業の ものづくりに生かせ

政府の知的財産戦略本部は、企業が持つ特許の保護や活用に関する方針などを盛り込んだ「知的財産推進計画2015」の策定作業を進めている。計画は来月にもまとめられる予定である。

特許庁によれば、特許の出願件数約27万件(13年)のうち、中小企業からの出願は約12%にとどまる。特許の取得・維持にかかる費用などの負担が重いのが一因だ。

一方、多数の特許を保有する大企業には、事業の見直しで不要になるなどして、活用されていない未利用特許(休眠特許)が少なくない。国内で登録されている約146万件の特許のうち、71万件前後が未利用になっている。

未利用の特許の中には、中小企業から見れば、新製品の開発に役立ったり、事業化が望める技術やアイデアが含まれている。中小企業が、使用許可を得て活用できるようになれば、製品の技術開発の手間が省ける。大企業側も、その使用料を得られることで、利点は多いはずだ。

大企業の未利用特許を、中小企業が活用しやすくする環境を整備したいが、課題は幾つかある。

例えば、人手や情報が限られている中小企業が、大企業の未利用特許を探すのは難しい。そこで、橋渡し役を積極的に担っている自治体もある。

川崎市では、数年前から中小企業と大企業が参加する「知的財産交流会」を開催し、中小企業が興味や関心を持ちそうな特許を紹介する場を提供している。専門の担当者が契約交渉から事業化まで一貫して支援する。

こうした支援により、大企業の光触媒技術を使った抗菌フィルムや、携帯電話に搭載されていた芳香発散技術を用いた芳香グッズの商品化などに成功している。

同様の事業は札幌市も実施しており、参考になる。当然ながら、大企業と中小企業との仲介役には、高い目利きの能力が欠かせない。地域の金融機関は中小企業と密着し、ニーズ(需要)を把握しやすい。金融機関を巻き込むのも一つの工夫である。

大企業に眠る“宝”を、どのようにして、ものづくりに生かしていくのか。政府の戦略本部の活発な議論を期待したい。

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