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イオンのPB「トップバリュー」の迷走がまだ続くかもしれない

2014年度に、6,000アイテムを誇るイオンのPB「トップバリュ」が、2,500アイテムしか持たないセブン&アイHDのPB「セブンプレミアム」に売上高で抜かれました。セブン&アイは、「セブンプレミアム」以外のオリジナル商品も合わせると2兆6,500億円の売上高なので、もっと実力差があるのかもしれません。

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それもあってか、また「トップバリュ」が客離れの原因のひとつとして考えたのか、イオンは「トップバリュ」の開発体制を180度転換し、既存アイテムの4割弱を削減するとし、イオン商品調達の新社長に就任される柴田英二執行役が日経ビジネスの取材に「安さ一辺倒から脱却する」とその抱負を語っておられます。

「トップバリュ、安さ一辺倒から脱却する」 :日経ビジネスオンライン

いろいろ難しいことをおっしゃる前に、お世辞にも魅力を感じるとはいえないパッケージが売り場に並び、棚にもなんの意味のない「トップバリュ」の表示POPをつけてしまっている感性を疑ったほうがいいのじゃないかとも感じますが、「そら、これがイオン様の開発した商品だ、安くていいのだから買わないのは馬鹿だ」と言っているようで腰が引けます。

「トップバリュ」については、中味が名前に負けているとしても、これまでの現場経験のカンで言えば、パッケージ・デザイン政策を根本から変えるだけでもかなりの売上改善がはかれるものと確信します。それも1アイテムずつ見直すぐらいのことはやるべきでしょう。そうするうちになにが本当の課題なのかも見えてくるはずです。

柴田英二執行役のお話のなかで、ビッグデータを活用した開発、ダイレクトなお客さまの声を反映した開発で、供給者の論理から顧客目線へというのは当然でしょうが、それでは必要条件を満たすとしても、十分条件は満たされていません。価値を認めてもらえる商品の仕様や、特徴付けを行うにしても、またその価値をイメージで伝え、感じてもらうパッケージをデザインするにしても、作り手のクリエイティブなアイデアやセンス、また知恵がなければ、価値を感じる商品は生まれず、お客さまは手を出してくれません。

それよりも驚いたのは、開発の重要なところを外部にアウトソーシングしてしまっていることです。普通はそういった話は社外にはしないものですが、ずいぶん荒っぽい開発をしているのだなあと感じます。そんな外部依存が駄目な原因のひとつではないかと疑わなかったのでしょうか。
我々のPB(プライベートブランド)開発受託会社であるデイモン・ワールドワイドの存在です。デイモン・ワールドワイドは、欧米のPB商品も手がける専業 ブローカーです。そのため、彼らは米国や欧州の先進的な動向を良く知っています。欧米で成功を収める小売業の商品戦略も熟知している。そして、彼らだから 知り得る情報を、日本でダイレクトに受け取れるのはイオンだけです。
セブン&アイも社内にこれといった開発組織、また開発の人材がいないと風の噂で聞きます。しかし決定的に違うのは、セブン&アイは調達先のメーカーや商社とのコラボレーションで、上手にアイデアを引き出してきているのでしょう。1年にアイテムの80%の見直しができるというのも、そういった外部との協力関係の強さを物語っているのでしょう。

PBに強い小売業といえばドイツのディスカウンター「アルディ」が有名ですが、アルディのPBは顧客満足度が非常に高く、ナショナルブランドをも凌駕する商品が多いようです。イオンも、難しい理屈ではなく、「トップバリュ」の一品一品で、どれだけ高い顧客満足をひきだせるのかを追求していけば、きっといいブランドに育っていくのではないでしょうか。

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