- 2015年04月21日 15:29
全米を号泣させた衝撃のアプリ「Invisible Girlfriend / Invisible Boyfriend)」
1/3お盆休みまでには、まだ間があるが、郷里を離れて働いている人の中には、今から里帰りを楽しみにしている人もきっと少なくないことだろう。
しかし僕の知り合いは30代に近づいた頃から、正月やお盆が来るのが憂鬱になったと愚痴っている。久しぶりに再会した親戚や旧友たちから「おまえ、まだ結婚しないのか?」とプレッシャーをかけられ、肩身の狭い思いをするからだという。アラフォーの僕にも決して他人事ではない。
個人主義が発達している米国なら、そんな悩みとは無縁で、マイペースで生きていけるのかと思っていたのだが、現実はそうでもないらしい。
米国社会では、勤め先の催しであっても「家族」や「夫婦」または「男女のカップル」単位で参加することが当然という風潮があるため、一緒に行動してくれる異性がいないと、周囲から色々と干渉され、内心傷つくことがよくあるそうだ。
「Invisible Girlfriend」は「人々をそんなストレスから解放して、その人らしく生きていけるようにする」という高尚な目的で誕生したアプリである。「Invisible man」と言えば、「透明人間」という訳語を思い出すが、このアプリの場合は「二次元彼女」と訳す方がピッタリかもしれない。
実生活で恋人がいなくても、お付き合いしている彼女がいるという演技を説得力を持って演じることができ、家族や友人、同僚などの余計なお世話を撃退できるという触れ込みだからだ。
姉妹アプリとなる女性向けの「Invisible Boyfriend」と併せて、米国とカナダをサービスエリアに今年1月にベータ版がリリースされると、瞬く間に米国内外のメディアで報道され、ダウンロードする人が続出した。
「こういうアプリを待っていた」と歓喜に震える人もいる一方、「悲しすぎて、涙なくしては語れないアプリ」という評価もあちこちから聞こえてくる。
では、「全米が泣いた」話題沸騰のアプリをチェックしてみよう。
サービスの利用手順
現在、Invisible GirlfriendとInvisible Boyfriendはともに、利用料金は毎月24.99ドル(約3000円)となっている。
この料金を支払うと、実在しない恋人からテキストメッセージ100通、ボイスメール10通、手書きの葉書1枚が毎月送られてくる。
今後、ユーザーからの反応をもとにプランの種類を増やしていく予定だという。
手順1 アカウントの作成
サービスを利用するには、まずメールアドレスと氏名を入力し、パスワードを指定して、アカウントを作成する。尚、米国またはカナダに在住していることと18歳以上であることが利用の条件になっている。
手順2 ガールフレンドまたはボーイフレンドの作成
彼女または彼氏の名前と年齢、写真を選び、恋人の性格を設定する。
写真はどれもストック写真ではなく、一般の男女から投稿された自撮り写真である。写真の投稿者には、その写真が初めて顧客から選ばれたときには謝礼としてTシャツが贈られ、2回目以降は報酬が支払われるという。
手順3 馴れ初めの作成
彼女(彼氏)と出会って、恋に落ちるまでの経緯を作成する。
話を作るのが得意でない人のために、基本のストーリーラインが用意されている。空欄を埋めていけば、話が出来上がる。
手順4 架空の恋人とのコミュニケーションを開始
設定が完了すると、恋人からメッセージが届く。
メッセージの作成はロボットではなく、生身の人間が担当している。1人の顧客に対して、1対1ではなく、最高7人までの担当者が割り当てられており、1回のセッションでも、最初から最後まで同じ相手が返信するとは限らない。
また、「恋人役」を務める人は顧客がどんな恋人像は描いているかは承知しているが、顧客の身元など、詳しい個人情報は分からないようになっている。
このアプリの目的は恋人のいない人たちの孤独を慰めることではなく、友人や家族に対して「恋人がいる」という芝居をよりリアルに演じて、おせっかいを封じられるようにすることにある。