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「政治の根本使命・責任を忘却している」今の自民党について、小沢代表

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3月31日午後、小沢一郎代表が定例記者会見を行いました。会見概要は以下の通りです。

【質疑要旨】
○田中角栄待望論について
○検察の暴走と取り調べの可視化について
○安倍政権による言論弾圧問題について
○辺野古問題について
○日米ガイドラインについて
○国連の敵国条項と集団的自衛権について
○民族・中東問題について
○AIIB(アジアインフラ銀行)への参加表明見送りについて
○渋谷区の「パートナーシップ証明書」について

玉城デニー幹事長:今日は、山本太郎代表が参議院本会議のため、小沢一郎代表が皆さまからの質問に答えさせていただきます。

田中角栄待望論について

Q.安倍政権の政治と対極にある田中角栄の政治を地方にという「田中待望論」が国民の間に潜在的に多くあります。自公政治の中では同じことはできないだろうが、政治の師である田中さんの手法について、今、小沢代表が受け継ぐべきものについてどのようにお考えか。

小沢一郎 代表:田中先生でも、あるいはその他の当時の(自民党)リーダーたちでも、基本的には同じ哲学を持っていたと思います。ただ田中先生はああいう人生の経歴を持ち、またお人柄もあって今太閤として国民から非常に人気がありました。

その根本的な違いは何かというと、自民党は小泉政権以来まったく変質したと思います。と言うのは、簡単な言葉で言うと新自由主義、あるいはグローバリズム、グローバリゼーションという言葉が流行ってきましたが、それはまさに旧来の自民党の政治哲学と相反するものだと思います。

自民党は地方を偏重しているとか、農家の肩を持つとか、何やかや色々言われてきましたけれども、日本全体がどこに住んでいる人でも、どんな職業の人でも、できるだけ一定のレベルの生活ができるように富の再配分ということに非常に重点を置きました。 ですから財界と癒着しているの、いや何しているの、大企業どうのこうのって、当時も言われましたけれども、現実の政治はそういうふうに地域社会ということ、あるいは地域に住んでいる人たちの生活ということを非常に重視してやってきたのが自民党政治だったと思います。

ところが小泉さん、そしてとくに安倍さんはもっと極端ですけれども、とにかく自由競争が最優先ということで、自由競争で勝った者が生き残ればいいと。簡単に言うと、そこで儲けた企業からいずれそのうちオコボレがもらえるだろうという話しです。言葉は多少品良く使っていますけれども、言っていることはそういうことです。

現実には、いつまで経っても国民全体に対するそれほどの配分はなされない。多少儲かった大企業が正社員のベースアップなんかをして、それをメディアで賑わせていますけれども、事実上は大企業、しかも正社員だけですから、大部分の8~9割の勤労者にはその恩恵はないわけです。実質、国民所得は減り続けているという現実です。

一生懸命努力した、皆でできるだけ公平にと心がけたけれども、なかなか格差が縮まらないと言うならまだ救いがあります。ところが(安倍政権は)効率の悪いところ、地域も産業も個人も要らないと。優秀な生産性の高い分野、優秀な人材だけが生き残ればいいんだという基本的な考え方は、全く歴史に逆行するし、民主主義を否定するものだと思います。

初期の資本主義以来、色んな社会保障から、色んな仕組み、セイフティ・ネットを作って、そして資本主義、民主主義は今日まで生き残ってきたのです。しかし今、まさに逆行した、元へ戻る、それが正しいのだというような形の政治は、必ず破綻すると思います。これは何としても正さなければいけない。自民党云々とか何党云々とかいうことではなくして、政治の根本の使命・責任を忘却していると私は思います。

検察の暴走と取り調べの可視化について

Q.検察の暴走と取調べの可視化について伺います。史上最年少28歳で当選した岐阜県美濃加茂市・藤井浩人市長が検察の暴走で逮捕・起訴されました。名古屋地裁で無罪判決が出ましたが、(3月18日)検察は高裁に控訴しました。市長の活動が実際に非常に制限されていますが、市民が団結して市長を支えています。「陸山会事件」の当時者であって小沢代表も同じく政治活動を妨害されました。村木厚子さんの事件や「陸山会事件」で検察では少し可視化、取調べの改革があったと思っていましたが、むしろ逆行し、悪化しています。このように一行政機関が証拠もなく政治家を起訴するなどして政治活動を妨害することについてどう思われますか。また、全く取調べの可視化がされていない現状をどのように改革していけばとお考えか。

小沢一郎 代表:問題はやっぱり日本の民主主義、議会政治の根幹にかかわることだと思います。そういう検察の権力の濫用を政治が、突きつめて言えば、主権者たる国民がきちっとチェックできない。それが大問題であって、日本が民主主義国家として世界からも事実上、異端視され、特殊な国であると非常に良くない意味で見られているのは、そういうところにあると思います。

とくに検察、警察もそうですけれども、基本的人権を権力によって規制する、あるいは縛る、奪う権力を持っている部門ですから、これは本当に慎重にも慎重を期して行なわなくてはならないだろうと思っております。

今のことにつきましても、ある意味で私に対する検察の捜査、攻撃等と非常に似ていますけれども、地元の皆さんが立ち上がって一生懸命バックアップしているというので、それはぜひ本当に頑張ってもらいたいと思います。

私のケースでは、地元の皆が頑張ってくれましたが、日本の政治を決める国会において、私個人に対するバックアップという意味ではなくして、こういう権力の濫用に対する批判、あるいは議論が全くなされなかったということは、日本の民主主義の将来にとって非常に心配です。 とくに検察は、いわゆる起訴、捜査、起訴をするかしないか、その権限も起訴便宜主義という形の中で持っているのです。これはやはり国会が、国会から構成される内閣がきちんと民主主義を守っていくということでなければ、永久に日本は官僚権力の思うようにされてしまうということだと思います。

今お話しで挙げました私の場合ですが、結果として全く事務的な過ちもなかったと思っております。虚偽記載なんて大袈裟に言いますけれども、何も虚偽記載しておりません。ただ売買契約を事前に報告すれば良いか、登記が完了した時に報告すれば良かったのかというだけの話しであります。それによって私と、そして石川(知裕)は議員を辞職せざるを得ないというようなことにまでなりました。

しかしその後、まさしく政治資金規正法あるいは選挙法を始め、明確な違反の例がいくつか出ましたけれども、検察は何らそれに対応しておりません。余りにも政治的と言いますか、検察自身の政略的な判断による動きが酷過ぎると思っております。結果的にはやはり政治がきちんとそれをコントロールできないということが問題だと思います。

これは検察だけではなくて裁判所でもそうです。国会に裁判官弾劾裁判所というのがありますけれども、一度も機能したことがありません。検察官の適格審査会というのもありますが、行政の中でこれはむしろ彼らの中に取り込まれているようなものです。私はそういう意味でやはり国民から選ばれた立法府、政治がもっと民主主義を守るため、きちんとした、しっかりした対応を取らなければいけないと思っております。

安倍政権による言論弾圧問題について

Q.安倍政権を批判した元経産官僚がテレビ朝日の番組を降ろされた事件で菅官房長官が放送法を楯に取って脅し上げました。これが昨日(3月30日)午前11時の記者会見で、夕方早速テレビ朝日が元・経産官僚の「コメントを止めることができなかった自分たちを恥じている」と、つまり圧力に屈したわけです。これはもう第一級の言論弾圧事件だと思いますが、どう思われますか。

小沢一郎 代表:そんなこと言ったの?

フリー・ジャーナリスト:古館キャスターが言ったのです。

小沢一郎 代表:彼が言ったって、会社が言ったのだ。そんなの今、いっぱいあるのではないの。

フリー・ジャーナリスト:裏で色々潰したとか、スポンサーに働きかけて記事を降ろさせたとか、それは腐るほどあります。某有力自動車メーカーが云々とかありますが、これは表立って記者会見です。ネットでも、日本中誰でも見られる地上波のニュースでも流れました。これはもう公の前でテレビ朝日を脅し上げたわけです。放送法、つまり会社にとっては免許取り消しとも解釈できる。そういう堂々とした公のものはかつて無かった。そういうものは裏でやるものでした。

小沢一郎 代表:普通はね。だけど最近は皆、今の政府・内閣は、もう大っぴらにそういう権力を振り回すやり方をしているのではないの。例えば(玉城)デニー君いるけれども、沖縄の問題だってそうだよね。とにかく権力を(振り翳し)何が何でもお前ら文句言うなと。少しね、やっぱり余りにも権力者の思い上がりが最近は目立つのではないか。

「すみませんでした」という(テレビ局の)方もどうかと思うけど。ちょっとそんな脅しに屈するというのはおかしいと思います。しかし脅す方はもっとおかしいわね。そういう権力の横暴を止めるのは、やっぱり政治、そして国民でしかないわけです。ぜひとも次の審判で、そういう権力に鉄槌を下してほしいと思います。

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