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樋口判決は第二の伊達判決だ。いや、それ以上だ。


 きのう4月14日、福井地裁は関西電力高浜原発3、4号機の運転禁止を求める仮処分の判決を下した。

 これは物凄い、勇気ある判決だ。

 これを見たとき、私はすぐに1959年に東京地裁で下された、米軍基地は違憲であるという判決を思い出した。

 当時の東京地裁裁判長である伊達秋雄氏の名を冠して、後々まで語り継がれる、いわゆる伊達判決である。

 しかし、今度の判決を下したのは福井地裁の樋口英明裁判官の勇気は、当時の伊達秋雄裁判官の勇気を上回るかもしれない。

 伊達判決は、岸内閣が安保条約改定を強行しようとしていた中で、米軍基地は憲法違反であると断じた。

 勇気ある判決だ。

 だからこそ、日米両政府は慌て、田中耕太郎最高裁長官は、米国の手先となり、高裁を通り越して一気に最高裁で差し戻し判決を下して、結果的に伊達判決を葬ってしまった。

 今度の樋口判決は、日米安保条約改定に待ったをかけるような、大きな外交的影響力を持つ判決ではないかもしれない。

 しかし、原発再稼働に待ったをかけることは、国政を左右する大問題であり、日米関係にも影響を与える。

 その意味で、その衝撃は伊達判決に引けをとらない。

 しかも当時と今では政治状況が異なる。

 当時はまだ終戦から十年余りしかたっておらず、反基地闘争には野党や労働組合や世論の後押しがあった。

 しかし、いまは安倍政権の一強多弱の政治状況だ。

 しかも岸信介首相の孫である安倍晋三首相は、祖父を超えんとばかり、ますます暴走し、いまややりたい放題だ。

 少しでも反対するものを容赦なく弾圧している。

 メディアがその安倍政権に屈服し、反安倍政権を一緒になってつぶしにかかっている。

 そんな時に、安倍政権が事実上決め、その方向で突っ走っている原発再稼働に、正面からストップをかけたのだ。

 この樋口裁判長の勇気は物凄い。

 私が伊達判決を超えたという理由がそこにある。

 差し止め判決を喜ぶ原告や弁護士たちは、自分の手柄のように喜んでいる時ではない。

 勘違いしてはいけない。

 主役は樋口裁判官である。

 そして安倍政権はその樋口裁判官の判決に激怒してただでは済ませないと鬼のような形相だろう。

 自治体も財界もメディアもそんな安倍政権に味方している。

 住民の受け止め方は複雑で揺れている。

 世論は原発再稼働はやむを得ないと思い始めている。

 四面楚歌の中の戦いはこれからだ。

 原告や弁護士たちは、勇気ある樋口判決を見殺しにしないことだ。

 そしてそれは決して容易なことではない(了)

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