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1500人調査で判明! 「嫌われるメール」の中身 - 平野友朗

嫌われるメールには決定的な特徴があった! 仕事でメールはどのように利用され、ミスやトラブルが起こっているのか。メールコミュニケーションの実態を浮き彫りにする。
調査概要●アイ・コミュニケーションが発表した「ビジネスメール実態調査2013」より引用。調査期間は2013年5月20日から6月19日。仕事でメールを利用している人を対象に、パソコンサイト上のアンケートフォームによる選択回答式で実施。有効回答数は1529。

【全般編】7割が失敗する「添付ファイルの付け忘れ」

仕事上で周囲とコミュニケーションを取る手段として、メールが不動の地位を確立している。ソーシャルメディア時代を象徴する「facebook」や「LINE」の登場もあるが、ビジネスシーンでのメールの存在感は変わる(図1)。

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図1~6(全般編)

メールによる失敗は後を絶たない。過去1年間における失敗経験を尋ねたところ、半数が何らかの失敗を自覚している。失敗経験がないと回答している人も、自覚症状がないだけで失敗をしている可能性は否定できない。というのも、自分のメールが相手に不快感を与えていても、指摘されるとは限らないからだ。実際に指摘されたのはわずか1.8割にとどまる(図3)。

一方で、8割以上の人が相手のメールの失敗に気付いている(図5)。自分の失敗より相手の失敗のほうが目に留まりやすいことがわかる。見つけた失敗内容(図4)は、「添付ファイルの付け忘れ」など、送信者として経験した失敗内容(図2)とほぼ一致している。それだけに、メールを書き終えたらすぐに送信せず、受信者の立場からメールをチェックすればミスを減らすことができるだろう。

添付ファイルは付け忘れだけでなく、容量にも気を付けたい。添付してよいファイルのサイズは合計2MB以下を推奨する(図6)。容量の大きいファイルを送りたいときには、ファイルを圧縮するか、ファイル転送サービスを使うことをお勧めする。事前に受信者へファイルサイズと送信方法について確認を取っておくとより丁寧だ。

【受信編】不快感を誘発するのは、失敗よりも「文章やマナー」

1日あたりの受信数は約半数が20通以上と回答(図7)。受信メールが増える要因の1つとして、情報共有のために転送やCC、BCCを多用していることがある。メール受信数が多いということは、それだけ読んでもらえる率が低くなる。たくさんのメールの中から読んでもらえるメールを送らないと、大切なメールが受信箱の中で埋もれてしまう。受信箱はもはや競争の舞台なのだ。

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図7~11(受信編)

メールの確認の頻度については、3人に1人が「届いたらその都度」と回答(図8)。メールを中心に仕事が回っている実態が読み取れる。早く返信するにこしたことはないが、返信を望む期限を尋ねたところ「1日以内」と答えた人の合計は約8割となった(図9)。この結果を考慮すると、朝、昼、夕方の3回、メールを確認して返信ができれば、仕事は円滑に進むと考えてよいだろう。

実際、半数の人がメールによって不快になった経験があるが(図10)、不快感を生む原因は、返信の遅さよりも、文章に関することが多いことがわかる(図11)。図6の受け取ったメールで「見つけた失敗の内容」と図11「不快に感じた内容」を比べると、項目が異なる。失敗は「添付ファイルの付け忘れ」など、誰が見てもわかる機能的な内容だが、不快感を誘発するのは「文章が失礼」など、感情的で抽象的な内容だ。失敗がただちに不快感につながるのではない。文章の書き方やビジネスマナーについても学ぶ必要があるといえる。

【送信編】約6割が「文章の書き方」に不安を感じている

まずは1日あたりの送信数を見よう。20通以上送信している人は1.7割(図12)。1日あたりの受信数(図7)では20通以上受信している人は約半数だったことから、送信メールは受信メールより少ない傾向が読み取れる。情報共有のためにCCやBCCが多用される傾向にあり、返信が不要なメールも含まれていることも一因だろう。

では、返信が必要なメールにはどう対処しているのだろうか。

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図12~16(送信編)

返信している期限を尋ねると約9割が「1日以内」に、4.1割は4時間以内に返事をしていた(図13)。「返信を望む期限」(図9)と比較すると、返信が欲しいタイミングよりも早い時点で返事をしていることがわかる。この結果からも頻繁にメールを確認して、できるだけ早く返事をすることがビジネスパーソンにとって習慣化している実態が垣間見える。

ちなみに1通書くには3人に1人が「5分以上10分未満」と回答(図14)。仮に1通書く所要時間が7分だとすると、1日10通のメールを書いている人は、70分費やしていることになる。1通あたりのメールを書く速度が仕事の成果に直結する時代なのだ。

メールを書くのに時間がかかってしまう背景には、6割以上の人が書くことに不安を感じていることがある(図15)。不安に感じる内容には「文章の書き方」「敬語の使い方」など、書き方の基本が並ぶ(図16)。逆に考えると、基本を押さえれば、メールに対する不安の多くは解消されるといえよう。

アイ・コミュニケーション代表取締役
平野友朗
(ひらの・ともあき)
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。筑波大学人間学類(認知心理学専攻)卒業後、広告代理店勤務を経て現職。個人のメールスキル向上から組織のメールのルール策定、メール処理の効率化による業務改善などに取り組むかたわら、官公庁や企業、学校や団体からのオファーでコンサルティングや講演、研修も行う。

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