- 2015年05月06日 14:26
電通が性的マイノリティー(LGBT)調査を発表 13人に1人がLGBT層 6兆円市場へのプロジェクト始動
渋谷区に住むLGBTアクティビストの東小雪(Koyuki Higashi)さんは、この動きによって全国で同性婚に関する議論が活性化されることを望むとして、この決定を歓迎した。東さんは同性パートナーの増原裕子(Hiroko Masuhara)さんと2013年に東京ディズニーリゾート(Tokyo Disney Resort)で「結婚式」を挙げました。
写真は2015年3月31日、渋谷区の同性パートナー条例制定を喜ぶ東さんと増原さん。
本日2015年5月6日、NHKが、心と体の性が一致しない性同一性障害など、「LGBT」など性的マイノリティーに該当する人は13人に1人(7.6%)となることが、日本最大の広告代理店電通が行ったアンケート調査で分かったという報道を一か月遅れながらしました。
性的マイノリティーに該当 13人に1人 LGBTはレズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの略ですが、そういう性的マイノリティーの方々が13人に1人もいらっしゃるとは驚き、認識を新たにしました。だって、それってクラスに2~3人は必ずいらっしゃるはずってことでしょう?
私は何度かカミングアウトされたことはあるのですが、正直それほどの割合でいらっしゃるとは全然気づきませんでした。
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本調査では、セクシュアリティを「身体の性別」、「心の性別」(自分は男だ、女だという性自認)、「好きになる相手・恋愛対象の相手の性別」の3つの組み合わせで分類し、DDL独自の「セクシュアリティマップ ※4」(画像参照)を元に、ストレート(異性愛者で、身体と心の性別が一致している人)セクシュアリティである図内2(ストレート男性)と、図内10(ストレート女性)と答えた方以外をLGBT層と規定しています。
身体の性と心の認識がずれている456、789がトランスジェンダー、いわゆる性同一性障害です。
なお、注意しなければいけないと思うのは、2と10を「ストレート」と呼ぶ表現は電通が使っているものですが、普通はそれでは性的マジョリティーが標準というような意味になり差別につながるので使わないはずだということです。
とにかくこの電通の分類が唯一のものではなく、性の問題は非常に多様で、デリケートなものだということを認識するのが大事だと思います。
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セクシュアルマイノリティ―同性愛、性同一性障害、インターセックスの当事者が語る人間の多様な性
池田 久美子(著),木村 一紀(著),高取 昌二(著),宮崎 留美子(著),岡部 芳広(著)
明石書店
性的マイノリティーに関する総合書。
さて、調査は2015年4月に、電通ダイバーシティ・ラボ(電通総研)がインターネットを通じて、全国の20代から50代のおよそ7万人を対象に行いました。さすが電通、7万人は文科省の調査よりはるかに大規模です。
そして、その調査によりますと、性的マイノリティーに該当する人は全体の7.6%で、13人に1人となりました。
2012年の同様の調査では5・2%だったそうですから、自分がLGBTだと答える人が3年で1・5倍になったことになります。この原因について電通は、米アップルの最高経営責任者(CEO)による同性愛の告白なども挙げ
「社会環境の変化や情報の増大によって、自分がLGBTだと考えるようになった人もいるとみられる」
と分析しています。
東京・渋谷区がまず同性のカップルに結婚に相当する証明書を発行する全国初の条例を制定され、この制度の発案者でこれを発展させることを公約にした長谷部候補が統一地方選挙で渋谷区区長選挙に当選するなどの動きも大きく影響したのではないでしょうか。
日本では同性婚は憲法違反か 憲法第24条第1項 「婚姻は、両性の平等な合意のみにて成立」を乗り越える
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性的マイノリティ判例解説(判例解説シリーズ)
谷口 洋幸(編集),齊藤 笑美子(編集),大島 梨沙(編集)
信山社
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また、電通によると、LGBTの方々が自分が当事者かもしれないと気付いた時期については、 「13歳から15歳」が最も多く18.6%、次いで
6歳以下が17.2%、「10歳から12歳」が16%で
40歳を過ぎてからという人も9.8%いました。
そのうえで、彼らのうち性的マイノリティーの当事者であることを誰にも明らかにしていないと答えた人は56.8%に上っていました。
これも半数以上ではありますが、多いと感じるか少ないと感じるか。
もちろん、4割以上の方々が自己の人格の核心部分ともいえる自分の性的嗜好や性認識を話せていないのは深刻な問題ですが、自分の身の回りの性的マイノリティーの方々にほとんど気づいていなかった私としては、6割近い方が周りの誰かにはそのことを明らかにできていることに少しホッと胸をなでおろしもしました。
さて、このLGBTを巡っては、前述の条例を渋谷区が制定するなど、自治体などの支援が広がっています。
また、文科省も性的少数者への対応の必要性を明記した文書を学校・教育委員会向けにまとめるなどしましたし、超党派の国会議員によるLGBT議連まで発足しました(なかなかまとまらないようですが)。
これは手放しで喜ばしいことだと思います。
日本では同性婚は憲法違反か 憲法第24条第1項 「婚姻は、両性の平等な合意のみにて成立」を乗り越える
2012年5月10日付けのThe Wall Street Journalの日本版記事から。日本でも圧倒的に同性婚を認める人が多い!(同性婚は認められるべきか、より)
渋谷区の条例制定を喜ぶ同区に住むLGBTアクティビストの東小雪さんと同性パートナーの増原裕子さん。
まだまだ、同性パートナー条例でさえ反対する保守勢力も根強い。
非公開で行われた自民党の「家族の絆を守る特命委員会」では、複数の議員から「同性愛は公序良俗に反する」「証明書があっても(同性愛を)嫌だと言う権利もある」などの発言があったという。
全くナンセンスというか意味不明というか。非公開とは恥ずかしい意見だとは分かっているのか。誰の特命?あの人の??
ただ、わたしがひっかかってしまったのが、調査に当たった電通ダイバーシティ・ラボの阿佐見綾香研究員が「社会の理解が深まることで、当事者が生きやすくなるだけでなく、LGBTを意識した新たなサービスが生まれ、経済が活性化する可能性も秘めていると思う」
とおっしゃっていることです。
この後半部分が気になってしまって。
結局、商売のターゲットとしてみているんだなと。でも、電通がやる調査だから目的が顧客企業のためのマーケッティングのためなのは当たり前だし、それでLGBTのことが彼ら自身にも、我々性的マジョリティーにもわかるのはいいことなんですよね(オレが青いんだよな。言い聞かせ)。
さて、このマーケッティングを詳しく見ると
■LGBT層の市場規模は5.94兆円
一般家庭において消費金額が大きく、また消費者の嗜好によって商品選択の変更が比較的容易な22の商品・サービスカテゴリーを選択し、総務省の家計調査と家計消費状況調査のデータを踏まえ、LGBT層の当該カテゴリーにおける消費状況を加味して算定したところ、LGBT層の市場規模は5.94兆円。
■ LGBT層を起点とする消費スタイルを“レインボー消費”と位置付け
今回の調査では、LGBT層当人の消費(家電・AV機器、家具・インテリア、化粧品、カルチャー活動などで一般層より消費が活発)のみならず、その周辺の一般層でLGBT層を支援・支持することによって生まれる消費(LGBT層をサポートする企業の商品・サービスの利用意向53%)にも着目するなど、さまざまな人間関係が社会に受容されることで生まれる消費の可能性を導き出した。DDLではこれらの消費のスタイルを “レインボー消費”と名付けた。
[画像をブログで見る]注1:市場規模算定に当たっては、家計調査・家計消費状況調査(いずれも総務省)のデータ、 および世帯数に関しては「国勢調査」(総務省)を参考にした。
注2:市場規模は単独世帯と2人以上世帯のそれぞれについて算出し合計した。
この分析だけでも私など舌を巻くのですが、これは電通が公に発表したブリーフィングですから、顧客向けには膨大なデータと分析が提供され、それぞれの業態や規模などによって電通から様々な提案がなされるのでしょう。
それが大手広告代理店の仕事ですから。
むう、なんだかねえ、電通は日本のガリバー代理店で、日本の広告代理店4兆数千億円!のうち、1社で半分!を占めていて、しかも安倍政権の人気の秘密は電通を中心とする宣伝戦にあるとわかっていると、ほんと気持ちは複雑です。
やはり本来は、文科省など政府が、LGBTの方々が生きやすい世の中にするために調査をし、対策をすることが絶対に必要だと思います。
性の問題に限らず、マイノリティーが生きるのが楽しい世の中は、誰にとっても幸福な社会ですから。
そして、動機はどうあれ(今の世の中、物を売るためという動機が不純というわけでは全然ないし)、電通のような情報収集力と分析力を持った大きな組織がこういう分野を調査してくれることは、やはり歓迎すべきことなんだろうなと思います。
人権保障の道はほんとに一歩ずつ地道な努力の積み重ねですねえ。



