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「残業する人」は「頑張っている人」?~朝型勤務の効果も意識改革次第~ - 薮内 哲

(今夏は朝型勤務が広がる可能性)

4月20日、政府が経団連に「朝型勤務」などの取り組みを検討するよう要請した。国家公務員は今年7、8月に始業時間を1~2時間早める方針を決めており、地方自治体にも同様の取り組みを要請している。

世界の中でも日本の労働時間は突出して高い。週当たり労働時間が50時間(1日10時間で残業が2時間以上ということになる)以上の労働者の割合が31.7%(男性:38.8%、女性:20.4%)にも達する。

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「朝型勤務」化はこの長時間労働の抑制を目的としている。残業を始業前の限定された時間にすることで原則夜の残業を禁止する。無駄な残業を減らすことで夜の時間は家族と過ごすなどに使える。筆者も朝型勤務の導入には概ね賛成だ。

現時点では伊藤忠商事など朝型勤務を実施する企業は限られているが、経団連は、会員企業にそれぞれの企業の実情に応じた自主的な取り組みを促しており、今夏は多くの企業に朝型勤務などが広がる可能性がでてきている。

(「残業する人」は「頑張っている人」というイメージ)

ただし、人々の「残業する人」に対する「考え方」が変わらない限りなかなか制度が機能しないだろう。平成25年11月に発表された内閣府「ワーク・ライフ・バランスに関する個人・企業調査」によると、残業をしている人に対して上司がどのようなイメージを持っていると思うかという質問で、少なくとも半数程度の人は、上司は「残業している人」を「頑張っている人」と捉えていると考えている。しかも残業時間が長いほどそう捉える人が増加するという結果だ(次ページ図表)。「残業自体」が自分自身のポジティブな評価につながると考えるなら、「残業を減らそう」というかけ声だけで残業をやめられるだろうか。

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また、現在進められている働き方の改革との関係も重要となる。例えば、企業が一律に朝型勤務を奨励すれば、現在検討されている裁量労働制の拡大やホワイトカラーエグゼンプションと矛盾が生じることになる。裁量労働制が適用されている人に、朝型勤務を奨励すれば、裁量がなくなってしまい、育児や介護などに柔軟に時間を割けるという利点を奪ってしまう。

長時間労働を抑制し、多様な働き方ができる社会にしていくには、制度の良し悪しでだけはなく働き手の意識改革が何より重要だ。構造改革が難しいように社会や企業内の慣習・価値観が変わるには時間はかかる。優れた制度が設けられても、そこにいる人の考え方次第で良くも悪くもなろう。無用な残業を減らすには会社と従業員、上司と部下の間で働き方と評価の関係などについて話し合い、常々共有することが基本的だが最も必要なことではないだろうか。

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