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「お上がやるのは、京都ではない」――町に新しいソフトウエアを走らせる - PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 組織委員会会長長谷幹雄氏インタビュー

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結果はすぐには出ない


ーー長谷さんは長浜のご出身で、町おこしの成功例と言われることの多い「黒壁スクエア」にも関わられました。そういう町おこしと、今回の芸術祭の実施には違いがありますか?

まったく違います。長浜のプロジェクトは一つの「モノ」です。町というかたちのあるもの、目に見えるものを変えていく。

――お客さんが増えることがいちばんの目標になるわけですよね。

そうですね。でも、それがその町にとって本当にいいことかどうかは、考える余地があるとも思っています。今、地方創生が喧伝されていますが、ほとんどが観光が主ですから、本当にいいことかどうかわからない。なぜなら、人がたくさん来るということは、その町が崩れていくという側面を伴うからです。

一方で、この芸術祭はものづくりではなく、ソフトです。そして、ソフトは、目に見えるものづくりと違って、よくわからない。結果はすぐには出ないし、どう評価すべきかもすぐにはわからない。入場者数が多ければ成功なのか。世界のトップレベルの有名アーティストが参加することが成功なのか。いったい何をもって成功と言うのか。

――それ、お聞きしたかったことです。じゃあ、どう評価するかはまだこれからということでしょうか。

総合点でいくしかないでしょうね。

――それでも、実現へ向けて京都の人たちが走ってきたというのが、すごいことだなあと思います。

それはたしかにその通りですね。みんなわからないんです。わからないからやった。その方が面白いじゃないですか。現代芸術祭をやること自体は決して新しいことでもなんでもありません。ただ、京都にとっては非常に新しいことだった。この古い体質の中で、新しいものを受け入れる態勢がつくれるかどうか。これは私のような門外漢がやるから、怖いもの知らずで行けたと思います。

――今日、これ(パラソフィアのプレス・タグ)をぶら下げて町を歩いていたのですが、京都文化博物館の近くのあるお店に入ったら店員さんに、「あれ、もう始まるんでしたっけ?」と声をかけられました。

それは上等な方ですよ(笑)。みんな知らへん。告知するのが大変や。でも、祇園祭かて、はっきり言うたら、中京と下京の祭りや。北の方へいったら「何かやってんの?」てなものですよ。それでええねん。それがまた京都の魅力でもある。

市民全体で盛り上げるようなかたちになるのにはやはり時間がかかると思います。一回では無理です。これが続いていくのか。どういうかたちで続いていくのか。すべて結果次第です。だからこそ、たくさんの人に見てもらって、こうだったああだったと、盛り上げていってほしいと思います。

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堀川団地にて。ポスターは参加作家の作品画像をメインに7バージョン作成され、希望者に送付して各自場所を選んで掲示してもらうというプロジェクトのかたちをとった。芸術祭チケットがあれば何度でも鑑賞できるシネマプログラム(@京都文化博物館フィルムシアター)など、関連イベントも多く行われている。

■展覧会情報
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015
会期: 2015年3月7日(土)〜5月10日(日)
休場日: 月曜日(ただし、3/9、5/4は開場。京都府京都文化博物館のみ4/27は開場)
会場: 京都市美術館、京都府京都文化博物館、京都芸術センター、堀川団地(上長者町棟)、鴨川デルタ(出町柳)、河原町塩小路周辺、大垣書店烏丸三条店
主催: 京都国際現代芸術祭組織委員会、一般社団法人京都経済同友会、京都府、京都市
問い合わせ: 京都いつでもコール TEL: 075-661-3755075-661-3755(8:00-21:00)

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画像を見る 長谷幹雄(はせ・みきお)
PARASOPHIA実行委員会会長

長浜市出身。学習院大経済学部卒業、米国カンザス大MBA終了。1972年に長谷本社入社、取締役に就任。2001年から同社代表取締役社長。2014年から同社代表取締役会長。1987年京都経済同友会入会。2011年4 月から代表幹事。その他に烏丸通まちづくり協議会会長なども務める。

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