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肖像権・著作権問題の救世主? フリー素材の価値を考える - カツセマサヒコ

ネット上で最もよく見るフリー素材モデルが決定

 4月12日、gooランキングは500人を対象に行った調査をもとに「ネット上で最もよく見るフリー素材のモデルランキング」を発表した。

 ネット上で最もよく見るフリー素材のモデルランキング(gooランキング)
http://ranking.goo.ne.jp/ranking/category/092/hpup0B0-AbBE/

 「フリー素材モデル」という言葉に聞き覚えがない人は、「このランキングに掲載されている人物は誰も見たことがない」とツッコみたくなるかもしれない。しかし日常的にインターネットに触れている人であれば、恐らく一度はこの中の誰かを見たことがあるはずだ。ランキングに掲載されていないフリー素材モデルも含め、彼らはネット上のさまざまな記事で日ごろから活躍している。

 たとえばネットサーフィンをしているとき、タイトルのすぐ下に写真が一枚貼られ、そのさらに下に本文が配置されているタイプの記事を見かけることはないだろうか。あれらの記事に使われている写真で、人物の顔がはっきりと映っていた場合、おそらくその大半はフリー素材モデルの写真を使われている。

 彼らの最大の特徴は、「ほとんどの場合、使用許諾を取る必要がなく画像を利用できる」という点にある。たとえば企業が作った記事の写真に一般人が登場していて、これが本人の許可を得ていないものだった場合、肖像権の侵害として法律違反になる可能性は極めて高い。しかしフリー素材モデルは、自身がモデルとなって撮影した画像を利用する権利を「フリー素材サイト」に委ねていることで、画像使用者はそのサイトの規約さえ守れば好きに画像を使える仕組みとなっている。

「フリー素材」の価値の拡散

 実はフリー素材サイトにも「二次配布の禁止」や「宗教・アダルト・反社会的団体の勧誘のための利用の禁止」、「モデルの不利益となるようなかたちでの利用の禁止」など、各サイトそれなりの利用規約が設けられている。

 それでも記事を制作する立場にしてみれば、とくに利用許諾を得る必要もなく、高画質の画像を手軽に利用できることはありがたいことだ。著作権や肖像権の問題をクリアしていれば、画像を安全に使用できる。

 最近は自身がフリー素材モデルであることをアピールすることで、その人のブランディングやフリー素材のPRにつなげる人も出てきた。こうした人たちの活躍が「フリー素材」の存在を世の中に広げているのならば、今回の「フリー素材モデルランキング」もPRの一環としては効果があるのではないだろうか。 

 画像の無断転載は法人だけでなく個人のブログでも本来はNGなのだが、現状では個人ブログの転載は、有名人や有名ブロガーでない限り放置されがちだ。誰でも情報発信できる時代だからこそ、著作権や肖像権を脅かすことのないフリー素材の需要は高まっているのではないだろうか。実際にフリー素材モデルとして活躍している大川竜弥さんは、フリー素材の今後について以下のように語る。

 「近年、オウンドメディアブームで毎月のように新しい媒体が立ち上がっています。しかし、ウェブメディアの収益化は難しく、予算は削られる一方。少ない予算で記事を作成するには、有料素材を購入するのではなく、フリー素材を使用するしかありません。今後もフリー素材の需要は加速していくでしょう」

 これまでフリー素材という存在を知らなかった人たちはぜひ一度、フリー素材サイトを検索してみてもらいたい。著作権・肖像権問題が他人事ではなくなった現在だからこそ成り立つビジネスモデル。全ての記事の写真がフリー素材となってしまうのは物足りなく感じたりもするが、それも今後、多種多様なフリー素材が増えることで解消される問題なのかもしれない。

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