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“みずほ銀行”本店で繰り広げられた「詐欺」事件――元審査役逮捕で銀行の責任は

架空の投資話を顧客の男性に持ちかけて約1億1500万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は3月24日、(株)みずほ銀行の及川幹雄元審査役と会社員・桜橋厚氏、森田光一氏ら3人を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。及川元審査役は在職中の12年6月頃までに、元本はみずほ銀行が100%保証し、月利3%の配当を行なう、などと謳い金をだまし取ったとされる。また、数十人の顧客から数十億円を集め、他の顧客の配当の穴埋めや遊興費などに流用していた疑いがもたれている。

昨年、男性は配当金が滞ったことなどから警視庁に詐欺容疑で刑事告訴し、9月30日に受理された。また10月7日には、みずほ銀行と及川元審査役の双方に対して「みずほ銀行詐欺被害者の会」正会員5人が同様の手口で総額4億400万円(被害額2億5010万円)を詐取されたとして、東京地方裁判所へ損害賠償請求訴訟を起こした。被害者の会の訴状などによると、及川元審査役が「詐欺」を実行したのは同行本店(東京・千代田区)の応接室だった。原告は〈被告及川に対しては不法行為、被告みずほ銀行に対しては使用者責任ないし不法行為に基づき、損害賠償請求を求める〉とし、原告代理人の田邊勝己弁護士は「社会的信用力のある銀行という巨大な企業の中で白昼堂々と行なわれた犯罪」と指摘している。

及川元審査役は政府刊行物を扱う出版社(株)ぎょうせいの株式購入資金を秘密裏に集める、との名目で出資者を募っていた。みずほ銀行は実際に05年、MBO(経営陣買収)資金を出資して株式買収に関与している。ただし同社の株式は12年12月、(株)麻生の系列会社がみずほ銀行の買収価格の半値以下で取得し、ぎょうせいは麻生グループ傘下に入った。麻生は麻生太郎副総理(財務大臣・金融担当大臣)の弟の泰氏が会長を、甥の巌氏が社長を務めるが、法令出版大手ぎょうせいの利権はその「麻生一族」が握っている。

本誌2013年12月13日・14年1月17日・10月24日号でも関連記事を報じてきたが、みずほ銀行は今回の及川氏ら逮捕に「お詫び申し上げます」と述べる一方で、「元行員」に対しては「現時点では告発の形をとらず」などと、依然として曖昧な態度を貫いている。

(内原英聡・編集部、4月3日号)

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