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100年後の世界遺産

イコモス(国際記念物遺跡会議:世界遺産登録の可否を調査するユネスコの諮問機関)は、8県11市に点在する23施設から構成される「明治日本の産業革命遺産」について「登録が適当」との勧告を行いました。

大変喜ばしいことであり、来月28日から7月8日にかけてドイツのボンで開かれるユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会で登録が決まれば「富士山」、「富岡製糸場と絹産業遺産群」に続き3年連続です。また、国内15件目の世界文化遺産、自然遺産も含めた世界遺産全体では19件目となります(現在のところ日本に複合遺産はありません)。

「明治日本の産業革命遺産」には、薩摩藩が鋳造や機械製造に取り組んだ「旧集成館」(鹿児島市)、「軍艦島」の通称で知られる「端島炭坑」(長崎市)、佐賀藩の海防拠点「三重津海軍所跡」(佐賀市)などが含まれます。また、特徴的なのは、三菱長崎造船所(長崎市)や官営八幡製鉄所(北九州市)、三池港(福岡県大牟田市)など、稼働中の施設も対象となっていることです。

いずれも保全状況はおおむね適切だとされていますが、「端島炭坑」については緊急の保全措置が必要だと指摘されています。

韓国は、これら23施設のうち軍艦島や三菱長崎造船所などの7か所について、植民地時代の強制労働があったとして、世界文化遺産への登録に反対しています。これらの産業遺産は日韓併合前の1910年までのもので、韓国側が主張する第2次世界大戦下での労働とは異なる問題です。悲惨な歴史上の出来事は受け止め、主張すべきところはしっかり主張し、登録を実現する必要があります。

今回、政府の肝いりとして進められてきた「明治の産業革命遺産群」。

イコモス勧告の最大のポイントは「一連の産業遺産群は西洋から非西洋国家に初めて産業化の伝播が成功したことを示す」というものです。

逆にいつの日か日本の茶道や華道などの伝統文化が他国に広がり、その拠点群が「日本の文化が世界に伝播し、『平和』の礎となったことを示す」として、世界遺産に登録されるようになったら素晴らしいと思いませんか?

100年後になるかもしれませんが、一国の政府はそのような超長期ビジョンも持ちながら行動すべきものだと常々考えています。

日本の素晴らしさは、上手に他国のものを取り入れるだけではありません。

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