記事

東大で博士号取消し相次ぐ

東大は今日、分子細胞生物学研究所の研究不正に関わった3人の研究者の博士号を取り消すことを発表しました。これは、東大の加藤茂明元教授が主催する加藤研究室における過去の論文165報のうち、61報に科学的に不適切な図を含むと判断される箇所が見つかったというものです。

東大の内部調査の結果、11名が不正行為に関わり、不正行為が存在する論文は実に33報に上るとのことです。

内部報告書では、事件の背景は旧加藤研究室において、加藤氏が国際的に著名な学術雑誌への論文掲載を過度に重視し、そのためのストーリーに合った実験結果を求める姿勢に甚だしい行き過ぎが生じ、実施困難なスケジュールの設定や学生などへの強圧的な指示・指導が長期に渡り常態化していたということが要因の一つとして挙げられています。

先日線中の研究でガンの有無が分かるという画期的な発表が行われた九州大学の広津教授のブログを見ると、著名な科学雑誌に論文が掲載されるためには、雑誌側からリバイズ実験など様々な要求がなされ、それをクリアしないと掲載されないというプレッシャーがあります。しかし、今回の東大の事例のように実験が求めらる結果を必ずしも得られるとは限らず、無理な実験の中で不正が発生してしまうという事態を引き起こしてしまいました。

しかし、これは科学及び大学に対する信頼を揺るがすものであり、決して看過されるものではなく、厳罰処分は当然のことであると思います。

東京大学では、5年前にも建築学の分野でトルコ人のアニリール・セルカン元助教授の博士号を取り消し話題になりました。こうした博士号の取消しの事態が続くことは極めて遺憾です。

“Times Higher Education World Reputation Rankings 2015”では、東京大学は12位と、英米の大学以外では最もランクの高い地位にいますが、こうした不祥事が続けばその地位も危うくなります。該当研究者はもちろんのこと、大学側にも猛省を促します。

あわせて読みたい

「東京大学」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ナイキ多様性広告 日本で大反発

    BBCニュース

  2. 2

    行政批判した旭川の病院に疑問点

    中村ゆきつぐ

  3. 3

    扇動行為ない周庭氏を封じた中国

    新潮社フォーサイト

  4. 4

    渡部会見に厳しい声 児嶋も重圧

    女性自身

  5. 5

    欧米との差 医療崩壊は政府次第

    青山まさゆき

  6. 6

    秋篠宮さま誕生日に職員2名辞職

    文春オンライン

  7. 7

    科学軽視の感染症対応変われるか

    岩田健太郎

  8. 8

    「TVより動画」霜降り明星の感性

    放送作家の徹夜は2日まで

  9. 9

    ガソリン車新車販売 禁止へ調整

    ロイター

  10. 10

    「鬼滅の刃」米で成功の可能性は

    田近昌也

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。