- 2015年05月02日 15:46
投票率は軒並み過去最低でしたが… 気になったので区長・区議のフォロワー数を調べました - 小川たまか (プレスラボ取締役)
4月26日に投票が行われた統一地方選。市議会議員選挙(48.62%)、区議会議員選挙(42.81%)、町村議会議員選挙(63.12)は全て過去最低の投票率。また、市町村選についても、市長選挙(50.53%)、区長選挙(44.11%)、町村長選挙(69.07%)と、区長選挙以外は過去最低となった。
選挙が行われるたびに首をかしげたくなるのが、なぜこんなに投票率が低いのかということ。TwitterやFacebookのタイムラインではたくさんの人が「投票してきた」とつぶやいているし、投票率の低さを心配する声も目立つ。自分のタイムラインだけを見ていると、投票率が半分を切るとは信じられない。もちろんこれはちょっと考えてみれば不思議でもなんでもなくて、自分が投票に行くから同じ行動をしている人が目につきやすいし、さらに言えばもともと選挙に行く層同士がつながる傾向にあるから自分のタイムラインではそう見える、ということなのだろう。
ところで私は世田谷区民なので、以前から保坂展人区長のTwitterアカウントをフォローしている。保坂区長はTwitterでの発信が多く、区のイベントや関連ニュースをリツイートしてくれるので参考になる。1日に1回程度はタイムラインで見かけるので、まさに「顔の見える区長」というイメージだった。
保坂区長は今回再選を決めたのだが、ふと、他の区長の方たちはどの程度TwitterやFacebookを活用しているのかと思い、調べてみた。結果は次の通り。
画像を見るなんと。ほとんど活用されていなかった。自分の居住区の区長がTwitterを使いこなしていたので現代はそういう区長も多いのだろうと思っていたが、そんなことはなかった。激戦を制したことで話題となった渋谷区の長谷部健区長は、TwitterよりもFacebookに注力しているようだ。
ちなみに保坂区長のフォロワー数は、世田谷区広報(23,453フォロワー)など、世田谷区関連の他のアカウントよりも多い。ただ、世田谷区広報のフォロワー数は、他の区の公式アカウントよりもフォロワー数が多く(例:渋谷区7,554、大田区8,886、中央区2,907、文京区4,779など)、区長との相互関係でフォロワー数が増えていると推測できそうだ。
議員にとってはデメリットだけ?さみしいSNS活用率
ついでに、それぞれの区でトップ当選した区議のTwitterとFacebookの利用状況も調べてみた。
画像を見るこちらもさみしい結果に。
もちろん有権者の全てがtwitterやFacebookを利用しているわけではないだろうし、地域によっては、投票に行く人の中ではインターネットを日常的に利用しない人の方が多数派かもしれない。日頃からインターネットに触れていなければ、SNSでの発信など、リスクこそあれメリットはないと考える議員もいるだろう。
ただ、SNSでの発信を通じて議員たちの活動に興味を持ったり、身近に感じたりする人もいるだろう。また、支持しない議員であっても、自分の住む自治体の長や議員が、日々どのような活動をしているのかを知ることは有意義だ。フォローすると「支持している」という意志表明だと思われると懸念する人もいるだろうが、もっと気軽にフォローしてもいいのではないだろうか。
……といった内容を書こうと思ったものの、そもそもSNSを使っている議員が少ないし、有効に活用できている議員となるとさらに少数だ。フォロワーはフォロワーを呼ぶもので、逆にフォロワー数の少ない人は、よく知っている相手でない限りはフォローしづらい。やはりSNSで政治は身近にならないのか。
平成26年版の情報通信白書によれば、25年末の時点で国民の10人に8人がインターネットを利用し、そのうち半分以上がSNSを利用。また、日本のtwitterやFacebookの利用人口は約2000~2100万人と言われている。SNSで発信する議員は、これから増えると思いたいところだが……。
※区議・区長のSNSのフォロワー数などを調べた記事です。特定の政策や政党へ賛同する意図はありません。
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