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「自動運転」よりも先に開発して欲しい車

自動運転というとグーグルがシリコンバレーのマウンテンビュー市で走行試験を集中的に展開しています。またメルセデスやアウディなどのドイツ勢も精力的に取り組んでいます。さらに、中国資本のスエーデン企業ボルボも参戦し、一般ユーザーが所有する100台の自動運転車を2017年までにイェーテボリ市周辺の一定の公道で走らせる計画に取り組んでいて、それに先行して北京で路上テストを先月に実施しています。自動車が、自動運転される時代がまもなくやってくるのでしょうか。
ボルボ、自動運転を一般公道で実現する独自のシステムソリューションを発表 | レスポンス
中国 自動運転車が北京市の路上で初めての試験走行 | 新華ニュース 中国ビジネス情報

いや結構ハードルが高いように思います。技術の問題ではなく、それよりも社会の制度文化なども変えていく必要があるからです。次のようなケースがあった場合どうなるのでしょうか。自動運転している車に、予測不可能な状態で人が飛び込んできて、あるいはシステムの不具合が発生して、事故が起こったとします。その責任を取るのはその車に乗っているオーナーなのか、自動運転する車を提供した自動車メーカーなのかどちらなのでしょうか。自動運転車を購入する際に、「自動運転中に、万が一事故が起こった場合は、オーナー様の責任であり、弊社としては一切責任を負わないことをご承認の上ご利用ください」とか言われて、なおかつ自動運転車を選ぶのでしょうか。

それに利用する人が満足できる自動運転を実現することは国や土地によっては難しそうです。たとえば中国では、高速道路の出口でゲートが3つのところにその倍以上の列をつくって、競いあうように割り込んでゲートに殺到していることがありますが、自動運転車は、うまくゲートにたどり着くことができるのでしょうか。不規則な運転をしてくるバイクや、平気で横断歩道でないところで渡ってくる人に眼を飛ばしてためらわせてくれるのでしょうか。

とはいえ、いったん火のついた開発競争は収まることがなく、どんどんクラウドとつながって自動車とネットが繋がる情報システムが進化するとか、センサーと自動制御技術の開発競争が激しくなるとか、またカーナビが進化し、運転する人に状況を知らせるデジタルコックピットとなっていくとか、さまざまな分野で技術革新が起こってくることは間違いないと思います。

イノベーションは技術だけで起こるとは限らないのです。むしろ社会の制度やシステムの変革のほうがインパクトのあるイノベーションになることが多いのです。「自動運転」という目標を目指すのか、「人が安全で軽快な運転をすることをサポートすること」を目標に置くのかで、また違ったアプローチになってくるのではないでしょうか。

それよりも飲酒した人が運転席に座るとエンジンがかからない車とか、スマホや携帯を手に持って通話したり、メールを見たりして運転すると自動的に減速して止まってしまう車とか、逆走しようとすると警報がなって車が停まる車とか、自分は運転がうまいと錯覚して無茶な割り込みをしたとたん、この下手糞めとあざ笑うアラートがでくる車とかのほうをまずは開発して欲しいものです。

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