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川崎の事件を受けて。「ひとり親家庭」を支えるために、今私たちができること

川崎で中1の少年が殺められた事件、本当に胸が痛みます。

「親が気付かなかったのか?」といった、被害者の親の責任を問うような一部の声が見られますが、決してそのような声が「大きな声」になってしまう社会にしてはいけない…、子育てを支えることで、「子どもの貧困」を防ぐ取り組みしている私たちは、心の底から強く思います。

3月2日に発表された被害少年のお母さんのコメントからは、今この日本で、ひとり親で子どもを育てることの困難さが伝わってきます。少年の母親は、離婚後、5人の子どもの子育てと仕事を一手に引き受け、少年より早くに家を出て、夜まで働いてもなお、生活は苦しかったといいます。

「学校に行くより前に出勤しなければならず、遅い時間に帰宅するので、日中、何をしているのか十分に把握できませんでした」

「学校に行かない理由を十分な時間をとって話し合うことができませんでした」

一人きりで、仕事をしながら5人の子どもを育てること。少年の下には、まだまだ手のかかる保育園児の兄弟もいたそうです。共働き家庭ですら、母親が仕事を続けることに様々な障壁のある今の日本では、並大抵のことではありません。働かなければ生活が立ち行かない、仕事を休むと解雇される、子どものためにと働けば働くほど、子どもと過ごす時間が無くなる。時間的・精神的にも余裕のない生活状況にあったお母さんが、何をもっと頑張れば良かったのでしょうか。

被害者の親を「子どもの異変に気付かず防げなかった被害者の親が悪い」と責める前に、社会ですべきこと、私たち一人一人にも、行動できることがあります。今考えなければならないのは、「私たちに何ができたのか?」「同じように困難な状況にある家庭を支えるために、私たちに何ができるのか?」ではないでしょうか。

<フローレンスのひとり親家庭を支える取り組み>


【1】企業ができること:

ひとり親で子どもを育てる社員を会社で支える「ひとり親手当」を創設

フローレンスでは2008年から、ひとり親家庭に安価で病児保育サービスを提供する活動を続けています。

同時に、社外だけではなく社内にも目を向けて、団体としてひとり親として働くスタッフに何らかのサポートをしていくことができないかと考え、2014年12月に「ひとり親手当」を創設しました。(毎月5000円を支給)。

ひとり親世帯は増加傾向にあり、フローレンスの職員でも数人ひとり親で子育てしている職員がいます。25年度国民生活基礎調査によると、母子家庭世帯は82.1万世帯、父子家庭世帯は、9.1万世帯と年々増加しています。特に、母子家庭世帯数については、ここ20年間で大きく増加していることがわかります。

母子家庭の71%が年収200万円未満と、全子育て世帯の平均に比べ、経済的に非常に厳しい状況に置かれています。また、父子世帯においても、子どもの保育所へのお迎えなどがあるため、時間外労働を減らしたり、転職を余儀なくされたりするケースもあり、収入が大幅に減ってしまう恐れがあります。ひとりで、子育てと家事・仕事を一手に抱えることで、負担が大きく、企業がそういった社員を支えるという社会にしたい、まずは一組織として、その一歩を進めたい、という意思を込めたアクションでもあります。日本のひとり親家庭の公的サポートが充分ではありませんが、それを憂えるだけでなく、企業の立場からできることもあります。

出産祝い金などの制度は企業に拡がってきましたが、多様な生活背景を支える取り組みが、企業にも拡がっていけばと願っています。

【2】個人でできること:


1.周りにひとり親家庭の人がいたら、ぜひ、フローレンスの病児保育「ひとり親支援プラン」について、教えてあげてください。

超安価で病児保育が受けられる、フローレンスの病児保育 ひとり親支援プラン

「寄付によるひとり親支援プラン」は、低収入のひとり親の方を対象に月1,000円(税抜)の低価格負担で病児保育を受けられる支援制度です。通常は利用者が支払う費用を寄付で賄っているために、ひとり親家庭が安く利用することできます。

■緊急時の預け先が少ない

ひとり親家庭では、急な仕事や、親自身が病気のときなど、急遽子どもを預けなければならなくなったとき、安心して預けることのできる預け先がありません。昨年は、シングルマザーの女性が、インターネットのマッチングサービスを使ってベビーシッターに子ども預けたところ、大変痛ましいできごとが起こりました。多くの保育所は、早朝や夜間、祭日などは、開園していません。そんなときに「どうしても子どもを預けなければいけない」という場合、高額な料金がかかったり、安心な預け先が確保できなかったりする現状があります。

■深刻な病児保育問題

子どもが病気のときにも大きな課題があります。ひとり親は子育てや仕事もすべて一人で抱えていますので、子どもが病気になったときは、両親が交代で子どもをみることができず、会社を休んで子どもを看護することになります。子どもがきょうだいで、移し合うなど、何日も休み続くと収入が減ってしまったり、職場で弱い立場になってしまったりするリスクがあり、失職してしまうリスクも抱えながら余裕のない状態で働いています。頻繁に体調を崩す幼い子どもを抱えるひとり親は、こうしたリスクによる不安を一人で抱えながら、子育てと仕事を両立しています。

フローレンスでは、ひとり親家庭に安価に病児保育を提供することで、少しでも経済的な自立、生活基盤を支えて、安心して子どもと過ごせるように支援しています。

ぜひ保育園や小学校、周りにひとり親家庭の人がいたら、この支援プランをそっと教えてあげてください。私たちのほうでも、自治体や、各保育園に広報活動を行っていますが、まだまだ本当に必要な人に支援の存在が知られていないと感じています。

支援を伝えることは、決して失礼ではありません。病児保育は、現実的に、困っている日々を支えるインフラです。


2.ひとり親支援の活動を寄付で支えてください。

上記、ひとり親家庭を支援する活動は、寄付によって支えられています。

現在フローレンスでは、185人のひとり親家庭の子どもを病児保育で支えており、730人の寄付会員さんによって活動を支えていますが、寄付が足りず、現在も31家庭が支援を待っている状況です。

一日35円(月1050円~)の寄付で、ひとり親家庭をサポートことができます。皆さまのご支援・ご協力をお願い申し上げます。

■ひとり親家庭の子育てを支える『ひとり親家庭支援サポート隊員(寄付会員)』

※フローレンスへのご寄付は、確定申告で寄付金の最大50%が返ってくる「寄付金控除」の対象です。

<支援を受けたシングルマザーで子育てするお母さんからの声> 当時1歳の子どもを抱え、何もかも一人で頑張らなくちゃと、ものすごい不安と戦っていました。治ったと思ったら次の病気、朝は全く大丈夫だったのに保育園からお熱の呼び出し…。そんな中フローレンスの支援を受け、もう一人で頑張らなくてもいいんだ…と。ほっとして涙がこぼれた事を今でも思い出しては、涙がまたこぼれます。1年2ヶ月がたち、安心感のおかげか、子どもが病気になることも減りました。仕事をしていく上で、子どもがいつ病気になるかわからない為に引き受けられなかった業務もできるようになりました。皆様のお気持ち、心から感謝しています。(2歳児の母)

一歩一歩ではありますが、このような取り組みから、ひとり親を取り巻く状況について理解してくださる方が一人でも増え、ひとり親として子どもを育てることへの理解、子どもを育てる上での格差のない社会、親が安心して働ける社会を共に実現していきしょう。


※Yahoo!ニュースからの転載

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