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日銀短観と市場の反応

4月1日に発表された日銀短観(3月調査)では、 ヘッドラインとして注目される大企業製造業DIがプラス12ポイントと、前回の2014年12月調査のプラス12ポイントからは横ばいとなった。大企業製造業DIの3か月先の予測はプラス10ポイントと2ポイントの悪化を示した。

 大企業非製造業はプラス19と2ポイントの改善となっていたが、3か月先の予測はプラス17とやはり悪化を示した。

 大企業全産業の2015年度の設備投資計画(含む土地投資額)は前年度比マイナス1.2%となり、全規模合計では前年度比5.0%のマイナスとなっていた。企業経営者は景気の先行きについてかなり慎重な見通しとなっているようである。

 大企業製造業DIは株式市場のトレンド変化を示すことがある。足元が予想を下回っただけでなく、先行きの悪化も意識されてか、1日の東京株式市場は下落し日経平均は一時19000円を割り込んだ。この株安を受けてドル円も下落し、債券先物は反対に買い戻されていた。

 2013年4月4日の量的・質的緩和政策の決定からまもなく2年が経過しようとしている。2014年10月の量的・質的緩和政策の拡大もあり、過剰流動性相場となり、株や債券が買われ、株高に絡んで円高調整が進行した。しかし、日銀の物価目標は達成できる見込みがなくなっているばかりか、企業の景況感も短観を見る限りかなり慎重になっている。

 日経平均は2万円手前で反落となった。2万円台に乗せるにはいったん調整をしておいてから再度チャレンジかとの見方もできるかもしれないが、日米欧の中央銀行の金融政策によって生み出された過剰な相場はいずれ修正を迎えることも予想される。

 実態経済と株価や金利が乖離すればするほど、いずれそれが修正されるときが来る。異常な状況に慣らされてしまうと異常さが感じられなくなる。新年度入りしたが、2015年度はそのあたりに注意を払う必要があるのかもしれない。

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