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エコキャップ運動、詐欺的行為に問題があるのではなく、運動に応じること自体が欺瞞

エコキャップ運動については、皆さんご存知のことと思う。「ペットボトルのキャップを集めてリサイクルに回し、売却益で途上国にワクチンを贈ろう」って奴。

でもこれ、目的からすると明らかに無意味。ペットボトルのキャップを回収・輸送し、キャンペーンシールなどを人力で剥がして洗浄・選別し(キャップの素材自体が多様のため)、粉砕してプラスチック原料に戻す。そこまでに膨大なコストがかかる割に、売却額はたかがしれているからだ。

そんな手間・コストをかけるなら、その分を現金で寄付すれば、はるかに大量のワクチンを提供することができる。

環境的にも無意味。「ゴミを減らす」効果より、輸送時や再生時のCO2排出・エネルギー投入の悪影響のほうが大きいから。

私はこの手の「意味なし偽善」は大嫌いであって、以前も雑誌「ソトコト」版元の木楽舎の奇妙な商売(古靴を集めてアフリカに贈ろうって奴)について書いた。

慈善のつもりで取り組むなら、現地送付コストや環境負荷が限りなくゼロに近い「現金振込」にすべきだろう。

この手の「善意運動」に、馬鹿な子供ならともかく、大人までが「深く考えず」参加してしまう現状にうんざりしていた。

そもそも「NPO団体」というのは設立や認可が緩いだけに伏魔殿であって、暴力団やカルト宗教が集金・脱税の隠れ蓑にしていることも多い。

――とか思ってたらやはりというか、運動元締めのNPOが2013年よりワクチン寄付をしていなかったことが報道された。

この手は怪しい宗教と同じで、いったん回り始めたら巨額が動くので、ばれない程度に少額の寄付は続けるのが普通だ。エコキャップ運動は年間9000万円も収入があったのだし、胴元にしたらおいしいシノギだ。

それすらサボるとは、よっぽどナメてたのか、気が緩んだんだろう。

私が強く主張したいのは、「ワクチンを送らなかったからダメ」ではなく、「そもそもこの手の無意味慈善に手を貸す事自体がダメ」ということだ。

日本や世界で大地震や天災、戦争があると駅前に怪しい募金団体がワラワラと湧いて出るが、「警察の許可があるから安心」と金を放り込む人は、カルト宗教を肥やしてしまう可能性を考えるべきだ。そもそも警察の許可ってのは「道路使用許可」であって、団体の信頼性を担保するものではない。

藤原新也は「東京漂流」で、「善意を施すときは特に注意しろ」と主張した。私の知るとある経営者も、同様の意見を聞かせてくれた。

私も彼らに同意する。慈善を考えるなら、よく考えるべき。その金がどう回ってどう処理されているのか明示されているのか、運動自体に意味があるのか。

その「思考力」こそが、真に世界を良くしていくことに繋がるはずだ。

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