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ドローン・テロにはドローンで対抗しよう

インターセプト・ドローンを開発中

マンガみたいな話だが、原発や政府中枢機関を狙う小型の無人飛行機(ドローン)によるテロを防ぐ最も有効な対策は今のところ、インターセプト・ドローンを飛ばして侵入ドローンの上から捕縛縄を落してプロペラに絡めて墜落させる方法だそうだ。

とは言ってもインターセプト・ドローンの開発はごく初期段階。プロペラのないドローンは捕縛縄をスルリとすり抜けるという問題点も指摘されている。ドローンを遠隔操作する無線LANから操縦者の居場所を突き止めるという方法も研究されている。

ドローンに搭載したカメラでプライバシーを盗撮されるのを避けたいセレブたちの要望でインターセプト・ドローンの研究・開発は始まったという。間もなく第二子を出産する英王室のキャサリン妃が邸宅の外から望遠レンズでトップレス姿を盗撮されたのは記憶に生々しい。

ドローンの普及でいつでもどこでも誰にでもドローンを飛ばすことができる時代になった。デジタルカメラも小型化し、やろうと思えば、芸能人や有名人のプライベートな姿がいとも簡単に盗撮できる。

これから技術が進み、ドローンの値段はどんどん下がるのに対し、性能は急カーブを描いて向上していく。ドローンによるテロは夢物語ではなく、すぐそこにある危機なのだ。

「反原発」訴えるため

首相官邸の屋上でドローンが見つかった事件で、関与を認める40代の男が24日、福井県警に出頭した。「反原発を訴えるため、ドローンを飛ばした」という。ドローンにはプラスチック容器が取り付けられ、微量の放射線が検出された。言語道断である。

ドローンには光と影がある。パキスタンやアフガニスタン、イエメン、ソマリアで偵察や情報収集活動に役立っている。イスラム過激派暗殺のためにも使われ、市民の巻き添え被害を出している。

一方、福島第1原発事故のようなケースではドローンを飛ばして被害や汚染状況を確認することも今後は想定される。

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中国DJI製「ファントム2」

官邸屋上で見つかったのは中国のドローン製造大手DJI社の「ファントム2」。重さは1160グラム。大きさは縦29センチ、横29センチ、高さ18センチ。飛行時間は25分間だ。無線LANのWi-Fiは300メール離れていても接続可能だ。

小型デジタルカメラ、電送装置とプロペラの防護枠が装着されていた。機体は写真の通りもともと白色だが、夜間飛行でも目立たないよう4カ所のLEDライトとともに黒く塗られていた。

NHKの報道によると、自民党は治安・テロ対策調査会や内閣部会などの合同会議を開き、政府中枢機関の上空でドローンの飛行を規制する法案を今の国会に議員立法で提出するため、検討を急ぐ方針を確認した。

無防備なのは日本だけでない

合同会議では、出席議員から「首相官邸が無防備であることを国内外に発信してしまった」という声が上がったという。しかし恥じる必要はない。米国のホワイトハウス、フランスのエリゼ宮(大統領府)、おそらく英国の首相官邸もドローンには無防備なのだ。

ドローンに詳しいキャロライン・バイロン英王立国際問題研究所(チャタムハウス)研究助手に「日本で起きた事件を知ってる? 英国の首相官邸はドローンに対する防御策を取っているの」と尋ねると、「機密事項なので憶測でしか言えないけど、対策は講じていないと思うわ」と答えてくれた。

今年1月、米ホワイトハウスの芝生に、日本の官邸屋上で見つかったのと同じ中国製「ファントム2」が墜落。2月にはパリのエリゼ宮、在仏米国大使館、エッフェル塔、アンヴァリッド軍事博物館、幹線道路の上空を夜、飛行するドローンが目撃されている。

バイロン研究助手は、ホワイトハウスやエリゼ宮が対策を講じていなかったのに、英国の首相官邸がやっているとは考えにくいという。理論上はドローンの飛行範囲は限られているので官邸周辺の警備をしっかりやればドローンによるテロは防ぐことができる。

英国の官邸周辺は飛行禁止

英国のドローン普及団体ドローン・フライトによると、人を傷つけたり、建物を損壊したりする恐れがある場合、ドローンの飛行は禁止されている。操縦者から水平距離で500メートル、垂直距離で122メートルを超えて飛行させる場合は民間航空管理局の認可を取らなければならない。

混雑地域や1000人以上が屋外で集まる場所から150メートル以内かそれ以上、船舶や乗り物、構造物から50メートル以内の空間を飛行させてはならない。操縦者の関係者とドローンの距離も30メートル以上離れていなければならない。

原則、ロンドンの市街地でドローンを飛ばすことは許されない。バイロン研究助手はしかし、「大手動画投稿サイト、ユーチューブを見れば、飛行禁止区域を飛んでいるドローンから撮影した動画がたくさん出てくる」と苦笑する。

昨年7月には世界中で一番混雑している英国のヒースロー空港で着陸する飛行機の6メートル以内にドローンが接近する「ニアミス」事件が起きたことが報じられた。

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「ファントム2」のコントローラー

ホワイトハウスでの墜落事件のあと、中国のDJI社は、ROMに記憶させてハードウェア化したソフトウェアの飛行禁止区域にワシントンを加える対策を講じた。衛星測位システム(GPS)と連動させてドローンが飛行禁止区域に入れないようにした。米政府の批判をかわすためだ。

狙われる原発

フランスでは昨年10月初旬から11月末にかけ、原発がある19カ所のうち13カ所の上空をドローンが飛行したのが確認されている。夜間を狙って行われ、侵入は順序良く計画されていた。

ドローンで原発内を偵察し、写真や動画を撮影してテロ準備のため情報収集できる。原発施設に侵入したテロ部隊を上空から支援し、武器を運搬したり、電源や通信ネットワークに爆弾を落としたりすることもできる。原子炉より建造物が脆弱な使用済み核燃料貯蔵庫に爆弾を落とすこともできる。

ドローンが普及する随分前にテロ対策が設計された原発は、最先端ドローンの前には無力だ。

ドローンの大半は50センチ未満で、最大でも2メートル。この大きさでは通常レーダーで探知するのは難しい。実際、警備員が肉眼でドローンの侵入を確認している。フランス軍はドローンのような小さな飛行物体でも確認できるレーダーを原発に配置した。

また、ドローンを発見したら撃ち落とす許可を与えているが、それには非常に高い射撃技術が求められる。原発施設の上空を飛行中はドロンを撃ち落とすことはできない。墜落して被害を大きくする危険性があるからだ。妨害電波を発してドローンを間違った方向に誘導する方法は原子炉の危機を誤作動させる危険性があり、使えないという。

冒頭紹介したインターセプト・ドローンは研究・開発の初期段階。だから、小型飛行物体でも探知できる高性能レーダーでドローンの侵入を早期発見したらヘリコプターを飛ばして追跡するのが最も良い方法らしい。

ドローン飛行規制の法整備ももちろん大切だが、日本はロボット技術を活かしてインターセプト・ドローンの開発にも取り組むべきだ。そうすれば米国との同盟、フランスや英国との防衛協力も強化できる。

(おわり)

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