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「7.6%存在するセクシャルマイノリティーの問題を知ってほしい」

渋谷区の同性パートナーシップ条例に注目が集まる中、LGBTに関する記者会見が23日に外国特派員協会で行われた。会見に出席したのは、「東京レインボープライド2015」の共同代表を務める杉山文野氏、山縣真矢氏、2013年に東京ディズニーシーで同性結婚式を挙げた東小雪氏の3名。それぞれが自身の経験や渋谷区で可決されたパートナーシップ条例、今週末に行われる東京レインボープライドについての思いを語った。

この条例が出来るかできないかで明日が大きく変わる

杉山氏は、10年前に友人に勧められて、カミングアウト本を出版したことがきっかけにLGBTに関する啓発活動に携わることになった。

成長過程では、身体が女性として成長していく一方で、精神は男性という状況にあり、「引き裂かれるなんて言葉では表現できないような状況だった。自分だけが頭がおかしいんじゃないかとか、死んでしまいたいと思うぐらい悩んだこともあったのですが、多くの友人、家族に恵まれて少しずつカミングアウトを始めました」と振り返った。

書籍を出版した当時は、性同一性障害という言葉の認知度も低く、セクシャルマイノリティーというと水商売やテレビに出ている人というようなイメージが強かったが、出版を機に、「自分も同じです!助けてほしい!」というような相談が1000件以上寄せられたという。

杉山氏は、今回のパートナーシップ条例について、「たった10年でもセクシャルマイノリティーをめぐる環境は変化したと思うが、先日渋谷の同性パートナーシップ条例をめぐって非常に大きな変化を迎えていると思う」とした上で、「好きな人と一緒に暮らしたいというシンプルな思いが、多数側の人には認められて、少数側の人には認められない。それはそろそろスタートラインを一緒にしていただきたい。多数側に立つ人にとっては、この条例が出来てもできなくても、明日はそれほど変わらないと思うが、我々にとってはこの条例が出来るかできないかで明日が大きく変わるということもわかってほしい」と訴えた。

また、現状の制度の問題点についても言及。「僕自身は戸籍上は女性になるので、5年近く付き合っているストレートの女性と一緒にいる手段がない。戸籍変更すればいいじゃないかということを言う人もいるが、戸籍変更の要件は厳しく生殖器を除去する必要がある」と戸籍変更の難しさを指摘した。

その上で、「できることなら、僕はこれ以上、自分の身体を傷つけたくない。金銭的にも体力的にも負担のかかる手術はしたくないが、彼女と一緒にいるためには手術をしなければいけないのかも、と悩んだりもする。こうした手術に保険は効かない。保険適用がない手術が、戸籍変更のために必要というのは、矛盾しているのではないか。生殖器を切れば、国が好きな人と一緒にいる権利を認めてくれるというのであれば、皆さんは切りますか?もちろん性同一障害特例法の改正という考え方もあるが、今回の条例により不必要な手術も減るんじゃないかということで、今後に期待したいと思っている」と話した。

最後に、今週末に行われる渋谷区長選挙について、「区長候補の中には今回の条例に否定的な人もおり、条例の見直しがされる可能性もある。渋谷区からスタートしたこの話題は、全国に広がりつつある。発端となった渋谷区の動きが停滞してしまうのかどうかは、今後の日本を左右する大きなポイントだと思っている。2020年の東京オリンピックが決まった中で、日本が多様性を重んじる社会に変化していくことを期待している」と話した。

同性婚を認めたからといって失うものが何かあるのでしょうか

山縣氏は、今週末に実施される東京レインボープライドの沿革について語った。同イベントは、主催団体の変更などがあったものの、1998年から続いており、参加人数も増加し続けているという。今年は、2日間開催で3~5万人の動員が見込まれている。

イベントは企業の協賛金で運営されており、当初はLGBTコミュニティの中で資金を募っていたが、次第に外資系の企業などからサポートを受けられるようになり、最近では日本の企業からも協賛を受けられるようになってきているという。あわせて、イベントの規模も拡大しており、ブース出展の数も昨年の50から90に増加。協賛企業のブース以外に、各国の大使館なども出展していると語った。

「私たちが渋谷でずっとやってきた活動が今回の条例にどれだけ影響を与えたかはわからない。でも、私は多かれ少なかれ、影響を与えてきたのではないかと思っており、この度可決されたことをうれしく思っている」とし、「今週末のパレードにも是非遊びに来てください」と述べた。

最後にデンマーク大使館からの寄せられた以下のメッセージを紹介した。
同性愛者は法律が出来たことで多くのものを得らえました。自分の選んだ人と結婚でき、法的給付を受けられるようになりました。異性愛者にとっては別に何も変わっていません。つまり、同性婚を認めたからといって失うものが何かあるのでしょうか。

LGBTの子どもたちには自殺のリスクも

東氏は、自身が2年前に、日本のディズニーでは初めてとなる同性同士の結婚式を挙げ、今はパートナーと渋谷区で暮らしているという。そうした中で、引越しの際に同姓同士であることが理由で家を借りることが難しいという問題や病気の際に手術の同意書にサインをすることができるのか、家族として面会できるのかといった不安を抱えていると話した。

また、LGBTの子どもたちは自殺のリスクや、いじめられてしまう可能性があることも指摘。今回の渋谷区の条例についても「私たちが利用できるから嬉しいというだけではなく、まだ自分たちの性的志向や自分のあり方を肯定的にとらえることが出来ない次世代の若者たちにポジティブなメッセージになったと思う。私たち大人は、この制度が全国に広がり、きちんと運用されていくか見守る必要がありますし、日本の社会がどんな属性を持った人にも暮らしやすい社会になってほしいと思っています」と述べた。

また杉山氏は、LGBTの人間が7.6%存在するという電通総研が7万人を対象に行った調査結果を紹介。その上で、「LGBTの人は言えないから“いない”」ことになっていると指摘。

「7.6%という数字が、どれぐらいの数字なのか考えてほしい。佐藤さん、鈴木さん、田中さん、高橋さんの4つが日本で多い苗字の上位なのだが、これらは5%程度だそうです。皆さんの周りにもその4つの苗字の友達がいると思いますが、LGBTの人というのはそれ以上の数いることになります。そう考えるとLGBTの方というのは意外と身近にいるのではないでしょうか。まずは隣にいるんですよ、ということを知ってほしい」と語った。

■関連リンク
東京レインボープライド2015

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