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集団的自衛権

リンク先を見る 今日は、午前8時から民主党・安全保障総合調査会、外務・防衛部門との合同会議からスタートしました。
 今日から、いわゆる集団的自衛権行使の「3要件」、政府の言う「存立危機事態」に関する議論です。

【解釈変更】
 昨年7月、安倍内閣は憲法9条に関する政府解釈を次の通り変更しています。
 「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、①我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、③必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。」
  ※ ①、②、③が、いわゆる「3要件」です。 
 確かに、日本の独立が脅かされ、日本人の命が失われる明白な危険が生じたならば、日本政府が座視することは許されず、自衛隊が出動して、日本の独立と、日本人の命を守らなければなりません。

【自由の女神にミサイル】
 しかしながら、外国に対する攻撃であるにもかかわらず、日本の独立が脅かされ、日本人の命が失われる明白な危険が生じることなど、実際にあり得るのでしょうか。
 私には直ちに想像することが不可能です。
 そこで、昨年の閣議決定に当たり、私へ説明に来た内閣官房の2人の官僚、1人は防衛省、もう1人は警察庁の出身者に対して、私から容易に否定できる例として、「例えば、北朝鮮のミサイルがニューヨークの自由の女神に命中した場合は、ここで言う、この日本の独立が脅かされ、日本人の命が失われる明白な危険が生じたとは言えないのか?」と尋ねたところ、このエリートたちは「いいえ、ミサイルが自由の女神に命中した場合でも、日本の独立が脅かされ、日本人の命が失われる明白な危険が生じる場合があります」と答えました。
 日本から1万800キロも離れた、文字通り地球の裏側に対する攻撃が、何故に日本の独立を脅かし、日本人の命を奪う明白な危険と認定できるのでしょうか。

【ペルシャ湾の封鎖】 
 そこで、私は今朝の合同会議で、この問答を紹介した上で、あらためて「一体、どのようなケースが外国に対する攻撃であるにもかかわらず、日本の独立が脅かされ、日本人の命が失われる明白な危険が生じたと言えるのか。自由の女神に対する攻撃が、日本の独立を脅かし、日本人の命が失われる明白な危険と認定される場合があるのか?」と内閣官房・国家安全保障局の赤瀬正洋、小野功雄内閣参事官らに質しました。
 すると、やはり「一律に該当するか、しないかは答えられない。総合的に判断したなら、該当する場合もある」と答えました。
 そこで、私は「いくら仮定を置いても構わないので、どのような状況であれば、外国に対する攻撃であるにもかかわらず、日本の独立が脅かされ、日本人の命が失われる明白な危険があると言えるか、具体的に答えて欲しい」と、さらに問い質したところ、参事官らの回答は「ペルシャ湾が機雷で封鎖されたようなケース」と答えました。
 しかし、ペルシャ湾が封鎖されたとしても、中東から石油を輸入できなくなったとしても、その結果、日本の独立が危うくなることも、日本人の命が奪われてしまうことにもなりません。

【広範過ぎる要件】
 結局のところ、昨年7月の「3要件」は一見限定的ですが、自由の女神にミサイルや、ペルシャ湾の封鎖への当てはめに鑑みると、極めて広範な範囲で集団的自衛権の行使を可能にしてしまいます。この要件では、文字通り「地球の裏側」にまで自衛隊が助太刀に出かけて、アメリカ軍の「2軍」として戦争に参加してしまうことになります。
 私は、引き続き、一体いかなるケースが「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」か、問い質したいと思います。そして、そのようなケースなど現実には存在しないと考えています。
<<写真は江田民主党憲法調査会長と打合せ>>
【前川きよしげ本人が書いています】

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