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エネルギーミックスに関する提言

2015年4月7日
自由民主党 政務調査会
原子力政策・需給問題等調査会

エネルギーミックスの策定に際し、以下、政府に提言する。

1.基本的な考え方

 東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓を踏まえることこそわが国エネルギー政策の出発点であることは言をまたない。こうした中で策定した新しいエネルギー基本計画に基づき責任あるエネルギー政策を構築することが強く求められている。

 日本経済がデフレ脱却に向け明るさを取り戻しつつある中、エネルギー制約を克服し、将来のエネルギー政策の予見可能性を高めることは、東日本大震災以降の経済再生、本格的な成長軌道に乗せるための最重要課題である。こうした観点からもエネルギーミックスを早急に策定することが必要である。また、電源立地地域の住民の意向にも十分に配慮する必要がある。

 今後策定するエネルギーミックスは、「徹底的な省エネ、再エネの最大限導入により、原子力発電の比率を低減させる」という政策の基本的な方向性に基づいて、将来のエネルギー需給構造の姿を示すものである。このため、数字ありきの議論ではなく、まずは、エネルギー政策の原点である「安定供給、経済効率性、環境適合、安全性(以下、3E+S)」に立ち返り、それに係る具体的な政策目標を明らかにした上で、その下での実現可能で、かつバランスのとれたエネルギーミックスを導き出すことが不可欠である。

 結局、あらゆる面で優れた単独のエネルギー源は存在せず、各エネルギー源の持つ強みが発揮され、弱みが補完されるような組み合わせにより、3E+Sが全て実現されなければならない。従って、エネルギー構成を検討するに当たっては、「あれもいや、これもいや」では解決にならない。このため、わが党は、3E+Sに基づき達成すべき目標等をここに整理し政府に申し入れる。これを受け、政府は、今般のエネルギーミックスを描くに際し、次の点を踏まえた上で検討を行うよう要請する。

2.達成すべき目標(3E+S)

政府は、以下の目標を全て満たすエネルギーミックスを描くべき。

(1)安全性(Safety)
 原子力については、いかなる事情よりも安全性を最優先すること。また、原子力以外のエネルギー供給インフラについても、同様に、安全性を大前提として活用されること。

(2)安定供給(Energy Security)
 化石燃料への過度な依存からの脱却が急務となっていることを踏まえ、東日本大震災後に大幅に低下したわが国のエネルギー自給率について、他の資源小国の状況も勘案し、震災前(約20%)を更に上回る水準(概ね25%程度)を目指 すこと。

(3)経済効率性(Economic Efficiency)
 今日、わが国が取り組むべき最大の課題は、アベノミクスの成果を津々浦々まで均てんし、わが国経済の再生・成長を確かなものとするとともに、豊かな国民生活を実現していくことである。そのためには、エネルギー政策もまた、アベノミクスを強化するものでなくてはならない。震災後わが国の電気料金は大幅に上昇しており、国民生活や産業活動の重荷となっている。ようやく見え始めている景気回復の動きを確かなものとし、さらに加速するため、エネルギーコストの上昇を将来にわたって固定化することなく、再生可能エネルギーの導入拡大や原発依存度の低減等を実現する中でも、電力コストは震災前に回復させることを目指し、可能な限り現在の水準よりも低下させること。

 また、これを実現するため、欧米の多くの国で、漸減傾向にあるが現状6割以上となっているベースロード電源の比率について、わが国において国際的に遜色のない水準を確保すること。

(4)環境適合(Environment)
わが国のエネルギー効率は、石油危機後に3割程度の大幅な改善を実現し世界トップクラスとなっているが、今後も、成長戦略を前提としながら、更に石油危機後並みの大幅なエネルギー効率の改善を目指す。こうした取り組みや低炭素エネルギーの活用により、欧米諸国の動きもみつつ、国際的な温暖化防止の取り組みに積極的な貢献ができるよう、震災後史上最高水準となったCO2排出量の大幅削減を実現するエネルギーミックスとすること。

3.新たな視点

わが党においてはこれまで多くの有識者からのヒアリングや議論を重ねてきたが、こうした中で得られた以下の諸点については、今般のエネルギーミックスにおける新たな視点として位置づけ、検討するべきである。

(1)エネルギーシステム改革を通じ、多様な供給主体が登場すること、また、需要家も省エネや再エネを通じて供給者となる等全員参加型の最適なエネルギー需給構造が実現されること。

(2)省エネ対策の抜本強化に際し、技術革新の成果の活用やエネルギーマネジメントシステムを活用する等「スマートな省エネ」により賢いエネルギー消費を促進すること。

(3)広域的な系統運用を徹底することで、全国大の効率的な電力運用(「メリットオーダー」)を実現すること。

(4)再生可能エネルギーについては、各電源の個性を活かした導入を図り、国民負担の抑制と最大限の導入を両立させること。

4.更なる取り組みに向けて

2030年以降も見据え、省エネルギー、再生可能エネルギー、水素等の技術革新等に積極的に取り組むこと。

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