ギリシャ問題が再び関心を集めています。
というのも、5月になるとIMFに対する借金の返済時期が来るからなのですが、その返済資金の工面できそうにないからです。伝えられるところによれば、IMFに対して返済の先送りを打診したと言われています。
で、返済の先送りを打診されたIMFとしては、ノー!と言ったとされています。返済の先送りは、新たな支援と同じであるからだ、と。
いずれにしても、今ワシントンでは世銀、IMF関連の国際会議が開かれているので、そこでギリシャやドイツの関係者ががどのような発言をするかに関心が集まっているのです。
念のために言っておきますが…IMFやEUは、ギリシャにお金を貸さないと言っているのではないのです。お金はこれからも貸しますよ、と。しかし、そのためにはちゃんと約束を守ってほしい、と。つまり、緊縮策を実行して欲しいと言っているのです。
しかし、ギリシャからすれば、その緊縮策がギリシャ経済を破綻に導くものだと言うのです。もう緊縮策は沢山だという国民の声を受けて誕生した政権ですから、簡単に緊縮策を再開することは国民を裏切ることになるのです。
でも、どうしても緊縮策を受け入れられないというのであれば、最終的にはユーロ圏を離脱するしかないわけですが…しかし、ギリシャはユーロ圏を離脱するのも嫌である、と。
言っていることが我儘であるとしか思えません。
では、ドイツなどは、ギリシャがユーロ圏から去ってもいいと考えているのでしょうか?
問題はそこなのです。
今までのドイツの立場は、如何なる国もユーロ圏から去ることは認められないというものでした。そんなことを認めると、折角実現させたユーロ圏が崩壊してしまう恐れがあるからです。
お分かりになりますか?
つまり、ギリシャは高を括っているのです。自分たちをユーロ圏から追い出したら、ユーロ圏は崩壊してしまうぞ、と。そんなことになると困るのは、むしろ債権国の側ではないか、と。
ですから、ギリシャは、最終的にはドイツなどが自分たちの主張をある程度は認めてくれると読んでいるのでしょう。
しかし…少しずつドイツの態度にも変化が生じている可能性があるのです。
何故でしょうか?
それは、余りにもギリシャの態度が苛立たしいから。今度もギリシャの財務大臣は、今のギリシャ救済スキームをポンジースキームと呼んでは憚らないのです。
それに、ドイツとしては、ギリシャ自身がユーロ圏を去る気がないのであれば、後はギリシャがデフォルトに陥るのを認めるかどうかの違いになるだけだからです。
もちろん、ユーロ圏のなかでデフォルトを起きることは歓迎すべきことではないのですが…でも、今でも実態はデフォルトに陥ったのも同然であるからです。
ギリシャがIMFなどへ借金の返済をすることがができなくなれば、IMFが困ることにはなりますが…しかし、もはや民間銀行などへの影響は極めて限られているのです。
却ってあく抜けを歓迎する向きがあるかもしれません。
でも、本来返済されるべきお金が返済されなかったIMFはどう対処するつもりなのでしょう?
当然のことながら、今度はIMFにツケが回ってしまうのです。
ということで、 要するにチキンレースが続いているのです。
記事
- 2015年04月18日 11:54