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  • 階猛
  • 2015年04月12日 10:13

検察の暴走にブレーキを-検察官適格審査会

今国会から「検察官適格審査会」の委員を拝命しました。
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検察官適格審査会は、検察官が「心身の故障、職務上の非能率その他の事由に因りその職務を執るに適しないかどうかを審査」します。衆議院議員4名、参議院議員2名のほか、最高裁判事、日弁連会長、日本学士院会員、学識経験者など合計11名で構成されます。「検察審査会」という似たような名前の会議体がありますが、こちらは検察官を審査するのではなく検察官の事件の処理が適切かどうかを審査するもので、メンバーは一般の方からくじで選ばれます。

検察官適格審査会の任務は重要です。審査対象となった検察官の審査を行い、「職務を執るに適しない」という議決をしない限り、検察官をやめさせることはできません。検察官は公務員であって行政府の一員ですが、裁判官や弁護士と同じく法律家でもあります。人事権の濫用によって司法権が歪められることのないよう、検察官の身分は一般の公務員とは違って厚く保障されているのです。

しかし、近年では検察官が重要な証拠を捏造した村木さんの事件をはじめ、検察官の暴走が目立つようになりました。しかも組織ぐるみで違法行為が行われている場合もあります。こうした場合は組織内での自浄作用が期待できません。検察官適格審査会がその権限を活用し、問題ある検察官にはやめてもらう必要があります。

8日に開かれた会議では、20件の事案について関係する検察官の適格性を審査しました。それぞれにつき活発な議論が交わされましたが、私が特にこだわったのは、元衆議院議員の石川さんが事情聴取で語っていないことを東京地検特捜部の検察官が捜査報告書に記載したため、その捜査報告書を信用した検察審査会が強制起訴の議決をするに至ったという事案です。村木さんの事件と同様、当時は検察組織の根幹を揺るがす大問題となり、一般市民から刑事告発もなされました。最高検察庁も捜査に乗り出しましたが、結局刑事訴追は見送られています。

今回の審査では、事情聴取を担当した検察官はすでに退職しているため、その上司であった検察官の適格性が問題となりました。事前に検察官適格審査会の事務局が作成した資料では、虚偽の捜査報告書の作成日付の前に他の部署に異動になったので事件とは無関係である旨記載されていました。しかし、石川さんの過去のインタビューによると、この上司とのやり取りが別の検察官の捜査報告書に盛り込まれた結果、うその内容になったとのことです。事件と無関係であるはずがありません。私は、再調査をするべきだと主張し、委員全員の同意を得ました。国会と異なり非公開の会議ですが、政権の暴走だけでなく検察の暴走にもブレーキをかけています。

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