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がんと正しく戦う 今井さんと小西さんの事例より

元自衛隊出身の俳優の今井さんが大腸がんとの戦いを公表し、舞台降板を報告されました。(今井雅之「病いには勝てなかったです」大腸がん末期!昨年8月に異変)そのなかで様々な現代のがん治療の問題が再確認できました。
>昨年の8月だった。腹部に痛みが続いて病院へ行ったが、「腸の風邪」という診断だった。

初診時に「腸の風邪」、いわゆる腸炎と診断するのは仕方がありません。腹痛の症状にもよりますが、3ヶ月全身状態を悪化させない位の腹痛なら、90%以上は感染性腸炎、いわゆる「腸の風邪」であることがほとんどです。

>11月に大阪での仕事の休みの日に西宮の病院で診てもらったところ、CTスキャンで「末期がん」「ステージ4」といわれた。がんが腸の2、3か所を塞いでしまって、あと1回か2回食事、水を摂っていたら破裂するところだった。

この3ヶ月痛みが改善しなかったのでしょうが、できればもう少し早く、少なくとも1ヶ月以内には再度受診して欲しかった。そうすれば90%ではないという情報が医療者に共有され、次のステップにもっと早く移れたはず。

>本人には知らされなかったが、「余命3日」といわれ、手術もできないというのを、横浜の病院で手術に成功した。その後、抗がん剤治療を行い、今年2月には次の舞台の会見までするようになった。
はっきり言うと「余命3日」といった病院はやぶです。いやマスコミが「このまま放置していたら3日もしないうちに命を落とした可能性が高い」を略しただけかもしれませんが。

また手術もできないというのは、治す手術ができないということでしょうが、完治手術ができなくても閉塞拠点である病変部を姑息的に手術することはよく行われています。2月までは治療がうまくいいていたのでしょう。
>「医者は大丈夫ですといいながら、家族には『2、3日です』といっていた」と笑わせた。
家族が言って欲しくないと伝えたのではないでしょうか。できればそれを医者のせいにはしないで欲しかった。だから私は初対面でもよっぽどの事がない限り本人に伝えます。

彼の会見をみていると、副作用の辛さが強くみられました。悪液質という末期がん特有の全身状態の悪化も顕著でしたが、それよりも彼の精神的フォローがうまくいっていないことがみてとれました。

あるテレビでは6カ所病院を変えた事が言われています。治癒を求めての行動です。悪い言葉でいうとドクターショッピングと言われるものですが、こうなると治療に一貫性がなくなり、「腸の風邪」といった最初の医師に対するばかやろう発言も踏まえると、医療に対する信頼を失い、精神的支柱がなくなった事も踏まえての現状が予想されます。

副作用は間違いないくあります。でも医療者を含めた精神的サポートが充実すると大分感じ方が違ってきます。治療をするのがつらい、死にたいと患者さんに言わせるがん治療は、その病院のレベルが推定されてしまいます。もちろん実際は難しいことは100も承知で、簡単にできないこともよくわかっています。それでもこう言う事を言わせてしまった病院、医師、看護師は、彼の精神的フォローができていなかったことを反省しなければなりません。

またきついようですが、今井さん本人もマスコミに対してすこし考えて発言していただきたかったとは思います。御自身の健康管理の不備もひとつの問題なのですから。

元自衛隊の仲間だからこそ、結果としてあまりいい治療がされなかったこと(病気に対してではありません。精神的ケアの部分です)が残念です。そしてこの事例をもってドクターショッピング(セカンドオピニオンではありません)はあまりいい結果は出ないことがあることを理解する必要があります。

また小西さんの癌闘病も記事になっています。(小西博之 自死の清水由貴子さんに懺悔
>医師からは「ステージはありません。即死です」と宣告されたといい、「怖かったです。即死、って…」と明かした。がんは縦20センチ、横13センチにまで肥大していた。

 05年2月に9時間に及ぶ手術を受け、がんを切除。肋骨を折り、摘出する大手術だった。今も肋骨から背中にかけてV字の手術痕が残る。
そして正しく闘病することで、現在10年以上、即死の状況から現在を迎えています。まあ即死という医師もいかがなものかですが、現在ほぼ治癒されているのでしょう。

前も書きましたが、医師の寿命何日は50%ぐらいしかあてにはできません。(米国の安楽死問題 医者の余命宣告はそんなに当たらない

腎癌と大腸がんの違いはありますが、がんとは正しく戦えばなんとかなるものも出てきています。そして血液の骨髄腫のように先延ばしにする事でまた次の治療薬も出て来る可能性があるのです。

辛い治療ですが、前向きに、そして希望を捨てず、恐怖を感じながらも前へ進んでいく事をやめなければ、最後の最後までいい生活ができる可能性があります。

そしていつか残念ながら死を迎えます。その時全力を出せたかどうかで安らかに死を迎えれるか、そして周りに感謝して人生を全うすることができるかどうか、その助けができればいいと思っています。

以前の記事です。悪性新生物(癌)の告知 そして死の告知  

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