al qods al arabi net はイラクのサッダム・フセイン政権のNO2であったizzat ibrahim al douriが、バアス党系のネットで、「決意の嵐」作戦を歓迎するとともに、同作戦はイラク及びアラブ地域で勢力を拡大しようとするイランのペルシャ帝国主義に対するアラブ民族主義を復活するものであると評価したと報じています。
そしてアラブに対して、アラブ民族主義を圧殺しようとする拡張主義にイランと戦うために、一致団結して「決意の嵐」に参加すべきであると呼びかけた由。
イエメンについても、彼は正統性(hadi大統領)を支持すると語った由。
彼は同時に、ISについてもアラブ民族を認めない誤った原理主義思想であるとして、ISとの戦いを呼びかけた由。
記事はさらに、al douriは現在イラク・バアス党の指導者であるが、同時に武装ナクシュバンディ運動の指導者であるとして、同運動は米国のイラク戦争後に米国とイラク政府と戦ったために、両方の政府からテロ組織の認定を受けていたとコメントしています。
さらに、同運動は2014年ISがイラクに入って来た時に、これと同盟を結んだが、その後両者は対立して、何度か衝突しているとしています。
http://www.alquds.co.uk/?p=322091
実は告白すると、米国のイラク侵攻後のイラクの抵抗勢力については、日ごろ読んでいるアラビア語メディアには詳しい情報は殆ど出てなくて、この武装ナクシュバンディ運動Army of the Men of the Naqshbandi Order なる組織についても聞いた記憶はありません。
もしかしたら、名前は聞いていても、世俗主義でアラブ民族主義、社会主義でアラブでも最も血なまぐさい独裁政権であるバース党と平和主義のスーフィ運動であるナクシュバンディ運動とがどうにも結び付かずに、ピンとこなかった可能性があります。
ネット等によると、サッダムの時代にも、ナクシュバンディ運動は、正に平和主義であって権力政治には関わらないと言うところで、サッダム政権からも存在が容認されていたとのことです。
そして、サッダム政権の崩壊後、al douri の様な政権の生き残りが、その広域にわたる組織を利用して、バース党の秘密組織として武装ナクシュバンディ組織を作ったものだとのことです。
そして、まさしく一時ISとは共闘する関係もあったので、al douri 党の旧バース党要人がISの指導的地位についていると見る者もあったが、それは間違いで、両者は別の組織であった者が、現在では対立する組織となっているとのことです。
それにしても、あのサッダム・フセインのNO2が、湾岸戦争時の最大の旧敵であるサウディの「決意の嵐」作戦を高く評価し、アラブ人にそれへの参加を呼びかけると言うのは、イラク・イラン戦争のことを考えれば、それほど不思議ではないかもしれませんが、それにしても時代の変化を感じさせます。
以上、こちらの無知を改めて告白することとなりましたが、何しろ全く無知であっただけに、このナクシュバンディ運動の規模とか、イラク内のスンニ派、とくに北部、西部のスンニ派部族との関係については、全く知りませんので、この運動が現在のイラク政治、イラクの軍事状況で有する重要性がどの程度のものかは、申し訳ないが知りません。
それにしても、記事の最後のところが事実おとすれば、彼らはISと戦いつつ、同時にイラク政府とも戦っているのでしょうか?
どうも、よくわからないと言うだけの記事で、甚だ申し訳ないがとりあえず。
記事
- 2015年04月06日 22:39